映画紹介 2014年に見た映画で〜す。ここをクリックしてね!⇒ |
映画はいいですね。
映画を見ている時は自分が主人公、しばし夢の世界で遊べますから。
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ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た
/Ants on a Shrimp』。 2016年12月27日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!

紹介する映画は上映中の
『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た
/Ants on a Shrimp』。
デンマーク、コペンハーゲンの人気レストランで、
世界一のレストランに4度輝いた「NOMA」を率いる、
天才シェフのレネ・レゼピとスタッフたちが、
2015年に東京の日本橋に期間限定で出店された
「ノーマ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京」
で期間限定店をオープンするまでの日々に密着したドキュメンタリー。
レストランなんて、行く機会がない私としては
せめて、目からだけでも美食を味わってみたいと
観に行きました。ところが、彼らの料理に対する、飽くなき情熱、努力に感動!

出された料理をたっぷりと目で味わい、
そのうえ、完成するまでプロセスは隠し味で美味しかった。
(と、食べたつもりです。)
本店と同様に、その土地の食材を使うという
コンセプトを貫く「ノーマ」の創設者で料理長のレネ。
”常に進化していたいから”
”リスクは高いけど、楽しみたい。
本店と同じじゃダメだ”と、
日本の食材で新メニューを作るために、
食材探しには日本全国を巡り1年以上を費やし、7回も来日。
スタッフは”レネの要求は高度です”と、言いながら
”一皿目で衝撃を与え、
頭から日常や心配事を消し去るような…”との要望に
必死に応えようと全力を尽くす。
が、出来た試作品に対する評価は厳しく。
”作り直しだ、これじゃお客には出せない”と
オープン15日前、レネはレシピ開発チームが提案したメニューを一蹴する。
開店まで残り僅かな時間の中、一からレシビを練り直すスタッフたち。
レネの望む究極のひと皿とは?
たった、14皿のメニューを作る為にこれだけの労力を
注ぎ込む彼らの仕事ぶりには驚きでした。
レネの仕事ぶりを見ていると、オーケストラの指揮者をイメージしました。
スタッフの才能、性格を把握して、コンダクターを振る
指揮者そのもの、気に入る音が出るまで、彼等の動かし。
時には自分のアイデアを示唆して、自分達で考えさせ、
協力して作り上げる作業は見事なハーモニーを奏でる。
当初、2015年1月9日から1月31まで3週間限定で
オープン予定だったが、予約(定員約2000人)が1日で埋まり、
ウェイティングリストに6万2000人が名を連ねたため、
営業期間が急遽2週間延長された。
貧乏人の私は値段が気になるので調べたら
「マンダリン オリエンタル 東京 37F。
オープン期間は2015年1月9日〜1月31日。
価格は3万9,800円。
別途消費税8%とサービス料13%が必要」。
彼らが心血を注いだ料理を思えば、リーズナブルな値段?
出来上がった究極の一品はチラシの写真にある
”蟻を添えたボタンエビ料理”。
そう、これが原題の「Ants on a Shrimp」。
ボタンエビを生きたままの状態にして、
酸味を付けるために生きた蟻をのせたものです。
まさに、キャッチコピー通りの
”独創的で美しい料理の数々…”。
監督はモーリス・デッカーズ。
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
/Rogue One: A Star Wars Story」。 2016年12月22日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の
「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
/Rogue One: A Star Wars Story」。
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の
直前を描いたサイドストーリー。
キャッチコピーは、
”希望は、死なないー”。
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
冒頭のシーンは主人公の
ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)の
父であるゲイレン・アーソ(マッツ・ミケルセン)は
帝国軍の究極兵器<デス・スター>の開発者。
隠れ住んでいた彼の家に現れたのは帝国軍。
父は幼いジンを
”ジン、何があっても、お前を守るいいな”
”はい、父さん”と、隠れ家に逃がすが、
自分は帝国軍に拉致される。
ジンは反乱軍の
ソウ・ゲレラ (フォレスト・ウィテカー)に
連れ去られるが、逃げ出し
15才の頃からたった1人で生き延びてきた。
そんな中、ゲイレンよりデス・スターの
情報を預かり逃亡して来た帝国軍のパイロットの
ボーディー( リズ・アーメッド)は
ソウ・ゲレラ一味に監禁されてしまう。
一方、反乱軍はゲイレンの娘、ジンを利用して
ゲレラと接触を図ろうとする。
そのため、帝国軍に逮捕されていたジンを救出すべき
反乱軍のスパイである
キャシアン(ディエゴ・ルナ)と
元帝国軍ドロイドで正確な戦略分析を得意とする
K-2SOはジンを救出する。
反乱軍の本拠地ヤヴィン連れてきて協力を要請する。
”我ら反乱軍は帝国軍と戦ってる。
力を貸してほしい、最後に父親と会ったのは?”
”どういうこと”
”究極兵器を開発したのはお前の父親だ”。
惑星ジェダを本拠地とするゲレラ一味の元に向かう
キャシアン、ジン、そしてK-2はジェダで
ボーディーを捜索するが、そこで帝国軍と
ゲレラ一味との交戦に巻き込まれる。
元ジェダの寺院の守護者である
フォースを信じる盲目で棒術の使い手の
チアルート(ドニー・イェン)と、
友情に熱い勇者のベイズ(チアン・ウェン)は、
ジンたちを助けようとするが、ゲレラ一に捕縛される。
ジンはゲレラと再会するがアジトには
捕縛されたボーディーと彼が持ってきたゲイレンの
ホログラム映像のデータが示したのは
図面のある場所だった。
その図面は、ゲイレンが帝国軍の士官である
オーソン(ベン・メンデルソーン)に
デス・スターの開発を協力するフリをしながら、
致命的な弱点を記したものだった。
その図面は惑星スカリフの基地にあることを示していた。
さて、ジン達、ローグワンはその設計図を
手に入れることは出来るのか…。
タイトルの「ローグワン」とは、何でしょうね。
辞書を引くと、”Rogue”とは
”はぐれ者、反逆者、悪党、ごろつき、
悪漢、腕白者、いたずらっ子”などの意味があり、
”ローグ”が集まり、一つ(ワン)になること。
監督のギャレス・エドワーズは言っています。
1つ目は戦闘中に個人または集団を指す軍隊での
コールサインとしての意味。
2つ目はスターウォーズシリーズの本筋から外れた
サイドストーリーの作品だということ。
3つ目は主人公のジン・アーソのキャラクターも
”反逆者”だと、三つの意味があるそうだ。
まぁ〜、私的にはロボット(K-2SO)の真面目で
とぼけたキャラクターが面白かった。
又、棒術の名人・チアルートは何となく「座頭市」をローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
/Rogue One: A Star Wars Story」。
思い出させますね。
3Dプラス、音響効果抜群のドルビーアトモスで
観たので臨場感は素晴らしく、楽しめました。
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海賊とよばれた男 2016年12月15日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!
 クラブW杯・決勝で鹿島2−4レアル・マドリードに 負けて準優勝に甘んじました。
が、あの審判の変なジャッジが無ければ 勝てる可能性はあったのに…。
今日の映画紹介は上映中の「海賊とよばれた男」。 原作は百田尚樹のベストセラーの同名の小説を映画化。
出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしたといわれ、 主人公・国岡鐵造を岡田准一が演じての映画。 だからか冒頭、”Based on a True Story”ではなく、 ”inspired”となっていました。
山崎監督は本作を映画化したきっかけについて、 ”終戦直後のあの時代、皆が下を向いていたときに、 とんでもないことをしでかした男達が 居たということへの驚きが原動力。 その背景を探求したくなった。”と言っています。
だから、百田尚樹原作の「永遠の0」と同じ、 岡田准一主演×山崎貴監督のタッグで映画化。
キャッチコピーは、 ”戦う理由は、未来にあるー”。
燃料が石炭だった時代。石油の将来性を予感していた 27歳の若き、国岡鐡造(岡田准一)は、 北九州・門司で石油業に乗り出し、 倒産の危機に遭いながら会社を大きくしていく。
その前に立ちはだかるのは国内の販売業者の 石油配給統制会社社長の鳥川(国村隼)等や 欧米の石油メジャーなど、 常に様々な壁が立ち塞がり、行く手を阻む。
しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、 それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、 型破りの行動力、何よりも自らの店員を大切にする その愛情で、新たな道を切り拓いていった。
そんな中、兄の万亀男(光石研)の世話で ユキ(綾瀬はるか)と結婚する。
その店主を慕い、サポートする店員には 日邦石油から国岡商店へ転職した、 東雲(吉岡秀隆)、 元漁師で海上で商売する鍛造を見て入店した 長谷部(染谷将太)、 元GHQの通訳で鍛造に惚れこみ入店した 武知(鈴木亮平)、 創業当時から鍛造と苦楽を共にした 柏井(野間口徹)、 元海軍大佐でGHQの要請でラジオの修理事業を 持ち込んで店員となった 藤本(ピエール瀧)、 創業当時から鍛造の右腕として、番頭役を務める 甲賀(小林薫)等一騎当千の店員たちだった。
 その鐡造の姿は、敗戦後の日本において、 さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。 倒産かと心配して集まった、社員に向かって、 ”愚痴をやめよ、愚痴は泣きごとである。 亡国の声である”と、鼓舞する鍛造だった。
が、石油メジャーに敵視された「国岡商店」は、 圧倒的な包囲網により、全ての石油輸入ルートを 封鎖される。追い詰められた国岡鐡造は、 船長・盛田(堤真一)率いる巨大タンカー「日承丸」を 密かににイランに派遣するという“狂気”の行動に出る。
英国艦隊の目をかいくぐり、 無事に日本に帰還することができるのか? 国岡鐡造は、なぜ“海賊”とよばれたのか?
冒頭のB29による焼夷弾が雨あられと降る、 東京の大空襲から始まるシーンには驚かされました。 VFXの第一人者と言われる山崎貴監督だけに 巨大タンカーなど、素晴らしい出来栄えでした。
波乱万丈の国岡の27歳から92歳までの一生を 岡田准一が熱演していて、 様々なエピソードを絡ましてのストーリーの展開は あっという間の2時間25分でした。
私が特に気に入ったのは、劇中、要所要所で 歌われる”国岡商店社歌” ♪♪荒波乗り越えて 船をこぎ出せば そこは同胞はらから集う 希望の地
常にその心に 荒ぶる波を いにしえの海人うみびとの 生き様ざまを
襲いかかる苦難に 流されても 再び陽ひが昇れば 我ら立ち上がる たとえ一歩でも 前に進め♪♪
この元気が出る歌詞とメロディーは いつまでも耳に残りますね。 作詞が山崎 貴監督で、作曲・編曲が佐藤直紀。 ぜひ、Y-tubeで聴いて下さい。
蛇足。
映画を観て思ったことは、 会社だけでなく、組織のリーダーシップを執る人は 未知に挑戦して、リスクを恐れず突き進む人でないと 会社は大きくならないということ。 例えば、カリスマ性のあるソフ○バンクの社長などは そうではないでしょうか。
サラリーマン社長だと、優等生だけど、 確かに冒険をしないから現状維持に キュウキュウとしてジリ貧になってしまう。 シャー○がそうでしょう。
ただ、悩ましいのは創業者を継ぐ、 2代目が親のようにリスクを執る勇気と情熱が あるかどうかでしょうね。
又、出光興産は現在、昭和シェル石油と 2経営統合(合併)を巡り、創業者一族と経営陣の間で 協議が行われているが、創業家側が 株主総会で反対を表明し、協議が中断しています。
その理由は本作を見ると、理解出来ます。 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
/Rogue One: A Star Wars Story」。 長年、煮え湯を飲まされ続けた民族系の出光としては 外資系との合併は意地でも、反対でしょうね。。 |

