潮騒金閣寺

 2011/6/20読書開始 7/1読破

生まれもしつけもいい優雅なヒロイン
倉越夫人節子の無垢な魂にとって、
姦通とは異邦の珍しい宝石のようにしか
感得されていなかったが……。

作者は、精緻な技巧をこらした人工の美の
世界に、聖女にも似た不貞の人妻を配し、
姦通という背徳の銅貨を、魂のエレガンスと
いう美徳の金貨へと、みごとに錬金してみせる。
”よろめき”という流行語を生み、
大きな話題をよんだ作品。