第一巻 2011/7/8読書開始 7/15読破

「わが一生は、一場の俄のようなものだ」 家もすて戸籍もすて命さえもすてる覚悟で無宿人となった万吉は、どづかれ屋から身を起こす。「この銭、貰うた」。金こそ命のド根性男が幕末の大坂を駆け抜ける。
「この銭、貰うた」。逃げた父の代わりに金を稼がねばならなくなった万吉は、身体を張った“どつかれ屋”として身を起こす。やがて生来の勘とど根性と愛嬌を元手に、堂島の米相場破りを成功させ、度胸一の極道屋・明石屋万吉として知らぬ者のない存在となった。そんな万吉に大坂町奉行から密かな依頼がくる。

 
     第二巻 2011/7/16読書開始 8/6読破

侠客明石屋万吉となった男を時代の波が襲う騒乱渦巻く大坂で、米相場破り、果ては親分から侍大将となり、官軍との戦いに臨む。度胸と勘で場当たり的に生き抜く、怪ッ態な男を描いた異色の上方任侠一代記。

「わが一生は、一場の俄のようなものだ」。大侠客となった万吉は、藩州一柳藩に依頼され、攘夷派の浪士たちが横行しだした西大阪を警備する侍大将を引き受ける。おのれの勘と才覚を頼りに、場当たり的に幕末維新から明治の騒乱の中をたくましく生き抜いた“怪態な男”の浮枕を描いた、異色の上方任侠一代記。