ミス・シェパードをお手本に 2016年12月13日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!
 12月9日に種子島宇宙センターから HII-Bロケット6号機により打ち上げられた 宇宙ステーション(ISS)補給機「こうのとり」 6号機(HTV6)が13日19時にISSに到着して、 ISSのロボットアームによってキャプチャ(把持)されたの ニュースに\(^o^)/!
今日の映画紹介は上映中の 「ミス・シェパードをお手本に/The Lady in the Van」。
主演のマギー・スミスと言えば、 すぐに「ハリー・ポッター」シリーズの 魔法使いの先生を思い出しますね。 本作は16年間にわたりマギー自身が 主演してきた舞台劇を映画化したもの。
キャッチコピーは、 ”ユーモアたっぷり、ちょっぴり切ない人生の ”宝物”がつまった感動作”。 ”ボロは着てても心は錦!ポンコツ車のレディがやってくる”。
イギリスを代表する劇作家アラン・ベネットの 経験をもとにして、偏屈で風変わりな謎の レディ “ミス・シェパード”と劇作家のアラン・ベットとの 15年間に及ぶ奇妙な交流をコメディタッチで描く。
 1970年代のロンドンのカムデン、 グロスター・クレセント通り23番地。 劇作家のベネット(アレックス・ジェニングス)は 文化人が住む、この地区に引っ越して来る。
彼が、ずっと前からこの通りで暮らしている ミス・シェパード(マギー・スミス)を知ったのは 近くの教会のキリスト像を見上げている時、 彼女に話しかけられる。
”あんた神の使いかい?” ”劇作家のベネットだ” ”違うなら車を押しとくれ”と、強引に頼まれて、 故障した彼女のオンボロ車を押す羽目に。
そんな中、法律が変わり、路上駐車禁止となり、 追い立てられる日が来た時、ベネットは ”ひとまず自分の敷地に車を入れては”と 親切心から彼女に提案すると、 ”お宅に車を置けと、 でも、いろいろと不都合だろうから” ”何も気にしなくていい” ”あんたじゃなく<こっちの都合だよ”と 悪たれ口をたたき、結局、礼も言わずに これから15年間も居座り続ける。
黄色いポンコツ車に暮らす誇り高き淑女ミス・シェパード。 「・・・その高貴な香りは、彼女の“体臭協奏曲”」と、 ベネットは彼女の悪臭について気取った表現で書き留める。
そう最初は親切心から、手をさしのべたベネットだったが、 彼自身、自分の年老いて母をネタに脚本を書いていたので、 同じ年代の彼女が小説のネタになるのではと 関心を持ち始めていたのだった。
ニコラス・ハイトナー監督は彼の心の動きを、 劇作家としてのベネットと同情心溢れるベネットと 一人二役で彼の分身を登場させて、 本人と分身の会話で観客に見せてくれますね。
ベネットには謎のミス・シェパードだが、 たまたま、彼の書斎で見たフランス語のガイドブックを 手に取ってフランス語で読みだすのを聞いて尋ねると ”昔、パリに留学していた” ”何を学んでいたの” ”音楽”との答えに、音楽にも造詣が深いことを知る。
その片鱗として、強引に連れられて行った デイケアセンターで彼女がピアノを見つけて、 しわだらけの手で、 ♪ショパンのピアノ協奏曲1番の2楽章♪を 演奏する場面には感動しましたね。
彼がその他に知りえたことは、 元修道女で、戦争中は救急車の運転を していたことなどわずかだった。
彼女が、何故、車の中で生活する自由な生き方を 選択したのか、ミステリアス仕立てのストーリーは よく出来ていますね。
何と言っても、ベネット役のアレックスとマギー二人の 名優の丁々発止の会話は軽妙洒脱で、笑えますね。
例えば、彼女の車いすを押しながら、 ”コーヒを一杯いれようか?” ”そこまでさせちゃ悪いよ”と言っておいて、
”半分でいいよ”と、のたまうセリフに憎たらしいけど、 ニヤリとしてしまいます。
ラストシーンが、印象に残りました。 |

マダム・フローレンス!夢見るふたり
/Florence Foster Jenkin」2016年12月1日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!
 今日は「針供養」の日。 今は家庭で針仕事を行うことが少ないが、 私が子供の頃は、破れ靴下の繕いや、雑巾作りと ”針さん”は大活躍でしたが、時代は移り、 使う機会が減りました。 でも、服飾関係では現役バリバリで活躍しているようです。
今日の映画紹介は上映中の
「マダム・フローレンス!夢見るふたり /Florence Foster Jenkin」。
メリル・ストリープが、音痴のソプラノ歌手として知られる 実在の人物フローレンス・フォスター・ジェンキンスに扮し、 1944年、76歳の時、音楽の殿堂カーネギーホールで 夢の舞台に立ち、チケット完売の大成功を収めて、 伝説として語り継がれるフローレンスの公演を題材にした、 いわゆる、実話を元にした映画。 実話ですから、結果は判っているのですが、 そこは映画、笑って、泣かせて、感動させる構成は見事。
メリルストリープも、はや67歳ですが、 容姿は少し衰えてもその美声は素晴らしいですね。 その美声を音痴に変えての歌声が耳に残ります。 音痴の私には、見逃せない映画。
キャッチコピーは、 ”それは、いちど聴いたらクセになる<しあわせ>”
1944年、ニューヨーク社交界の花形だった マダム・フローレンス(メリル・ストリープ)の 財産は音楽へ、そして彼女の愛は夫の シンクレア(ヒュー・グラント)へ捧げられていた。
 ある日、歌劇≪ラクメ≫より ♪鐘の歌♪を聴いた フローレンスはソプラノ歌手として、シンクレアへ リサイタルを行いたいと言い出す。 慌てたシンクレアはおひとよしのピアニストの コズメ(サイモン・ヘルバーグ)を金をちらつかせて 何とか伴奏者として雇い彼女の猛特訓するが。
自分の歌唱力に致命的な欠陥を知ってか知らぬか 自信満々。仕方なくシンクレアは ”批評家たちはみんな買収した”と、 マスコミを買収し、金で集めた仲間だけの 小さなリサイタルを開催する。
そんな中、歌に目覚めたフローレンスは カーネギーホールで歌うと宣言。 雇われたお人好しのピアニストのコズメは ”私が思うに…奥様のオンチは治らない”と言うが、 シンクレアは”奇跡の歌声だ”と言いはり、 ”いい加減にして下さい、世界の笑い者になる”と 逃げ腰のピアニストだが。
しかし、シンクレアは不治の病を抱えながらも ”最後まで夢を見させて”と、音楽に生きる彼女の 命がけの挑戦に、一緒に夢をみることを決める。
見所は、何と言っても音痴の歌手を演じるにあたり、 ”オペラのコーチのもとで2カ月にわたり アリアを正しく歌唱する特訓を積み、最後の2週間で 音程を外す練習をした”と、
ストリープが言うように音程を外した調子外れの歌なのに 何故か、高揚感をもたらすフローレンスの歌声に 音痴の私は思わず”ブラボー!”の声援を贈りました。
監督は、「クィーン」「あなたを抱きしめる日まで」の スティーブン・フリアーズ。
おまけ。
ニューヨークにあるカーネギーホールは 1891年創設の音楽の殿堂で、 メインホールの座席数は2804席。
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
2016年11月30日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹は上映中の
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅/ Fantastic Beasts and Where to Find Them」。 「ハリー・ポッター」シリーズ完結からすでに5年。 新シリーズの第1作は原作はまだなく、 原作者J・K・ローリングが自ら脚本を手がた作品。
ホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書 「幻の動物とその生息地」の編纂者である 魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの大冒険。
キャッチコピーは、 ”まだ誰も見たことのない魔法をつれて、 「ファンタビ」の冬がやって来る!”。
時は1920年、 ハリー・ポッターの時代から70年さかのぼる。
イギリス出身の魔法使いで魔法動物学者の ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は 魔法動物は大好きだけど、人付き合いは苦手という変わり者。 普段は魔法動物研究のため世界中を旅しながら 収集した魔法生物達を魔法のトランクの中で飼育している。
魔法の動物を求めてニューヨークに到着したニュート。 人混みの中、ぶつかった時に魔法のトランクが ノーマジ(魔法を使えない人間)の ジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラージ)の トランクと 入れ替わってしまう。
そして、運悪く、トランクからビースト(魔法生物達)が 逃げ出してしまう。
魔法使いや魔法生物など魔法に関することを ノーマジに知られることは規則違反で、 アメリカの魔法省のティナ・ゴールドスタイン (キャサリン・ウォーターストン)に拘束される。
さて、逃げ出した生物をどうやって捕まえるか? 魔法の根絶を目論む秘密結社・新セーレム救世軍の 暗躍を抑え込めるのか?観てのお楽しみ!
設定が、魔法の世界はノーマジ(ノーマジック)の 世界から隠されているのに、ノーマジのジェイコブが ニュートの助手として一緒に活躍するところがユニーク。 それに登場する魔法の動物がイタズラ好きで可愛いいですね。
紹介すると、キラキラしたものが大好きなニフラー。 少しいじけたニュートから離れたくないボウトラックル。 怖い目にあうと透明になって逃げだすデミガイズ。 ひと羽ばたきで嵐を呼ぶ鳥のサンダーバード。 青と緑の羽を持つ美しいビーストのスウービング・イーブル。 体の大きさを自由自在に変えられるオカミー。
 どんな姿かは想像して下さい。(チラシの写真では…)。
主人公ニュートは「博士と彼女のセオリー」のオスカー俳優 エディ・レッドメインですから、彼の演技も楽しめますよ。
 監督は「ハリー・ポッター」シリーズ5作目から 監督を務めてきたデビッド・イェーツ。
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ブルーに生まれついて 2016年11月29日
映画ファンの皆さん、おはようございます!
 今日から師走。今年も後、一ヶ月なんですね。 毎日が日曜日の私も、何となく気忙しく感じます。 何も慌てることは無いのですが。
今日の映画紹介は 「ブルーに生まれついて/BORN TO BE BLUE」。
トランペット奏者、シンガーとして知られる チェット・ベイカーの伝記映画。 ジャズには疎い私ですが、チェットを演じる イーサン・ホークに魅かれて映画館へ。
キャッチコピーは、 ”痛いほどの音楽と、愛”。
1950年代、黒人ミュージシャンが主流だった モダンジャズ界で、甘いマスクとソフトな歌声で 女性を魅了し、一世を風靡したトランペット奏者の チェット・ベイカー(イーサン・ホーク)。
トランペットと歌で、いま全米ナンバー1の人気。 名店バードランドに登場!チェット・ベイカーです! 1950年代から活躍し、JAZZ界のジェームス・ディーンと 呼ばれた伝説のプレーヤーと、もてはやされる。
しかし、麻薬絡みのトラブルをたびたび起こし、 スポットライトから久しく遠ざかっていた。
公演先のイタリアで投獄されたのちに アメリカへ帰国したチェットは、 俳優として自伝映画の撮影をしていたが、
”探したぞ、ツケを払え。ジャンキー野郎!”と、 麻薬の売人から アゴを砕かれ、前歯を全部失い、 ペットを吹けなくなってしまう。
そんな彼の心のよりどころは、 映画で共演した女優ジェーン(カルメン・イジョゴ)。
 退院後、バスタブの中で、慣れない入歯で 血まみれになりながら、 ペットを吹くチェットだが、音が出ない。
”チェット!どうしたの!吹けなくなって、 死ぬつもりだった?” ”そうだ” ”焦らないで、あなたなら復活できる” ”そばにいてくれ”と、 ジェーンの献身的な愛に支えられ、 ドラッグの誘惑を絶ったチェットだった。
さて、チェットは再起出来るのか? 麻薬と言う魔の手から逃れることが出来るのだろうか?
監督のロバート・バドロー は、 現在進行ではカラーで、過去を回想するシーンは モノクロとシンクロさせて、 チェットの再生と恋物語を時系列の 演奏で上手く構成していますね。
彼が、どうしてドラッグに手を出したかは 描いていないのがチョット物足りなかったが イーサン・ホークの6か月の特訓を経て挑んだ、 トランペットの演奏と歌に満足。
チェットが演奏する曲は 「Let’s Get Lost」から 「My Funny Valentine」、 「Somewhere Over The Rainbow 」 「Born To Be Blue」等。
中でもトランペットを吹きながら情感を込めて歌う、 ♪♪I’ve Never Been In Love Before♪♪ ♪♪my funny valentine♪♪には感動しました。 特に♪♪マイ・ファニー・バレンタイン♪♪には よく耳にする曲だけに良かったです。
♪♪My funny Valentine Sweet comic Valentine You make me smile with my heart Your looks are laughable Unphotograghable Yet, you’re my favorite work of art Is your figureless than Greek Is your mouth a little weak When you open it to speak Are you smart?♪♪
”僕の変てこな恋人ヴァレンタイン 優しくて、おかしな恋人ヴァレンタイン すぐに私を笑わせてくれる、 あなたはどんな時も、心から笑顔にしてくれる ハンサムというよりはファニーフェイスだし とても写真向きとはいえない顔だけど 私にとっては、あなたは 最高にお気に入りの芸術作品だよ…” Y-tubeでぜひ味わって下さい。
ところで、タイトル『ブルーに生まれついて』の 「ブルー」とは何でしょうね。 「ブルー」のイメージは”憂鬱”、”哀愁”、”悲しみ”、 でしょうか、調べたらジャズやブルーズで よく使われる「ブルーノート・スケール」と 呼ばれる独特な音階から、そう呼ばれているらしい。
チェット・ベイカーはドラッグに溺れ、 ボロボロになるが、 どうして音楽家はドラッグに走るのでしょうか。
最近のニュースでも
歌手のASKAが覚せい剤取締法違反の疑いで、 逮捕されました。再犯ですね。 才能があるのだから、ヤクに頼らなくてもいいのに。
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ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
2016年11月15日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の、
「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK/
Jack Reacher: Never Go Back」。
原作はリー・チャイルドの小説。
「ジャック・リーチャー」シリーズの18作目。
前作・『アウトロー(2012年制作)』の続編。
キャッチコピーは、
”決して、屈するな。決して、あきらめるな。
決して、戻るな”。
冒頭のシーンは、数人の男が倒れている。
保安官が駆けつけると、バーに一人の男が座ったいる。
その男の名は、”ジャック・リーチャー”。
手錠をかけられ、連行されそうになるリーチャーは、
保安官に言った言葉は、
”90秒以内に2つのことが起きる”
”何だって”
”まず電話がなる。次にこの手錠はあんたの手に”
”そいつは大した予言だな、リーチャーさん”。
鼻で笑う保安官だったが、
結局リーチャーの予言通りとなる。
と、放浪しながら正義のため、
街の悪と闘う姿を、説明替わりに見せつけています。
元同僚であった
ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)を訪ねるが、
彼女の席にすわっていたのは
モーガン大佐 (ホルト・マッキャラニー)だった。
”ターナー少佐は?”
”逮捕された”
”何をして”
”スパイだ”
”はめられたんだ”と、
彼女がスパイ容疑を掛けられて逮捕されたことを知る。
ターナーを救い出して共に事態の真相を追ううちに、
軍内部に不穏な動きのあることをつかむが……。
トム・クルーズの履歴を少し、紹介しましょう。
1962年7月3日生まれで、ニューヨーク州シラキュース出身。
高校時代はレスリングをしていたが、ケガで俳優に。
と、言うことは本作制作時は54歳ですね。
しかし、鍛え上げられた肉体は健在で、アクションも
素晴らしい。でも、歳を考えると、そう言えば少し
中年のオッサンくさいところも、垣間見える?
その年齢を意識してか、ジャックの娘として、
サマンサ(ダニカ・ヤロシュ)を登場させ、
家族との絆も描いていたのは穿ち過ぎ?
元米軍エリート秘密捜査官にして、街から街へと
放浪を続ける一匹狼、ジャック・リーチャーも、
寄る年波には…とは、想像しないようにしましょう。
私は、彼の作品で一番好きなのは、何と言っても
「トップガン」。
ターナー少佐を演じるコビー・スマルダーズは、
175pの長身で、元モデルとは思えないアクションは
見栄えが良くて、トムに負けてはいないですね
監督は『ラストサムライ』でも組んだ
エドワード・ズウィック。
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オケ老人! 2016年11月15日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!

