NHKでスペシャルドラマ「坂の上の雲」の完結編となる
第3部が、いよいよ2011年12月4日(日)からスタートします!

第1部では、明治という近代日本の“少年期”に、
自分の進むべき道を悩み、とにかく一歩前へ進もうとした
秋山好古・真之兄弟と正岡子規の青春が描かれました。

第2部は、それぞれ陸・海軍の中枢へと成長していく秋山兄弟と、
日露が緊張を高め、開戦に至る時代のうねりが描かれました。
一方で、香川照之さん演じる子規の壮絶な最期は、鮮烈でした。

そして第3部では、日露戦争の激戦が描かれます。
CGなど映像表現の進化によって初めて可能となった、
二〇三高地攻略や日本海海戦などの迫力ある戦闘シーン。
様々な局面で究極の選択を迫られる、男たちの苦悩と決断。

坂の上の雲 (文春文庫)

第一巻 

明治維新をとげ、近代国家の仲間入りをした日本は、
息せき切って先進国に追いつこうとしていた。

この時期を生きた四国松山出身の二人の男達日露戦争に
おいてコサック騎兵を破った秋山好古、
日本海海戦の参謀秋山真之兄弟と
文学の世界に巨大な
足跡を遺した
正岡子規を中心に、
昂揚の時代・明治の群像を描く長篇小説全八冊

 

                 第二巻

戦争が勃発した……。世界を吹き荒れる帝国主義の嵐は、
維新からわずか二十数年の小国を根底からゆさぶり、
日本は朝鮮をめく"って大国「清」と交戦状態に突入する。

陸軍少佐秋山好古は騎兵を率い、
海軍少尉真之も洋上に出撃した。

一方正岡子規は胸を病みながらも
近代短歌・俳句を確立しようと、
旧弊な勢力との対決を決意する。





                   第三巻

日清戦争カら十年じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの
脅威に、日本は恐れおののいた。

「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」と
ロシア皇帝ニコライ二世はいった。

しかし、両国の激突はもはや避けえない。
病の床で数々の偉業をなしとげた正岡子規は
戦争の足音を聞きつつ燃えつきるようにして、逝った。




                                       第四巻

明治三1七年1月、日露は戦端開いた。
豊富な兵力を持つ大国挑んだ、
戦費もろくに調達できぬ小国……。

少将秋山好古の属す第二軍は遼東半島に上陸した直後から、苦戦の連続であった。

また連合艦隊の参謀・少佐真之も堅砲台群でよろわれた
旅順港に潜む敵艦隊に苦慮を重ねる。

緒戦から断を許さない状況が現出した。



第五巻

強靱な旅順要塞の攻撃を担当し第.三軍は、
鉄壁を正面から攻めおびただしい血を流しつづけた。

一方、ロシアの大艦隊が、
東洋に向かってヨーロッパを発航した。
これが日本近海に姿を現わせば
いま旅順港深く息をひそめている敵艦隊も
再び勢いをえるだろう。

それはこの国の滅亡を意味する。
が、要塞は依然として陥ちない。


                                             第六巻

作戦の転換が効を奏して、旅順は陥落した。
だが兵力の消耗は日々深刻であった。
北で警鐘が鳴る。

満州の野でかろうじて持ちこたえ
ごもりしている日本軍に対し、
凍てつく大地を響かせ、ロシアの攻勢が始まった。

左翼を守備する秋山好古支隊に巨大な圧力がのしかかった。やせ細った防御陣地は蹂躙され、
壊滅の危機が迫った。




              第七巻

各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、
日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。
補充すべき兵は底をついている。

そのとぼしい兵力をかき集めて、
ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、
日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。

だが、果然、逆襲されて日本軍は処々で寸断され、
時には敗走するという苦況に陥った。



第八巻

「本日天気晴朗ナレドモ浪高シー」
明治三十八年五月二十七日早朝、
日本海の濠気の中にロシア帝国の威信をかけた
バルテック大艦隊がついにその姿を現わした。

国家の命運を背負って戦艦三笠を先頭に
迎撃に向かう連合艦隊。

大海戦の火蓋が今切られようとしている。
感動の完結篇。
解説・島田謹二巻末に「あとがき集」他を収む。