
居酒屋兆治 2015年11月2日 BSプレミアム

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は「居酒屋兆治」。
BSプレミアムで2015年11月2日(月)20:00〜の放送。
高倉健さんが昨年の11月10日に亡くなっています。
彼を偲んで来週までに6本ほど放送されますので
順次紹介していきます。
函館の街を舞台に、小さな居酒屋を営む兆治と
初恋の女とのすれちがう想い。
その店に集まる人々の人生模様を描いたドラマ。
高倉健さんが演じる兆治は、
まさに彼が生涯にわたって演じ続けた寡黙で
一本気な「不器用な男」そのものです。
また、主題歌『時代おくれの酒場』を
健さん自身が歌っています。
原作は山口瞳。
函館の街の小さな居酒屋「兆治」を営む藤野英治(高倉健)。
「兆治」という店の名前の由来は高校時代ピッチャーをしていた当時、
ロッテの村田兆治に憧れていたからだった。
しかし、肩をこわし、高校を卒業して会社に就職。
総務課長になったが、人員整理が嫌になり退職。
妻・藤野茂子(
加藤登紀子)と小さな居酒屋を営む。
この居酒屋に集う人々の様々な人生模様を降旗康男 監督と撮影の木村大作コンビで、
英治を中心して、市井の人々の姿を生き生きと描いています。
この店に飲みに来る登場人物を紹介しましょう。
精肉店を営む岩下(田中邦衛)はかってバッテリーを組んだ親友。
英治にいつもからむタクシー会社副社長の河原(伊丹十三)。
憎たらしいけど、彼が言った
”煮えきらねえ野郎だな。てめえんとこの煮込みと同じだ”との
セリフはズバリ核心をついていました。
生命保険会社のくたびれた会社員、堀江(池辺良)。
タクシー運転手の秋本(小松政夫)
小学校時代の校長先生で、30歳年下の奥さん(石野真子)を
もらった相場先生(大滝秀治)。
向かいの小料理店「若草」の女将・峰子(ちあきなおみ)と
そうそうたるメンバーが出演しています。
これだけの役者が揃えば見てるだけで楽しいですね。
登場人物はさて置いて、メインストーリーは
英治と昔の恋人・さよ(大原麗子)の悲恋の物語。
彼は資産家と一緒になった「さよ」の転落を耳にするが
どうすることも出来ない自分に苛立つ英治。その事を知っている妻の茂子は、
”人が人を思うことは誰にも止められないわ〜”と呟くだけだった…。
大原麗子さんは美しいですね。それもカゲロウみたいな儚い美しさです。
薄幸の美人とはこの人のことを言うのでしょう。
「さよ」と英治は互いに魅かれるものの、すれ違い。
何故と言えば相手のことを考えすぎて本心を相手に伝えられなかったから。
”黙って目を見れば、判る”
”目は口程に物を言う”なんて思っていても、
好きだったら、好きだと言わないと相手には伝わらない。
好きな人がいたら、勇気を持って言って下さい。と言いながら、私だったら、健さん風に、
”私は不器用ですから”とつぶやくでしょう。
健さんが歌う「「時代おくれの酒場」にこの映画の内容が集約されています。
♪♪この町には不似合いな 時代おくれのこの酒場に
今夜もやってくるのは ちょっと疲れた男たち
風の寒さをしのばせた 背広姿の男たち
この町には住み飽きて 俺の女もどこかへ行った
あいつ今頃どこでどうして どんな男と居るんだろ
夢の苦さを知りもせず 夢を探しているんだろう♪♪
ぜひ、Y-tubeで聴いて下さい。
秋の夜長に聞くと、自分の過去を思い出して心に沁み入ります。
1983年(昭和58年)制作。
P.S
BSプレミアムで
「天のしずく辰巳芳子いのちのスープ」が
13:00〜放送されます。
彼女が唱える、食を通して“いのちと愛”のスープの物語。
|