ツアーファイナルで錦織選手はマレー戦で、
1−2の逆転負け。 マレーも調子が良くて、
後一歩足りなかった。残念!
今日の映画紹介は上映中の「オケ老人」。
荒木源の小説を基にした音楽ドラマ。
キャッチコピーは、
”世界最高齢のオーケストラが奏でる
交響曲に、まさかの喝采!?”。
梅が岡高校に赴任してきた数学教師の小山千鶴(杏)は、
地元の文化会館でのアマチュアのオーケストラ・
「梅が岡フィルハーモニー」(梅フィル)の見事な演奏に
感動して、バイオリンをもう一度演奏したい!という
気持ちに目覚める。
ネットで団員募集を目にして早速、応募して、
コンマスの野々村(笹野高史)に面接。
”よく来てくださった〜”と、あっさりOKの返事。
それもそのはず、彼女が入ったのは老人ばかりの
「梅が岡交響楽団(梅響)」だった。
千鶴は楽団の名前を間違えていたのだ。
年寄りばかりのアマオケ「梅響」のメンバーは、
クラリネットのクラさん(左とん平)、
チェロのトミー(小松政夫)、
オーボエのマーサ(藤田弓子)、
ティンパニの棟梁(石倉三郎)、
第二バイオリンのしま子(喜多道枝)、
フルートの真弓センセイ(茅島成美)、
トランペットのラバウル(森下能幸)の面々。

”オケ?棺桶? ”と揶揄されて、音楽は大好きだけれど、
演奏はどヘタくそ、オケの練習よりもその後の
“飲み会”が楽しみな彼らは、若い千鶴の入団を無邪気に喜ぶ。
その姿を見て千鶴は自分の勘違いを言い出せないまま、
しぶしぶ梅響のメンバーに加わることに……。
さらには、心臓の持病で入院した野々村の代わりに
指揮棒を振るはめになってしまう。
と、まぁ〜、息も絶え絶えの彼らが得意?の楽器を
ダラダラと演奏して時間をつぶす、彼等を見て怒る千鶴。
”でかい音でごまかさない、顔だけじゃん”
”ちゃんとうまくやりましょうよ”と、発破をかけるが…。
私が気に入ったシーンはクラさんが、大根を加工して、
マウスピースをつけて、ドヴォルザークの♪新世界♪の
名演奏には思わず拍手。
青春スポ根物語ではなく、老人音楽根性物語。
楽団の面々はコメディを得意とするだけに、
随所に笑いを散りばめて、紆余曲折しながらも、
切磋琢磨して、腕を上げていくメンバーに、
”梅が丘交響楽団、コンサートを開きたいと思います”と
千鶴の宣言には感動しましたね。
そして、彼等のクライマックでの演奏。
エルガーの威風堂々 (行進曲)には思わず”ブラボー!!”。
監督は細川徹。
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続・深夜食堂 2016年11月10日
 映画ファンの皆さん、今晩は〜!!

今日の映画紹介は上映中の「続・深夜食堂」。
会員の皆さんも見られた人も多いようですが、
まだ、見られていない人のために少し詳しく。
原作は私の愛読書のビッグコミックオリジナルに
連載中の安倍夜郎の人気コミック「深夜食堂」。
路地裏にたたずむ深夜営業の
小さな食堂”めしや”を舞台に、
マスターの作る味と居心地の良さを求めて、
カウンターだけの狭い店ながら、
夜な夜なにぎわう”めしや”で、
個性豊かな客たちが織り成す悲喜こもごもを描く。
キャッチコピーは、
”ふたたび、心と小腹を満たします”。
冒頭のマスター(小林薫)のナレーションは、
”1日が終わり、人々が家路を急ぐ頃、俺の一日は始まる。
営業時間は夜12時から朝7時くらいまで。
人は『深夜食堂』って言ってるよ。メニューはこれだけ。
後は勝手に説明してくれりゃ、
出来るものなら作るよ…って言うのが、俺の営業方針さ。
客が来るかって? それが結構来るんだよ”。
店に貼ってあるメニューは4つだけ。
「豚汁定食600円」、「ビール(大)600円」、
「酒(2合)500円」「焼酎(一杯)400円」、
酒類はお1人様3本(3杯)まで。

本作のメニューは三つ。
まず、”焼肉定食”にまつわる話は、
ある夜、常連たち揃いも揃って喪服姿で現れる。
そんな中、また一人、喪服姿で店に入って来たのは
範子(河井青葉)はいつもの”焼肉定食”を注文する。
雑誌社に勤務する彼女は上司にいびられると
喪服を着てストレス発散していたのだ。
だが、実際に葬式をすることになり、
そこで知り合った男・石田(佐藤浩市)に惹かれて…
二つ目のメニューは”焼きうどん”。
近所のそば屋の息子・清太(池松壮亮)は父亡き後、
店を切り盛りする母親・聖子(キムラ緑子)の
手伝いでバイクで配達する日々に嫌気がさし、
ピンポンでストレス解消をしていた。
清太は年上の恋人のさおり(小島聖)との
結婚を子離れしない母親にはなかなか言い出せない。
そんな中、「めしや」で清太が
”焼きうどん”を食べていると、聖子が入って来る。
”マスター、一杯ちょうだい。あら? マァー、
この子ったら、焼うどん食べてるよ”。
”蕎麦屋が、焼うどん食っちゃ悪いのか?”。
”はいはい、蕎麦屋でも焼うどん食べていいですよ”。
さて、二人は頑固な聖子をどの様に説得するのでしょうか?
三つ目のメニューは「豚汁定食」。
九州から上京してきた夕起子 (渡辺美佐子)は
息子に頼まれて、同僚と名乗る男に200万円を渡す。
タクシーで東京駅へ向かうが、怪しんだ運転手が
交番の小暮巡査(オダギリジョー)の元へ連れて来る。
聞き取り調査を終えた小暮は彼女を「めしや」へ。
”何を食べたいの。何でも作るよ”、
”それじゃ、豚汁定食で”、
”あたたかー”と美味しそうに食べる夕起子だった。
なんだかんだ後で、みちる(多部未華子)の家で
世話になった夕起子 がお礼に金を渡そうとすると
お礼を断り、
”おすそわけです。私がマスターに、
よくしてもらったように、私も誰かが困っていたら
同じことしてあげられたらなって…”と、
言った言葉に感動しましたね。
食べ物を中心にして、「めしや」の常連や
一見の客との交流を通しての出来事を
上手く料理してあります。
出来立ての定食の美味しそうな画面と相まって、
おいしく、楽しめました。
ぜひ、この映画を観て、胃袋を満たして、
映画館を後にして下さい。
監督は松岡錠司。
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スター・トレック・ビヨンド/Star Trek Beyon
2016年11月9日

映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の
「スター・トレック・ビヨンド/Star Trek Beyond」。
2009年から始まったジェームズ・T・カーク船長の
若き日を描いた新シリーズのSF映画
『スター・トレック』の第3作目。
私は50年前にテレビシリーズが始まった時以来
見ていますから長〜い、長〜い付き合いです。
前2作のJ・J・エイブラムス監督は本作では
プロデューサーとして参加で、
『ワイルド・スピード』シリーズの
ジャスティン・リンが監督を務めています。
キャッチコピーは、
”すべてを賭けた、最後の戦いが今はじまる”。
宇宙の深淵にある未知の星に不時着した宇宙船を
救出するために出発したエンタープライズ号。
このミッションを最後にして、
キャプテン・カーク(クリス・パイン)はある
決断を胸に秘めていた。
しかし惑星に到着寸前に、突然、
謎の異星人・クラール(イドリス・エルバ)率いる
無数の飛行物体によって襲撃され脱出ポットで
乗組員は脱出するが、エンタープライズ号はバラバラにされ
司令塔部分だけが見知らぬ惑星にかろうじて不時着。

仲間は散り散りになってしまう。果たして何が起こったのか。
クラールの目的は?たった一人見知らぬ土地に投げ出された
カークは女戦士ジェイラ(ソフィア・ブテラ)と遭遇する。
新シリーズになって、若返ったカーク船長をはじめ、
スポック(ザッカリー・クイント)、
ウフーラ(ゾーイ・サルダ)、スコット(サイモン・ペッグ)、
ボーンズ(カール・アーバン)、スール(ジェイ・チョ)、
そして2016年6月に事故で他界した
チェコフ(アントン・イェルチン)等、お馴染の
エンタープライズ号のクルーを演じるメンバーが勢揃い。
彼等を見るだけでファンは嬉しいですね。
2013年に公開された
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』が
最後の出演作品となった初代の老スポック役の
レナード・ニモイさんの死も、
エピソードの中にそのまま組み込まれていました。
ジャスティン・リンが監督と聞いて、
やはり思った通り、カークがバイクで走り回り、
バトルのシーンが見せ場として用意されていました。
確かに、最新テクノロジーの武器を駆使しての戦いでは
それだけでは面白くないですね。
最終的にはやはり、肉弾相打つ闘いで盛り上がりますから。
どうして、未知の惑星にバイクがあるかは、
見てのお楽しみ!
しかし、宇宙に浮かぶ宇宙ステーションの壮大なこと
CGの凄さを感じますね。
"Space... The final frontier...
These are the voyages of the Starship Enterprise.
Its continuing mission:
To explore strange new worlds...
To seek out new life; new civilisations...
To boldly go where no one has gone before!"
Live long and prosper.(長寿と繁栄を)
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エブリバディ・ウォンツ・サム!!
世界はボクらの手の中に 2016年10月8日

