第二巻 2001/4/12読書開始 5/19読破
黒船の出現以来、猛然と湧き上ってきた勤王・懐夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は次第に激化してきた。
先進の薩摩、長州に遅れまいと、固陋 な土佐藩でクーデターを起し、藩ぐるみ勤王化して天下へ押し出そうとする武市半平太の
やり方に、限界を感じた坂本竜馬は、
さらに大きな飛躍を求めて、ついに脱藩を決意した。
第三巻 2001/5/26読書開始 6/9読破
浪人となった竜馬は、幕府の要職にある勝海舟と運命的な出会いをする。勝との触れ合いによって、かれはどの勤王の志士ともちがう独自の道を歩き始めた。生麦事件など懐夷熱の高まる中で、竜馬は逆に日本は開国して、海外と交易しなければならない、とひそかに考える。そのためにこそ幕府を倒さなければならないのだ、とも。
第四巻 2001/6/9読書開始 6/30読破
志士たちで船隊を操り、大いに交易をやり、時いたらば倒幕のための海軍にする竜馬の志士活動の発想は奇異であり、ホラ吹きといわれた。
世の中はそんな竜馬の迂遠さを嘲うように騒然としている。
反動の時代長州の没落、薩摩の保守化、土佐の勤王政権も瓦解した。
が、竜馬はついに一隻の軍艦を手に入れたのであった。
第五巻 2001/8/5読書開始 8/11読破
池田屋ノ変、蛤御門ノ変と血なまぐさい事件が続き、時勢は急速に緊迫する。
しかし幕府の屋台骨はゆるんだようにも見えない。
まだ時期が早すぎるのだ……次々死んでゆく同志を想い、竜馬は暗涙にむせんだ。竜馬も窮迫した。
心血を注いだ神戸海軍塾が幕府の手で解散させられてしまい、かれの壮大な計画も無に帰してしまった。
第六巻 2001/8/11読書開始8/17読破
幕府を倒すには薩摩と長州が力を合せれば可能であろう。
しかし互いに憎悪しあっているこの両藩が手を組むとは誰も考えなかった。
奇蹟を、一人の浪人が現出した。
竜馬の決死の奔走によって、慶応二年一月、幕府の厳重な監視下に
ある京で、密かに薩長の軍事同盟は成った。
維新への道はこの時、大きく未来に開かれたのである。
第七巻 2001/8/17読書開始 8/19読破
同盟した薩摩と長州は着々と討幕の態勢を整えてゆく。が、竜馬は
この薩長に土佐等を加えた軍事力を背景に、思い切った奇手を案出した。
大政奉還一幕府のもつ政権をおだやかに朝廷に返させようというものである。
これによって内乱を避け、外国に侵食する暇を与えず、京で一挙に新政府を樹立
する一無血革命方式であった。
第八巻 2001年/8/25読書開始
慶応三年十月十三日、京は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は
大政を辛遺すると表明した。
ここに幕府の三百年近い政権は幕を閉じた。
時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどりつく。
しかし竜馬はそれを見とどけることもなく、歴史の鼻を未来へ押し
あけたまま、流星のように……。
巻末に「あとがき集」を収む。
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