第一巻 2011/6/20読書開始 7/1読破

黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。
牢人の子に生まれながらも、二十二歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。
だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。

欲のうすい官兵衛だが、
「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。

 
     第二巻 2011/7/2読書開始 7/7読破

官兵衛は信長に新時代が出現しつつあるというまぶしさを感じていた。
「だからこそ織田家をえらんだ」のだ。
信長に拝謁した官兵衛は、
「播州のことは秀吉に相談せよ」と言われ
秀吉に会う。

秀吉は官兵衛の才を認め、
官兵衛も
「この男のために何かせねばなるまい」と
感じた。

ふたりの濃密な関係が始まった。


 
 第三巻 2011/7/7読書開始  7/11読破

官兵衛を信長に取りついでくれた荒木村重が
信長に謀反を起こし毛利についた。

翻意させるべく伊丹を訪れた官兵衛は
囚われてしまう。

信長は官兵衛も裏切ったと錯覚し、
子の松寿丸を殺せと命じた。

竹中半兵衛の策で救われるが、
官兵衛が牢を出た時は、半兵衛、既に病死。

牢を出てからの官兵衛は身も心も変る。

 
 第三巻 2011/7/12読書開始    読破

信長が殺された。
秀吉は「主の仇」光秀を山城山崎で討ち、
その二年後には、豊臣政権を確立した。

官兵衛は自分の天下構想を秀吉という素材に
よって、たとえ一部でも描きえたことに
満足だっただろう。

この戦国の異才が秀吉に隠居を許され、髪をおろし入道し「如水」と号したのは、
四十八歳のときであった。
黒田如水(官兵衛)福岡城にて死す。58歳如水は関ヶ原のとき54歳であった論功行賞を辞し、
「願うところは退隠のみ」退隠し、子、
長政の福岡城の一角に住んだ。
死までの約4年。心安らかな時を過ごした