映画ファンの皆さん、今晩は〜!!
今日の映画紹介は上映中の
「エブリバディ・ウォンツ・サム!!
世界はボクらの手の中に」。
「6才のボクが、大人になるまで」の
リチャード・リンクレイター監督の
作品と予告編で見て、観に行きました。
野球推薦で入学することになった新入生の
ジェイク(ブレイク・ジェナー)は
期待と不安を抱き、野球部へ入寮。
寮には、4年生の
マクレイノルズ(タイラー・ホークリン)と
ルームメイトのローパー(ライアン・グスマン)が
待ち受けていた。
しかし、寮生活をしている先輩は
野球エリートとは思えない風変わりな奴ばかり。
マリファナ愛好者で「コスモス」の
熱狂的ファンの
ウィロビー(ワイアット・ラッセル)。
ノーラン・ライアンの再来を自認する妄想癖の塊、
ナイルズ(ジャストン・ストリート)。
どうしようもないギャンブル狂の
ネズビット(オースティン・アメリオ)。
噛みタバコ好きで気さくな男だが、
寮生から嫌みの“ビューター・パーキンス”と
いう田舎者っぽいあだ名を付けられた
ビリー(ウィル・ブリテン)。
カリスマ性はあるがどこか陰りのある早口の
フィネガン(グレン・パウエル)などなど、
一筋縄ではいかない個性的な連中ばかり。
入寮早速、先輩に連れられて
大学にある女子寮へナンパしに行くが
あえなく沈没。
しかし、ジェイクは同じ新入生で
演劇専攻のビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)に
抜け目なく目を付ける。

この野球部の連中は大学1年生とは思えない。
髭面で、やることはハチャメチャで
酒を飲んで、ダンスして、ケンカして
女子学生を引っ掛けて、マリファナをやって
セックスしてと全然、学生には見えない。
トランプ氏が大統領になるくらいの国だから、
何でもありのアメリカでは、こんなのは序の口か?
と、まぁ〜、入学までの3日間を先輩から
いろいろな事を教わりながら、
遊び回り、青春を謳歌するジェイクの人生の
一コマを描いた映画。
キャッチコピーの
”後悔するのは、やったことじゃない。
やり残したことさ”に、名言だなぁ〜と
思っていたら、
この言葉を使ったシチュエーションが
女の子を口説く時に使っていたのには
なるほどね〜と感心しました?
内容はさておいて、本作のタイトルにもなった
ヴァン・ヘイレンの
「Everybody Wants Some!!」。
映画のオープニングのザ・ナックの
「マイ・シャローナ」。
シュガーヒル・ギャングの
「ラッパーズ・ディライト」などの名曲と
ロック、パンク、ディスコ、ニューウェーブ、
ヒップホップのダンスと無条件で楽しめました。
遠き青春時代を想い出して見るのもいいですよ。 |

ブリジット・ジョーンズの日記/
ダメな私の最後のモテ期」 2016年11月2日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
今日の映画紹介は上映中の
「ブリジット・ジョーンズの日記/
ダメな私の最後のモテ期」。
2004年の2作目『ブリジット・ジョーンズの日記/
きれそうなわたしの12か月』から12年。
ブリジットもはや、43歳。
幸せな毎日を過ごしているかとおもいきや、まだ独身。
冒頭のシーンはウエディングドレスを着て
バージンロードを歩くブリジットジョーンズ。
しかし、新郎の顔が見えない所がポイントですね。
と同時にブリジットのナレーションが流れる。
”友人に祝福され、永遠の幸せを手に入れて、
そうなると思っていた。現実はもっと孤独だった。
でも、わるいことばかりじゃない。
仕事は絶好調だし、元カレとも良好”と、
ところが、現実はひとりさびしく自分の誕生日を
祝っていた…。
今は、彼女が愛した男性の元カレの
ダニエル(ヒュー・グラント)は
飛行機事故で亡くなり、(だから本作では遺影だけの出演)
同じく元カレのマーク(コリン・ファース)には
別の女性と結婚してしまっていた。
しかし仕事は順調。
いまや、テレビ局の敏腕プロデューサーとして活躍。
そんなブリジットに再びドラマチックな
出会い(モテ期)が訪れる。
いい男で金持ちのIT企業の社長
ジャック(パトリック・デンプシー)だ。
出会いは、簡易テント宿泊できるパーティ現場。
そこはぬかるみで、顔から倒れ込むブリジットを
”手を貸そうか?”と抱え起こしたジャック。
泥の中から取り出したハイヒールを履かせて、
”ピッタリだ”と臭いセリフで意気投合。

一方、マークとも
”元気”
”おかげさまであなたは?”
”元気さ”と、偶然に出会って、
しかもマークは妻と離婚協議中の話を聞いて
焼け木杭には火がつく。
とまぁ〜、二人と寝た結果、そんな中まさかの妊娠!?
なかなか、二人に言い出せないブリジット。
後は、てんやわんやの大騒ぎ、特に、
産婦人科の検診のシーンでは、女医の
ドクター・ローリングス (エマトンプソン)に頼んで、
別々に立ち会わせて、マークとジャックの双方が
父親だと信じ込ませるシーンは笑えました。
ジャッックをどこかで見た顔だなぁと思ったら、
テレビドラマ「グレイズ・アナトミー」に
出演していましたね。
さて、結末は?
監督は1作目の監督でもあるシャロン・マグワイア 。
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92歳のパリジェンヌ/THE FINAL LESSON
2016年11月1日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日は文化の日。
趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」こと。
1946年(昭和21年)に日本国憲法が公布された日。
しかし公布から70年で、改憲が取り沙汰される昨今。
戦後日本の象徴だった憲法の行方は?
今日の映画紹介は上映中の
「92歳のパリジェンヌ/THE FINAL LESSON」。
原案はリオネル・ジョスパン元フランス首相の
母の人生を、娘で作家のノエル・シャトレが書いた小説
「最期の教え」を映画化。
キャッチコピーは、
”92歳のパリジェンヌが選んだ<美しい人生>。
凛と生きる母と、彼女を支え続ける娘の感動の物語”。
かつては助産婦として働き、子どもや孫にも恵まれて、
現在は穏やかな老後を過ごしている
マドレーヌ(マルト・ビラロンガ)。
まだまだ元気な彼女だったが、
「一人でできなくなったことリスト」の項目が
増えていることが気がかりだった。
92歳の誕生日、マドレーヌは家族から祝福される。
”おばぁちゃん、誕生日おめでとう!”
”母さん、おめでとう”
”嬉しいわ”
”母さん、何か話して”と言われて、そして爆弾宣言!
”愛するみんな、いつもありがとう。素晴らしい人生よ
だから2ヶ月後の10月17日に決めた。旅立ちます”。

困惑する家族たち。それは周囲に迷惑をかける前に
人生に幕を下ろしたいという、
マドレーヌの強い意志だった。
尊厳死とは、古くて新しい問題。
本作では老いてゆく様子を丁寧に描いています。
オネショウして、落ち込むマドレーヌ。
その結果、紙パンツを穿かされ、
娘のディアーヌ(サンドリーヌ・ボネール)に
その屈辱的な様子を見せて嘆き、
痛みのため、思うように動かない身体を持て余し、
老いさらばえた肉体をさらして
介護されながらの入浴シーンなどを見ていると
明日は我が身かと悲しくなりますね。
”老い”は誰にでも訪れる神様のなせる業。
”病院のベッドで死ぬなんてごめんだわ。
私は最後まで自分のやり方で生きる”と、
自分の信念を貫いた彼女の生き方も一つの選択肢。
監督が女性のパスカル・プサドゥーだからか、
「理想の老い方、死に方」について、
深刻な出来事なのに、何となく共感していまいました。
さて、皆さん、遠い未来、それとも近い将来の
仮の話ですが、どんな選択をしますか?
私はと言えば、ムムム…。
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インフェルノ 2016年10月28日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「インフェルノ/Inferno」。
先日、紹介した前2作合わせて全世界で12億ドルを
稼ぎ出したシリーズの三作目。
今回も主演のトムとロン・ハワード監督のコンビ。
連日放送された前作を見た人はぜひ観て下さいね。
本作でトム扮するラングドン教授が対峙するのは、
ダンテの長編叙事詩「神曲」<地獄篇>を
めぐる世界滅亡へのカウントダウンをいかに阻止するか。
キャッチコピーは、
”人類は滅びる…、全てはお前次第だ”。

冒頭、アメリカの大学にいたはずの
ラングドン(トム・ハンクス)がイタリアの病院の
ベッドの上で目を覚ますと、そばには女医の
シエナ・ブルックス(フェリシティ・ジョーンズ)。
彼女の治療を受けていた。
目覚めたものの、彼は何も覚えていなかった。
2日間の記憶を失っていたのだ。
ただ、頭の中でフラッシュバックする記憶に
悩みながら、その記憶は妄想か現実か?
そこへ、突然、謎の刺客が襲いかかって来る。
シエナの助けで、辛うじて脱出する。
”なぜ、私が狙われる?”、
残された手掛かりは、一本のペンライトだけ。
一方、大富豪で生化学の天才・ゾブリスト
(ベン・フォスター)は
”人類は滅びる…、全てはお前次第だ。
スイッチがある。押せば人類の半分が死ぬ。
だが、押さないと人類は100年で滅ぶ
君が人類最後の希望なのだ”と、
伝染病を利用した人口淘汰を計画していた彼は
詩人ダンテの叙事詩「神曲」<地獄篇インフェルノ>に
隠した暗号コードを残し、ラングドンに挑戦する。
前作同様、国境を超えて
フィレンツェ、ヴェネチア、イスタンブールと
歴史的な名所を転々として謎解きに奔走する
ラングドンの活躍は、まさに本シリーズの醍醐味!
誰が味方で、誰が敵かと二転三転させて、
観客を疑心暗鬼にさせてハラハラドキドキさせるのは
前作以上ですね。
サブストーリーでラングドンの元カノでWHOのボス役の
エリザベス(シセ・バベット・クヌッセン )を
登場させて、ラングドンの活躍に花を添えていました。
私が一番、気に入ったのはダンテのデスマスク。
厳しくも憂いに満ちた、このマスクの役割は?
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永い言い訳 2016年10月19日(伏見ミリオン座)

映画ファンの皆さん、おはようございます!
俳優の平幹二朗さんが死去(82歳)のニュース。
TVで見た「三匹の侍」の浪人役を思い出します。合掌!
今日の映画紹介は上映中の「永い言い訳」。
西川美和監督が、直木賞候補作にもなった
自著を自分で脚本を書き、監督した映画。
キャッチコピーは、
”妻が死んだ。これぽっちも泣けなかった。
そこから、愛しはじめた”。
人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、
二十年来の妻・夏子(深津絵里)が旅行に出かけた夜、
愛人を家に呼び込、不倫をしていた。
が、翌朝、突然のバス事故により夏子が亡くなったと
警察から連絡を受ける。
しかし、その悲報にも、妻との間に愛情を
失くしていた幸夫は悲しみを覚えることもなく、
悲嘆にくれる夫を演じるだけだった。
そんな中、遺族会で幸夫と同じように
妻・ゆき(堀内敬子)を亡くした
トラック運転手の大宮(竹原ピストル)と知り合う。
彼は、幼い2人の子どもを遺して旅立った妻の死を
受け入れることが出来ず、
ただ、事あるごとに泣き出す日々を送っていた。
その様子を目にした幸夫は、大宮家を訪ねることに。
彼のアパートを訪ねた幸男は、
保育園に通う灯(あかり/白鳥玉季)と、
妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた
兄の真平(藤田健心)と出会う。
子供を持たない幸夫はふとした思い付きから兄妹の
面倒を見ることを申し出る。
なぜそのようなことを口にしたのか、
その理由は幸夫自身にもよくわかっていなかったが……。
監督が伝えたいメッセージは
”愛するべき日々に愛することを怠ったことの、
代償は小さくはない”と、
”人生は、他者だ”と言うことでした。
主人公の本木雅弘は自意識過剰で、自信満々だが
どこか憎めない役を上手く演じています。
それに、彼に関わって来る大宮家の親子三人の
演技ではない自然体の演技?とのコラボレーションが
素晴らしかった。
幸夫のマネジャー・岸本(池松壮亮)が言った、
”奥さん亡くなって、一度でも泣きましたか?”の
言葉が頭に残りました。
本作は16ミリフィルムで撮影されているので、
ザラついた画面は作品の内容を暗示していると共に、
1年間の時の移ろいを独特の映像美で描いています。
私なんか「言い訳(後悔)」だらけの人生を送って来たので、
共感する部分が多々ありました。
皆さん、どんな「言い訳」を心に抱えていますか?
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ベストセラー 2016年10月18日(伏見ミリオン座)

映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の
「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ/Genius」。
”ジュード・ロウ”ファンの私としては見逃せない映画です。
「武器よさらば」、「老人と海」の
アーネスト・ヘミングウェイや、
「グレート・ギャツビー」の
スコット・F・フィッツジェラルドの二人を
全く無名だった時代に発掘した
編集者マックス・パーキンズ。
彼は1920年代にアメリカ文学の名作を
数多く手がけた実在の編集者。
37歳で生涯を閉じた天才小説家トマス・ウルフの
人生と友情を描く人間ドラマ。
キャッチコピーは、
”傷ひとつ残らないなら、真の友情とは言えない」。
舞台は1920年代ニューヨーク。
暗い、陰鬱なざらついた画面は
何かを暗示しているようです。
名編集者パーキンズ(コリン・ファース)の元に
無名の作家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)が
原稿を持ち込む。
”たらい回しにされている持ち込み原稿だ”
”好みじゃない?”
”気に入った。うちで出版します”と、
彼の才能を見抜いたパーキンズは、
”長すぎるので君と二人で手を入れたい”と、
原稿を二人で検閲していく。
”ひどい、これ以上、切れない”
”不要だ”
”これで君の文体が際立つ”
”分かった”
”削除、削除”
”よくなった”。
感情のままに、際限なく文章を生み出すウルフを支え、
処女作「天使よ故郷を見よ」はベストセラーになり、
二人の関係は父と息子のように、友情以上に惹かれ合う。
次作に取りかかる二人は昼夜を問わず執筆に没頭。
そのため、パーキンズの
妻・ルイーズ(ローラ・リニー)との間に軋轢が生じる。
”トムのために家族を見捨てるの?”、
”トムの才能にはその価値がある”と。
又、ウルフの愛人アリーン(ニコール・キッドマン)は
二人の関係に嫉妬しパーキンズに銃を向ける。
アリーンとトムの関係も険悪になり、
”マックスなしではトムの成功はなかった。
あなたの力よね?”
”マックスが俺を創り上げたと?”と言い争う。
やがて第二作は完成し、またも大ヒット。
その一方で、ウルフはパーキンズ無しでは作品を
書けないという悪評に怒り、
”独りで書けると証明したい”と
二人の関係に暗雲が立ち込める。
果たして、立場を超えて生まれた
二人の友情の行く末はー。
パーキンズは名伯楽といったところでしょうか。
編集者と作家は二人三脚で読者が感動する
ベストセラーを世の中へ送り出していくのが
良く判りました。
原題の「GENIUS」は”天才”の意味ですが
語源のラテン語の意味は”守護神”です。
二人に懸けた題名なんですね。
アクション映画が大好きの私ですが、
見方を変えれば、本作も主人公二人の個性と言葉の
バトルと思えばこれも激しい戦い、アクションでした。
映画を観て?と思った事は、
パーキンズは仕事中も、食事中も帽子を被ったまま。
最後に、ウルフからの最後の手紙を見る時に
帽子を取って、敬意を示したが、このためだけに
帽子を脱がなかったのでしょうか?
マイケル・グランデージの監督デビュー作。
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ジェイソン・ボーン 2016年10月13日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
今日の映画紹介は上映中の 「ジェイソン・ボーン/JASON BOURNE」。 マット・デイモンが、記憶を失った最強の 暗殺者ジェイソン・ボーンが活躍する アクションサスペンスのシリーズ第5作。
「ボーン・アイデンティティー」、 「ボーン・スプレマシー」、 「ボーン・アルティメイタム」の 3部作を手がけたポール・グリーングラス監督と デイモンが、9年ぶりに手を組んだ作品で “ボーン3部作”の続きで新章と称している。
キャッチコピーは、 ”彼は、すべての記憶を取り戻した。 だが、全てを知っている訳ではなかった。 <記憶>を巡る本当の戦いは、これから始まる”。
舞台は前作「ボーン・アルティメイタム」から12年後。
全ての記憶を取り戻したジェイソン・ボーンのもとに、 ある日、元同僚のニッキー(ジュリア・スタイルズ)から ギリシャに潜伏している彼にコンタクトがある。
ニッキーはハッカーグループと手を組み、 CIAのサーバーから極秘情報を盗み出していた。
その中には“トレッドストーン計画”の全貌と それに関わったボーンの父親の情報も含まれていた。
しかしCIA長官の デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)は ニッキーの足取りを追跡し、ギリシャに 殺し屋のアセット(ヴァンサン・カッセル)を送り込む。
 そんな中、野心を秘めたCAIの若手エージェント、 ヘザー・リー(アリシア・ヴィキャンデル)は、 独自の情報収集ネットワークを作ろうとする デューイとは距離を置き、ボーンを再びCIAに 引き戻そうと画策するのだったが…。
マット・デイモンがインタビューで言っています。 ”非常に厳しいトレーンニングをしなければならなかった”、 ”前回は29歳、今回は45歳。もちろん、きつかったよ”と。
見る方も、そのギャップが気になりましが、 冒頭の登場シーンで、自堕落な生活を送り、 疲れた歳相応の顔。しかし、画面が一転して素手で行う ベアナックル・ボクシングのシーンでは、 ”オオー”っと驚くほどのたくましい肉体。
これで、観客に歳月の経過と後半の展開を期待させる 構成は監督の上手いところですね。
トミー・リー・ジョーンズのしわくちゃ顔や、
すご腕の殺し屋のヴァンサン・カッセルがよかったです。
又、リー役で「リリーのすべて」で助演女優賞を受賞した のアリシア・ビカンダーが、イメチェンで キーウーマンとして、シャープな演技をみせています。 |

グッドモーニングショー 2016年10月11日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
ポーランド映画界のアンジェイ・ワイダ監督が 死去(90歳)のニュース。合掌!
ポーランドの激動の歴史をふまえての 反ナチス、反体制を貫き、 人間の自由や尊厳を問う作品で知られた映画監督。
「灰とダイヤモンド」は有名で内容は忘れても タイトルだけは覚えています。 自主管理労組「連帯」を取り上げた「鉄の男(1981年)」で カンヌ国際映画祭のパルムドール(最高賞)を受賞。
今日の映画紹介は上映中の「グッドモーニングショー」。
キャッチコピーからして、笑えますね。 ”ニッポン騒然!落ち目のキャスター大炎上!! 前代未聞の生放送、オンエア!”。
「踊る大捜査線」シリーズの脚本家・君塚良一が、 監督としてオリジナルコメディ脚本で制作した映画。
澄田真吾(中井貴一)は、朝のワイドショー 「グッドモーニングショー」のメインキャスター。
かつては報道番組のエースだったが、 ある災害現場からのレポートで世間から非難を浴びて降板。 以来、現場からのレポートが怖くて出来なくなり、 同期のプロデューサー石山(時任三郎)の助けで キャスターとして、今に至る。
そんな中、いつものように深夜3時に起床し、 局に向かうタクシーの中で澄田は、 サブキャスターのぶっとびの女子アナの 小川圭子(長澤まさみ)から電話を受ける。
”二人の交際を今日の生放送で発表する”と言うのだ。
さらに、放送の前には、 のらりくらりが持ち味の石山プロデューサーからは ”視聴率が悪いので番組を打ち切る”と告げられる。
悩みを封じて、ニッコリと微笑んでの番組放送中に、 都内のカフェに猟銃を持ったワケありの男、 西谷(濱田岳)が人質を取って立てこもりの一報。
”キャスターの澄田慎吾を呼べ”と、 生放送中に犯人からお呼びがかかる。
澄田は番組のためにと言うより圭子が 交際していることを放送中にバラしそうになったので 現場に向かい、いやいや中継放送するハメに。
 現場に到着すると、警察特殊犯の黒岩(松重豊)から、 犯人と直接交渉してくれと頼まれる…。
朝の情報番組である”ワイドショー”という、 生放送の番組作りに奮闘するスタッフの面々を紹介すると。
やり手のチーフディレクターの秋吉(池内博之)、 ベテラン編集担当の館山(梶原善)、 熱血報道担当の松岡(林遣都)、 メカオタクで中継担当の府川(大東駿介)、 キマジメな新人アナの三木(志田未来)の面々。
スタッフの彼等が画面狭しと、 活き活きと動き回る制作現場の実態を見ると、 視聴率争い、情報番組と報道部門との確執などと 厳しい状況にありながら、 キャスターをトップに置いて、 チームワークで番組を編成していることが 良く分かりました。
落ち目のキャスター澄田が、
”人生サイアクの日!”とグチりながら 悪戦苦闘する様子に笑いながらも、 お主やるなぁ〜と感心しながら観ましたね。 |

怒り 2016年10月4日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「怒り」。 原作は吉田修一の同名小説を 『悪人』でタッグを組んだ李相日監督が映画化。
ヒューマン・ミステリ・サスペンスと 一度で三度美味しい映画でした。
キャッチコピーは ”あなたは殺人犯ですか?”。
ある夏の暑い日に八王子で 残忍な夫婦殺人事件が起こった。 殺人現場は窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には 「怒」の血文字が残されていた。
担当刑事の南條(ピエール瀧)と 北見(三浦貫太)は捜査を進めるが、 逃亡した犯人に関する有力な情報は 得られないまま1年が過ぎる。
犯人は整形して日本のどこかで一般の市民に 紛れて逃亡生活を送っているだろうと判断した 警察は推測された整形後の合成された手配写真を TVを通じて流す。
事件から1年後、千葉・東京・沖縄に素性の知れない 3人の青年が登場する。
観客はこの3人の内の誰かが犯人だと判っているので、 必死に画面を凝視しますね。
犯人を主軸にして、三ヵ所のステージをに加えて 警察と四つのプロットがあり、複雑な組み合わせに なるところを、監督は上手くつないでいるので、 違和感なく、見ることが出来ました。
特に、それぞれの場所での彼らの生き様は一本の映画に 匹敵するくらい丁寧に創り上げられています。 これも、一度に三度、美味しいと言ってもいいでしょう。
最初のステージは千葉。
歌舞伎町の風俗店で働いているところを見つけた 千葉の漁港で働く父・槙洋平(渡辺謙)は 妻亡き後8年間、手塩をかけて育てたのに、 家出した娘の愛子(宮崎あおい)を連れ戻す。
そんな中、愛子は漁港にふらりと現われ 2ヶ月前から働き始めた青年・田代(松山ケンイチ)を 好きになるのだが…。
次のステージは東京。
東京の大手通信会社に勤めるゲイの 藤田優馬(妻夫木聡)は、ホモクラブで出会った 直人(綾野剛)を気に入り家に連れ帰る…。
三番目のステージは沖縄。
母に連れられ、東京から沖縄の離島に 引っ越してきた高校生の小宮泉(広瀬すず)は、 同級生の知念辰哉(佐久本宝)と無人島に出かける。 そこに、1人で住みついている謎めいた バックパッカー田中(森山未來)に興味を抱く…。
一番感動したのは、妻夫木と綾野の同性愛のシーン。 二人の間の濃密な雰囲気はさすが、役者ですね。 特に絡み合う二人の素晴らしい裸体?には ここまでやるのかと、目が点になりました。 これだけでも、観る価値はありますよ。
突然、飛び込んで来た青年を迎え入れる側の人との 間の確執。信じたいが信じられない人間の揺れ動く心。 犯人捜しもさることながら、考えさせられる映画でした。
人間の心は複雑ですね。 それぞれが、胸に秘めた「怒」とは
何に、誰に向けられた「怒」か考えながら見てください。
そうそう、音楽が坂本龍一だけに、 場面ごとに流れるBGMは素敵でした。 |

白い帽子の女 2016年9月28日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の 「白い帽子の女/By the Sea」。
「Mr.&Mrs.スミス」(2005)以来となる ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの共演作。 ジョリーが監督・製作・脚本を担当し、 夫のピットも製作陣に名を連ねて制作された映画。
キャッチコピーが、 ”どれだけ愛に傷ついても、愛でしか癒せない傷があるー これはクラシカルなリゾートホテルを舞台に すれ違うある夫婦の軌跡である”と夫婦愛をテーマにした 映画だったのだが…。
ところが、ご存知のように、アンジーが ロサンゼルスの裁判所に 離婚の申し立てをしたのは日本公開5日前の19日。 宣伝担当者は頭を抱えていたそうだが、 私のように、興味本位で観に行く人も 多かったのではと思っています。
時代は1970年代、舞台の場所は 南フランスの浜辺にあるリゾートホテル。 そこを訪れたのは、わけありのアメリカ人小説家の ローランド(ブラッド・ピット)と 妻のバネッサ(アンジェリーナ・ジョリー・ピット)。
ローランドは本を書くためにネタ探しにノートを手に 訪れるのは村の小さなカフェに入り酒浸り。
一方、バネッサはほとんどの時間を ホテルの部屋で過ごすだけ。
そう、二人は思いがけない不幸が原因で、 ともに夫婦としての危機に陥っていたのだった。
 ローランドは ”幸せになれるのに、君は拒んでいる”と 苛立ちを隠せない。
そんなある日、隣の部屋に フランソワ(メルビル・プポー)と レア(メラニー・ロラン)の若いカップルが ハネムーンでやってくる。
新婚の二人を見つめるバネッサは、 かっての自分達を思い出し嫉妬と好奇心を胸に抱く。 そして、偶然に隣室を覗き見できる覗き穴に気がつき、 新婚の二人の部屋を覗き見する。
さて、二人の行く末はどうなるのでしょうかね。
邦題の「白い帽子の女」よりは原題の 「By the Sea(海辺にて)」の 方がいいように思いましたが、 黒い帽子の時は、陰鬱な彼女の心を、 白い帽子の時は明るい気持ちを、 と意識的に使い分けていたので、 「白い帽子の女」にしたのでしょうかね。
2015年制作。
P.S 2017年2月に公開予定の『マリアンヌ』に
ブラッド・ピットはマリオン・コティヤールと 共演しているが、これが、離婚報道の原因の 一つとして、取り上げられていたが、 真相はどうなのか、やじ馬の私には気になるところです。 |

はじまりはヒップホップ 2016年9月27日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
プロ野球のパ・リーグは日本ハムが4年ぶり優勝 。 栗山監督が、 大谷選手を二刀流でうまく使ったからでしょうね。
今日の映画紹介は上映中の 「はじまりはヒップホップ/THE HIP OPERATION CREW」。
世界最高齢のダンスチームが、ヒップホップの世界大会を 目指して奮闘する姿を追ったドキュメンタリー。
平均年齢83歳のダンスチーム ”ヒップ・オペレーション・クルー”は世界大会に 挑戦することになるが、メンバーは 様々な事情を抱え、前途多難で……。
グループ名の由来は全員が腰(= ヒップ[Hip])の 手術(= オペレーション[Operation])を 受けていたからとか、これも笑えましたね。
キャッチコピーは ”若さも肌のハリもない、持っているのは勇気だけ!”。
ニュージーランド東部、人口8,000人の島ワイヘキ。 のどかな島で誕生したのはギネスブック公認の 平均年齢83歳の世界最高齢ダンスグループの “ヒップ・オペレーション・クルー”。
彼らが挑戦しているのは、なんとヒップホップダンス。
このチームの振り付け担当兼マネージャーの ビリー・ジョーダンは自らのことを ”振付師としては世界でも最低レベルだと思う”、 だから、Y-tube や本で知識を補っていると語りながら、 ”いつも通りの日々から一歩踏み出してほしい”との 想いから、エンターテインメントの本場ラスベガスで 行われる世界最大のヒップホップダンス大会への 出場をメンバーへ提案する。
出場するメンバーは、 最年長で、生まれた子どもに会おうともしない夫に 愛想を尽かし、 シングルマザーとして5人の子どもたちを 育てたメイニー94歳。 ”94歳ならガタがきてて当然よ。でも脳が衰えるのは困る”と、 うそぶきながら、ヨロヨロしながら練習に励む。
イギリス・ロンドン生まれのテリーは93歳。 初恋相手のビルと結婚して70年以上が経つ主婦。 認知症を患う夫を病院に見舞う日々だが、 ”彼は今も素敵。“私の美青年”よ”と語り、 ”マイケル・ジャクソンがダンスで股間を持った時、 不快に感じたけど今じゃ私もやる”とユーモアも忘れない。
イギリス・マンチェスター生まれの元教師のカーラは93歳。 杖が相棒でピアノが得意。家に一人でいるのが苦手で、 人との交流、特に若者との交流に 積極的なポジティブ思考の持ち主。 射撃の名手という意外な才能をラスベガスで発見した。 ヒップホップの動きは好きだが、曲は苦手と話す。
 73歳の“若手”のローズ。 クルーに参加したことは彼女の人生にとって、 ”いちばんエキサイティングなこと”と話す。
と、お歳は召しても多士済々の面々は、 動かぬ身体に鞭を入れて、ヒップホップに励む毎日。
耳慣れないリズムに、昔のようには動かない体。 持病もあるし、何かあれば家族に迷惑もかかる。 ラスベガスまでの旅費も、パスポートもない。 前途多難ではあるけれど、 それでも彼らには“ 勇気”がある。
悪戦苦闘もジョークで笑い飛ばしながら、一つ一つと 問題を解決してラスベガス目指してまっしぐら!
と来れば、あれあれ!これは時代も、場所も違うが 「超高速!参勤交代」の設定と似ているなぁと思いました。 ないないずくしでも、伊達に歳は取っていないと、 困難を乗り越えて、ヒップホップで”GO!"ですからね。
我々、シニアも彼等の生き様を見て、 考え方一つで未来はバラ色になると思って生きなければ。
監督・脚本はブリン・エヴァンスは
ドキュメンタリー出身だけに、各メンバーの インタビューの画面と、ダンスの画面を 上手く構成しているので、ヒップホップ同様に 観ていて気持ちがよかったです。
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キング・オブ・エジプト 2016年9月20日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
アンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットとの 離婚を申請したとのニュース。
離婚理由は「家族の幸せのため」とか、 二人の間には実子が3人、養子が3人いますが、 結婚してからの2年間は長かったのか、短かったのか?
今日の映画紹介は上映中の 「キング・オブ・エジプト/GODS OF EGYPT」。 古代エジプトを舞台に、恋人を奪われた人間の青年が、 神々の王座を巡る争いに巻き込まれていく ファンタジーアドベンチャー。
キャッチコピーは ”<神の眼>を盗んで、エジプトの王座を奪え!”。
神と人間が共生する古代エジプト。 神々を讃える石像やピラミッドが建ち並び、 生命の神オシリス王の統治のもと、繁栄を誇っていた。
しかし、オシリス王の弟であり砂漠の神の セト(ジェラルド・バトラー)はオシリスの息子の 天空の神ホルス(ニコライ・コスター=ワルドー)の 戴冠式に突然現れ、オシリス王を殺し、 ホルスと決闘の末、両眼をえぐり取りエジプトの王になる。
そのうえ、ホルスの妻であり愛と美の女神の ハトホル(エロディ・ユン)をも掠め取る。
ホルスは、両眼を失い失意の内に、隠れて生きていた。 そこに、盗賊ベック(ブレントン・スウェイツ)は、 セトから盗んできた片目(“神の眼“)を ホルスに差し出し、囚われの身となった恋人 ザヤ(コートニー・イートン)を助けるために力を貸せと 取引を持ちかける。
ホルスは片目だけだが、“神の眼“を得て、
ベックと助け合ってセトを倒そうするのだったが…。
ファンタジーな映画で、文句無しに面白かった。 神と人間が共に暮らし、神の兄弟同士が王位争いをして、 神が人間の盗賊に手を借りて復讐するなんて設定がユニーク。
そうそう、兄弟の父親は万能の神なのに、 宇宙で毎晩、悪魔退治の仕事をしなければならないので 楽ではないと、愚痴っているところなんて笑えましたね。
「300 スリーハンドレッド」の ジェラルド・バトラーが憎たらしい悪役を演じていますが、 悪役が強いと映画は面白いです。
CGを駆使しての、神と人間の壮絶な戦い、 又、砂虫、スフィンクス、死神に、異形の戦士との 戦いのシーンを描く壮大なビジュアルも見どころで、
神と人間を区別するため、神を人間より大きくみせるなど 工夫しているところも良かった。
監督は『ノウイング』のアレックス・プロヤス。
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超高速!参勤交代リターンズ 2016年9月13日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
辺野古訴訟で沖縄県が敗訴 のニュース。 埋め立て地の闘争で、 翁長知事はどう反撃するのでしょうか。
今日の映画紹介は上映中の 「超高速!参勤交代リターンズ」。 ナビの皆様も観に行かれたようですが、 まだ見ていない人のために。
キャッチコピーは ”金なし!人なし!時間なし! おまけに帰る城もなし!”。
前作は江戸へ”参勤”する話でしたが、本作は 藩に戻る”交代”の道中で起こるドタバタ騒ぎ。 そうなんです、”参勤交代”なので、 ”行と帰り”のセットなのです。
まずは、登場人物の紹介をしながら物語の展開を。 湯長谷藩藩主の内藤政醇(佐々木蔵之介)は お人よしで領民に愛されるているが、 宿場町で飯盛り女のお咲(深田恭子)に惚れてしまう。
ところが、お咲を見受けするのに30両使ったので 懐がすっからかんの一行は、藩士の特技で稼ぎながら 旅を続けていた。
 その、藩士の面々とは、 知恵者の家老の相馬兼嗣(西村雅彦)は "知恵を出して、くんちぇ〜”と頼まれると 奇想天外な知恵を絞り出す。
剣術の腕前抜群の荒木源八郎(寺脇康文)。 常に冷静沈着な秋山平吾(上地雄輔 )。 弓の名手の鈴木吉之丞(知念侑李 )。 二刀流の増田弘忠(柄本時生 )と 彼が飼っている猿の菊千代。 槍と料理が得意の今村清右衛門(六角精児 )。 江戸家老の瀬川安右衛門(近藤公園 )等。
もう一人は藩主の優しさに惚れて、 助っ人を買って出た抜け忍の雲隠段蔵(伊原剛志 )。
牛久宿に滞在中、 ”大変でございます!一揆が起ごりました!”と、 緊急事態が発生。 幕府から派遣された目付が湯長谷に着くまでに一揆を 収集できていなければ、藩の取潰しは確実! 目付が到着するまで、あと2日!
”参勤のとぎの倍の速さで帰るというごどですか?” ”絶対に無理だ!” ”時がありませぬ。よって飲まず、食わず、眠らず! そして休まず!止まらず!”と一行は出発する。
一揆を企てのは、徳川吉宗の日光社参の恩赦により、 蟄居を解かれた老中・松平信祝(陣内孝則)。 ”田舎侍どもめ、今度は本気でゆく!”と、 復讐に燃える信祝(のぶとき)が謀ったのだった。
と、まぁ、前作の ”エッサ〜、ホラサ〜、エッサ〜、ホラサ〜”の 掛け声はありますが、主眼がアクション(チャンバラ)と 主人公の政醇とヒロインの飯盛女・お咲とのロマンスに 移っているのが、ちょっと予想外でした。
又、大岡忠相(古田新太)を新しく登場させ、 幕府軍1000人VS7人と1匹の戦闘場面と スケールアップしているところが見どころですね。
さて、7人は奇想天外の知恵と、体力を駆使して 無事に城を取り戻すこたが出来るのか?
原作は土橋章宏で、監督は本木克英 。 P.S 前作が、放送局が変わって又、放送されます。 BSジャパンで2016年9月17(土)20:40〜放送。 ぜひ、ご覧下さい。 |

神様の思し召し 2016年8月30日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
映画監督で脚本家の松山善三さんが死去(91歳)。 作品には「名もなく貧しく美しく」、「典子は、今」など。 木下恵介監督の「二十四の瞳」の助監督をしていて、 主演の高峰秀子さんと結婚。 おしどり夫婦として有名でした。合掌。
今日の映画紹介は上映中の 「神様の思し召し/GOD WILLING」。 2015年の東京国際映画祭で観客賞を受賞。
主人公は、目に見えるものだけを信じる医師と、 見えないものを信じる神父。 神に心臓病は治せないし、医師に人生は治せない。
キャッチコピーは ”真逆の立場で人を救ってきたふたりが 出会って見つけた、人生の宝ものとは…?”。
今日も完璧なオペで、患者の命を救った 心臓外科医のトンマーゾ(マルコ・ジャリーニ)。
患者の家族に、”おぉ 神よ”と感謝されるが、 ”神などいない私の力だ”と、うそぶき、優秀だが、 傲慢なうえ、その毒舌で周りからは煙たがられていた。
家に帰れば妻・カルラ(ラウラ・モランテ)とは 倦怠期で長女はサエない男と結婚。 それでも、長男が医師を継いでくれれば満足……。
ところが、その息子が ”医者はやめた。神父になるよ。”と宣言。 ”何だと”怒るトンマーゾ。
息子がピエトロ神父(アレッサンドロ・ガスマン)に “洗脳”されているとニラみ、 彼の前歴を調べると、前科があり、 ”前科者、正体を暴いてやる”と教会に探りに行き、 ”お助けを、私は職も無く、天涯孤独で…”と 助けを求めるふりをして、神父に接近する。
接近したはいいが、神父に家を訪問すると言われて、 あたふたとニセの家族をでっちあげる。 このニセ家族のいかにも臭い芝居が笑えました。
弟が知恵遅れでと娘のムコに演じさせ、 看護婦に妻役を頼むが、暴力をふるわれていると 言う設定に、普段いびられている看護婦は この時とばかり、トンマーゾをマジで殴りつける。 まぁ、このシーンは笑えましたね。
で、何とか神父を誤魔化すが。
ところが、ある日、息子の部屋へ行った時、 ”父さん、紹介するよ”と息子に言われてびっくり仰天。 それもそのはずそこには、神父が鎮座しているではないか。
正体を見破られたトンマーゾ。 ”ついた嘘の償いは教会の修繕だ”と、 神父の修繕作業を手伝わされる。
”息子を神父にはさせん!人々を救うのは医師だ!”、 ”人々を救いたい、その想いは神父も同じだ。”、 ”私は間違っていたのか?” ”息子への想いは本物だろ”と、
ケンカしながら一緒に仕事をするうちに、 何となく親しくなる二人。
傲慢なトンマーゾが起こす、ドタバタ喜劇は 抱腹絶倒!しかし、笑だけではないところがこの映画。
トンマーゾは神父とやり合いながら、 自分の生き方を見直し、人生の新たな側面を見つける。
ラストシーンで洋ナシがポトリと落ちるのを見た トンマーゾは悟りますね。 私達は”神様の思し召し”通りに生きているのだと。
洋ナシが落ちるまでの伏線が映画のテーマ。 タイトルの”神様の思し召し”の通り、そうなんだと!
監督・脚本:はエドアルド・ファルコーネ。 |

ゆずの葉ゆれて 2016年8月25日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
今日の映画紹介は上映中の「ゆずの葉ゆれて」。 松原智恵子さんの芸歴55周年記念の主演作と 聞けば、観に行かざるを得ないですね。
と言うのも、彼女は愛知県名古屋市出身で、 吉永小百合、和泉雅子と共に「日活三人娘」と 呼ばれていた頃からのファンですから。
原作は佐々木ひとみで 椋鳩十児童文学賞受賞作品の 「ぼくとあいつのラストラン」 。
キャッチコピーは ”あなたの宝物、ちゃんと見つけましたよ”。
鹿児島県喜入地区にある、自然に包まれた小さな町に 走ることが大好きな小学四年生の 風間 武(山時聡真)は元気に走り回っていた。
そんな中、畑仕事をしながら病床の夫を看護する 隣のバアちゃん(松原智恵子)に ”顔だけでも出してやって。ジイちゃん元気になるから”と 頼まれる。と言うのも武は 去年から寝たきりになったジイちゃん(津川雅彦)に 会うと切なくなるので、行くのを避けていた。
武が「ジイちゃん」「バアちゃん」と呼んでいる二人は、 親戚でも何でもない、隣の家のおじさんとおばさんだ。
早くに親を亡くした武の父の俊之(西村和彦)と 母の美和子(小林綾子)、武の姉・裕美(平岡真衣)の 四人家族を何かと助けてくれた二人を、 本当の家族のように思って暮らしていた。
 その夜、武はジイちゃんの夢を見ている時に ジイちゃんが危篤状態だと姉に起こされ駆けつけるが その夜、ジイちゃんは息を引き取る。
武は”ジイちゃん、怒ってないかな?”と 寝たきりのジイちゃんに会いに行かなかったことを 後悔して、葬式の時に、父に問いますね。 ”死んだら、どうなるの?”と ”それはお父さんにも分からない……ただ言えるのは、 いずれは、誰もが死ぬってことだ。 そして、死んだ人を思ってあげられるのは、 生きている人だけだ”と。
武はジイちゃんとの交流を通して、 いろいろな事を学んでいきますね。 その過程を通じて、「老老介護」、「老い」と「死」など 今の日本にある問題を提起しています。 その解決方法の一つとして、本作で描いている 「人と人との絆」でしょう。
しかし、泣けましたね! タイトルの「ゆずの葉ゆれて」の場面は クライマックスシーンに登場。 詳しく書くと、ネタばらしになるので 見て泣いて下さいネ。
主演の二人は勿論、良かったが 少年・風間 武を演じる山時聡真(10歳)の 飾らない素朴な演技は主役の
重責を十分に果たしていました。
主題歌の「君の名前を呼ぶ」は 奄美大島出身の歌手・元ちとせ。
監督・脚本は神園浩司。 |

ジャングル・ブック 2016年8月18日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
台風10号接近中! 一度、日本列島から離れたのに、日本に執着心が あるのか、再び日本へ、台風に好かれてもなぁ〜。 「備えあれば患いなし」、皆さん、万全の体制で 迎え撃って下さい。
今日の映画紹介は上映中の 「ジャングル・ブック/Jungle Book」。
原作はイギリスの作家キップリングの「狼少年」。 1967年(昭和42年)制作のアニメーションで 鑑賞された人は多いでしょう。
本作がユニークなところは、 最先端の映像技術を駆使して、 主人公モーグリ以外の動物や背景のジャングルなど 全てをCGで表現。CG恐るべし! 実写かCGか区別はつかないですね。
ただ一人の本物はオーディションで 2000人の中から選ばれたモーグリ役の 新人ニール・セディ(12歳)だけ。
キャッチコピーは ”その少年は「希望」か?それとも、「脅威」か?”。
冒頭、巨大ニシキヘビ・カーの声優の スカーレット・ヨハンソンのナレーションで始まります。
ジャングルに一人取り残された人間の赤ん坊、モーグリ。 彼は父親と旅の途中にトラのシア・カーンに襲われ、 父は殺されたが、彼の命を救ったのは、 黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングズレー)だった。
彼がモーグリを母オオカミの
ラクシャ(ルピタ・ニョンゴ)に託した時、 モーグリはジャングルの子となった。
モーグリの守護神ともいうべき、バギーラから 自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わり、 ラクシャは我が子同様に、惜しみない愛を注がれ、 モーグリはラクシャの子供達と戯れ遊んでいた。
そこへ、人間への復讐心に燃えるトラの シア・カーン(イドリス・エルバ)が現れ、 ”人間は、ジャングルの敵だ…!”だと、 モーグリに襲いかかる。
ジャングルを追われたモーグリは、 熊のバルー(ビル・マーレイ)と出会う。
彼の食料である蜂蜜狩りを手伝いながら 陽気な彼から、自由な生き方を楽しむことを教わる。
バルーが歌う♪The Bare Necessties〜Disney ♪ ♪悩まなくても必要最低限のものがあればいいだよ♪は 本物そっくりの熊さんが、人間臭い表情で歌うシーンは 楽しいですね。
登場する動物はリアルで 擬人化された表情でしゃべり、考えることに 違和感はなく、親しみが持てますね。
果たしてシア・カーンの言うように、 人間であるモーグリはジャングルの“脅威”なのか? それとも、ジャングルに光をもたらす“希望”なのか?
そして、モーグリを守ろうとするジャングルの 仲間たちの運命は…?
監督は日本が大好きで、 『アイアンマン』などのジョン・ファヴロー。
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ストリート・オーケストラ 2016年8月16日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
リオ五輪、今朝、閉会式。寂しくなりますね。 日本はメダル獲得数が過去最多の41個。 選手の皆さん、お疲れ様でした、 そして感動をありがとうございます。
今日の映画紹介は上映中の 「ストリート・オーケストラ/THE VIOLIN TEACHER」。 ブラジル、サンパウロのスラム街で生まれた 子供たちによる交響楽団の実話を映画化した人間ドラマ。
舞台はリオオリンピックでも、問題になっていた、 犯罪が多発するスラム街”ファーヴェラ”。 その場所はサンパロウ最大のスラム街のエリオポリス。
キャッチコピーは ”奏でよ、希望を!拓け、未来を!”。
かつては“神童”と呼ばれたヴァイオリニストの ラエルチ(ラザロ・ハーモス)。 サンパウロ交響楽団の演奏者の最終審査に臨むが、 緊張のあまり、手が震えて演奏出来なかった。
 結局、仕事にあぶれ、両親に仕送りも出来ず、 家賃の催促に辟易する日々を送っていた。 背に腹は代えられず、しぶしぶ、友人の紹介で NGOが支援するスラム街の子供たちの音楽教師に。
”ここが教室?まるで動物園だ”と驚くラエルチ。 教室は空きスペースを金網で囲っただけで屋根もない。 校長(サンドラ・コルベローニ)に促された生徒たちは それぞれの楽器から音をだすが、それは音楽ではなかった。
彼は演奏以前に座り方や楽器の基本の構え方、 弦の握り方、楽譜の読み方と 一から教えなくてはならないハメになり、嫌気がさし、 辞職を校長に願い出る。
ところが、逆に校長から次の演奏会でいい演奏が 出来なければ、学校の存続が難しいと説得され、 給料の前払いを条件に、教師を続けることに。
やる気のない生徒と先生。 そんな中、帰る途中にギャングに銃を突きつけられ、 ”待ちな、新任の教師だろう、一曲弾いてみせろ”と 脅迫されるが、素晴らしいヴァイオリンの演奏を披露して 何とか、危機を脱出。
結局、この話が、 ”ギャングがラエルチ先生の演奏を聞いて銃をおろした!” ”どうやって、ギャングを倒したの”、 ”美しい音楽には誰も適わない”、 ”僕も無敵になりたい”と評判になり、 生徒も先生もやる気満々になり、猛練習を始める。
と、書けば絵に描いたよう学校映画になるところですが そこはブラジル。
意欲的で才能のある生徒の サムエル(カイケ・ジェズース)や 彼の友人で少年院帰りのVR(エウジオ・ヴィエイラ)は ヴァイオリンの練習に励む一方、食うために 仲間とつるみ、カードのスキミングで生活費を稼ぐなど 貧しい暮らしや、警察と住民の暴動シーンなど、 厳しい現実を突き付けながら、「貧困」と「音楽」の 対比で展開するストーリーは単なる、音楽映画で 終わっていないところが良かった。
勿論、タイトルが「ストリート・オーケストラ」と 銘打っているだけに、 クラシックの名曲が格場面で登場します。
ところが、クラシックに疎い私は聴いたことはあるが 何の曲が解らない。 で、公式HPを見たら、出ていましたね。 一応、Y-tubeで聞き直しましたが、見る前に聞いておけば より楽しめたのにと思ったことでした。
ちなみにその曲は ・モーツァルト の 「ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216」 「きらきら星 フランスの歌・「ああ、お母さん聞いて」 による12の変奏曲」 ・ブラームスの「弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 Op.67」 ・バッハ 「ブーレ」 「無伴奏ヴァイオリンソナタ2番・アンダンテ」 「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ロ短調」 「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 プレリュード」 「G線上のアリア」 「マタイの受難曲 BMV.244」 ・ヨハン・シュトラウスU世 「美しき青きドナウ」 ・シューマン 「チェロとオーケストラのための協奏曲Op.129」 ・ニコラ・パガニーニ 「カプリース第20番」 ・パッヘルベル 「カノン」 ・リスト 「慰め 第3番 変二長調」 ・ヴィヴァルディ 「弦楽のための協奏曲ト長調 「アラ・ルスティカ」」 ・チャイコフスキー 「交響曲第4番」など
私が一番、気に入ったのはラエルチが教室で弾いた、
多分、この曲だと思う♪♪パッヘルベルの「カノン」♪♪。 クラッシクだけでなく、ヒップホップにラップが 効果的に使われていて見事にフュージョンしていました。
監督はセルジオ・マチャド。 |

X-MEN:アポカリプス 2016年8月13日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日は終戦記念日。 平和な日々に感謝して、TVを見て過ごしたいと思います。 テニス男子シングルス3位決定戦で、
錦織圭選手がナダルを破り、
銅メダルを獲得。\(^o^)/!
今日の映画紹介は上映中の「X-MEN:アポカリプス」。 「X-MEN」の新三部作の 「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」、 「X-MEN:フューチャー&パスト」のシリーズ三部作目。 旧三部作を入れると六作目になります。 監督は前作同様にブライアン・シンガー。
SFファンの私としては、 ミュータント(超能力者)同士の闘いと なれば、見逃すわけにはいきません。 初めて見る人は、時系列が複雑なのでそのまま、 素直に?見て下さい。
キャッチコピーは ”黙示録(アポカリプス)。それは、世界を終わらせる神”。
「X-MEN」の「X」の意味するところはミュータンの 未知なる能力、無限の可能性を「X」という記号で 表したもの。
紀元前3600年、力を用い神として世界を支配していた ミュータントのアポカリプス(オスカー・アイザック )は 不死の儀式中に裏切りにあい、 古代エジプトのピラミッドの中に封印される。
しかし1983年、アポカリプスを神と崇める宗教集団により 彼は眠りから目覚める。 アポカリプスは、テレビを通じて膨大な知識を学び取り、 現代の文明は堕落していると判断する。
彼は人類に対して、新しい秩序をもたらすため、 伝説にあるアポカリプスと黙示録の四騎士に倣い 金属を自由に操る”マグニートー”、 サイキック・ナイフを駆使する”サイロック”、 気象をコントロールする”ストーム”、 鋼鉄の翼を持つ”エンジェル”の4人のミュータントを 従えて世界の破壊に乗り出す。
 対する人類との共存のため若いX-MENを指導する プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)側には 超高速で移動する”クイックシルバー”、 カメレオン人間の”ミスティーク”、 目から破壊光線を発する”サイクロプス”、 強力なテレパシーを持つ”ジーン”等と共に、 アポカリプスの計画を阻止するために立ち向かっていく。 しかし、ミュータントの力を吸収できるアポカリプスに 反撃され、逆にテレパシー能力に目をつけられた プロフェッサーXが連れ去られてしまう……。
と、まぁ〜両陣営はそれぞれ自分の信じるところを 拠り所にバトルを始めるのですが、 神と同じように、巨大なパワーを持つアポカリプスが 人類は腐敗していると、クリーン作戦で 地球を破壊し始める行動の一環に 各国の核ミサイルを宇宙に破棄するなど、 地球に新たな秩序を創ろうとする考えがあり、 共感する部分もありました。
と言った、思想的なことはさて置いて、 SFファンにとってはテレパシー、テレポーション、 サイコキネシス、重力操作などを VFXを駆使してそれらしく映像化している ブライアン・シンガー監督はさすがですね。
そうそう、ウルバリンも登場していましたよ。
このシリーズ一作目の 「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」が 21日(日)にテレビ朝日で放映されるのでこれを見て、 面白いと思ったら、本作もぜひ観て下さい。 |

ターザン:REBORN 2016年8月9日

映画ファンの皆さん、おはようございます! オリンピック、”メダル、メダル”と言いたくないが、 有と無しでは、天国と地獄の差、頑張れニッポン!
今日の映画紹介は上映中の「ターザン:REBORN/ The Legend of Tarzan」。
原作はエドガー・ライス・バローズで、 映画やアニメなどで何度も映像化されている 冒険小説ですから、内容はご存知でしょうね。
貧弱な身体の持ち主の私は、あの素晴らしい肉体の 持ち主であるターザンは憧れです。 ストーリーはさておいて、筋肉を躍動させて ”ア〜アァ〜”と、奇声?をあげて、 ツタからツタへと飛び移り、ジャングルを 駆け巡る勇姿を見るだけで満足!?
キャッチコピーは ”その男、英国貴族。またの名を、ターザン”。
舞台は1880年代。 生まれて間もなく国の反乱に巻き込まれて、 コンゴのジャングルで動物たちに育てられて、 文明社会に復帰したターザン。
 彼はイギリスの貴族クレイトン家の3世である ジョン・クレイトン(アレクサンダー・スカルスガルド) と、して国務に携わりながら、 美しい妻ジェーン(マーゴット・ロビー)と共に、 ロンドンで実業家として優雅に暮らしていた。
そんな中、ベルギーのレオポルド二世が 支配するコンゴで、資源の掠奪や先住民が 奴隷として酷使されている実態調査に 手を貸してくれと米国の外交官の ジョージ(サミュエル・L・ジャクソン)から懇願され、 又、英国政府も利権がらみもあり、 彼に貿易使役としてコンゴ行きを命ずる。
ジェーンを連れて故郷のコンゴへ。 しかし、そこにはターザンに恨みを持つ部族と レオポルド二世の腹心の部下、 レオン・ロム(クリストフ・ヴァルツ)が、 手ぐすねを引いて待ち構えていた。
いやぁ〜、面白かったですね。 ターザン役のアレクサンダー・スカルスガルドは 身長194cmで、しなやかな身のこなしに みごとな腹筋は芸術作品のようです。
この見事なシックスパックの肉体美のために、 何ヶ月も鶏肉ばかりを食べて、 腹筋運動をして完成させた結果ですから、 これだけでも見る価値はありました。
勿論、ターザンの仲間の、ライオン、カバ、ワニ、象に ダチョウとCGIの動物たちも本物以上にリアル。
それに、現在進行中にフラッシュバックさせ、 ターザンの父親がゴリラの一群に襲われ、 彼がメスゴリラに拾われて育てられるシーンを挿入するなど、 初めて見る人でも、彼の生い立ちがわかるような ストーリー構成はハリーポッターシリーズの
監督デイヴィッド・イエーツだけに、巧いですね。
暑い夏、涼しい映画館で、 ジャングルへ、ひと時の避暑へお出かけ下さい。 |

ロング・トレイル 2016年8月2日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
リオ・オリンピック開催前の今朝の試合で 日本はナイジェリアに4−5で敗れました。 コンディションの悪い状態の相手に点の取られ過ぎ。 これでは負けるべきして負けた試合ですね。
今日の映画紹介は上映中の 「ロング・トレイル/A Walk in the Woods 」。 ロバート・レッドフォードが主演・製作。 北アメリカ有数の自然歩道 「アパラチアン・トレイル」踏破を 目指すシニア男性2人組の旅を描いたロードムービー。
原作はビル・ブライソンが実話をもとに書いた 「A Walk in the Woods」。
キャッチコピーは ”旅は人生と同じ。ベストを尽くせばそれでいい”。
紀行作家のビル(ロバート・レッドフォード)は
すでに80歳。英国から故郷の米国へ戻り、 家族と共に穏やかな毎日を送っていた。
ある日、家の近くにある、全長3500kmにおよぶ アパラチアン・トレイルを旅することを思いつく。 妻のキャサリン(エマ・トンプソン)は一人旅を心配して 相棒とならばと、しぶしぶ承知する。
ところが、相棒を探して電話をかけまくるが、 応募者なし、ところが友人から聞いたと手を挙げたのは カッツ(ニック・ノルティ)だけ。
キャサリンは ”彼はダメよ、酒が元でケンカ別れした”と反対するが、 結局、二人で出発する。
年寄二人の弥次喜多道中は笑えますね。 カッツは400mも歩かないうちに、 ”アァー、殺してくれ”、 ”下りはどこだ、終点まで登りか?”かと息も絶え絶え。
キャンプ中に出会った変な女のジェニー (メアリー・スティーンバージェン)にペースを乱され。 途中ですれ違った男から、 ”今夜は雪だな”と言われ、”まさか!”と高を括っていると 猛吹雪の中を歩くハメに。 渓流で滑ったり、クマに遭遇したりと 仲良くケンカしながら珍道中。
疲労困憊のカッツは車でショートカットを提案。 断るビルは一人で歩き始めると、 ”俺はお前と最後の冒険をしたくて来たんだ”とカッツ。 ”俺も最後まで歩きたい行くぞ”、 ”わかったよ!”としぶしぶついて行くカッツだった。
さて、二人は3500kmを走破できるのでしょうか?
人生に飽きて、ヒマを持て余した老人の 山歩きだけの映画だけど、 体力の衰えを実感しながら、挑戦する二人に 自然の中を歩くことを通じて、”心の旅”も しているのだなぁと気がつきました。
カッツがビルに ”俺は飲酒運転で出頭しないで、逃げ回っている。 あんたは成功したんだ、幸せか?”と。 ”くだらないことを聞くな”と、それぞれ違う環境に ありながらお互いに言いあいながら、 親密になっていく80歳の二人。
やはり、汗水流して、共に苦労しないと
ベストフレンドにはなれないのでしょうかね。
何はともあれ、見終った後、”俺も頑張ろう”と 元気が湧いて来る映画でした。
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ヤングアダルトNY 2016年7月26日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日は都知事選は、都民ではないけど、気になります。
さて、都民は誰に清き一票を投票するのでしょう。
今日の映画紹介は上映中の
「ヤング・アダルト・ニューヨーク
/Young Adult New York」。
”若いつもり”の40代と”成功したい”20代カップルが
交際を通じてそのギャップと生き方を認識する、
コミカルな映画かと思ったら、
とんでもない、真面目な?映画でした。
キャッチコピーは、
”僕らは自由でありさえすればいい”。
舞台はN.Yブルックリン。
ジョシュ(ベン・スティラー)は
ドキュメンタリー映画の監督だが、
もう8年間も新作を完成させていない44歳。
妻のコーネリアス(ナオミ・ワッツ)は
映画プロデューサーで子供はいないが、
二人は仕事も私生活にも何かが欠けてしまったと感じて、
その上、友人の赤ん坊自慢にも
うんざりする毎日を過ごしていた。
そんなとき、
ジョシュが講師をしているアートスクールの生徒の
ジェイミー(アダム・ドライバー)と
ダービー(アマンダ・サイフリッド)が、
”すばらしい授業だった。
ファンなんです、あなたに憧れて制作を”と、
彼の映画のフアンだと言って近づいて来る。
二人は20代のカップルで、夫のジェイミーは監督志望で
ジョシュをリスペクトしていると熱く語り、
又、アイスクリーム職人である妻のダービーは
夫を応援していると言う彼等と意気投合して交際を始める。
時代に乗り遅れたくないとSNSに縛られる自分たちと違って、
レコードやタイプライターなどレトロなカルチャーを
愛するセンスのいい彼らと行動を共にするうちに、
”エネルギッシュで古臭いものでも
彼らの部屋ならオシャレ”と、
クリエイティブに生きる彼らから刺激を受けて、
マンネリだった夫婦関係も良くなり、
2人は再びエネルギーを取り戻していくが…。

監督が「イカとクジラ」「フランシス・ハ」の
ノア・バームバック。
”ポスト:ウディ・アレンの大本命”と言われているし、
主演がベン・スティラーと来れば、
これは笑えると作品思ったのだが、
結構、シリアスの展開だったので、
これはこれはと思ったことでした。
ナオミ・ワッツは「キングコング」で名前を
覚えたのだが、彼女も1968年生まれですから、
もう、今年で48歳。でも、本作同様、
ミドルエイジの魅力がいっぱいで輝いていました。
自分が40代の頃を振り返ってみても、
共感する部分はありました。
その時、その時の悩みは誰でもありますね。
現在の悩みもたくさんあって…!?
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インディペンデンス・ディ 2016年7月13日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまへ譲る
「生前退位」のご意向のニュース。
82歳の陛下の心情を慮ると、何となく解ります。
今日の映画紹介は上映中の
「インデペンデンス・デイ リサージェンス/
INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE」。
3Dで観ましたが、「RealID」のシステムを採用とかで
めがねが軽くなり、持ち帰りで次回使用の時は
100円引きとかで、
こちらの方の技術も進歩しているようです。
「リサージェンス」とは
”一度中断していたことの再開”の意味ですから、20年前の
「インデペンデンス・デイ」の続編と言うことでしょう。
キャッチコピーは、
”あの日から20年。
決戦に備えていたのは、人類だけではない”。
人類が恐るべき侵略者(エイリアン)を撃退して、
勝利してから20年。新たな襲来に備えるため、
エイリアンの宇宙船のテクノロジーと人類の技術を
融合させた新しい技術で
”きっと、奴らはやって来る”と、その来るべき日に備えて
地球防衛システムを構築していた。
そして迎えた2016年7月。
エイリアンが残した宇宙船が目覚める。
地球に仲間を呼び寄せるSOS信号を発信し始める。
デイヴィッド(ジェフ・ゴールドブラム)
率いる隊が起動した艦の調査に取り掛かるが、
大西洋を埋め尽くすほどの巨大な、
宇宙船(母船)が現れ、
各都市の破壊活動を始めたとの一報が入る。
エイリアンに対抗するために、戦闘機のパイロットの
ジェイク(リアム・ヘムズワース)は
前のエイリアンとの戦いで米軍を指揮した
ホイットマン前大統領(ビル・プルマン)の娘で
自身の恋人であるパトリシア(マイカ・モンロー)と、
喧嘩仲間のディラン(ジェシー・アッシャー)と再会して
戦闘に備えるのだった。
と、まあぁ〜、巨大な宇宙船で攻め込んで来る
エイリアン軍団に対して、
いかに撃退するかという「人類VSエイリアン」の映画。
3Dで見る戦闘場面は最新のCGを駆使しているだけに
その迫力には圧倒されました。

ただ、SFファンを自称する私としては、
「スターウォーズ」、「エイリアン」、「ゴジラ」などの
過去のSF映画のいいとこ取りをしているように思えました。
その、打開策とは言っては何ですが、
一般の戦争映画のようにエイリアン側の人類に対する
考えとか戦術を会議して場面を入れれば、
もっとリアル感が出て、最初は劣勢で最後は人類が
勝という決まりのパターンで、”ハイ”終わりなんて、
ならないのではと、見終ったあと考えたことでした。
さて、人類はエイリアンをどのような手段で
撃退するのでしょうか?
暑い夏、涼しい映画館でしばし、
異次元の世界をお楽しみ下さい。
監督のローランド・エメリッヒ の名前を知ったのは
映画、「紀元前一万年」ですが、
この映画にも興奮して見た事を思い出しました。
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ブルックリン 2016年7月5日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日は七夕ですね。短冊に書いたお願いは、
”健康で長生き出来ますように”、
”サマージャンボで7億円当たりますように”と
小さなお願いをしました。
今日の映画紹介は上映中の「ブルックリン」。
1950年代、アイルランドからニューヨークの
ブルックリンにやってきた移民の少女の
青春や揺れ動く心を描く、ヒロインの成長物語。
キャッチコピーは、
”誰を愛するかを決めることが、
どんな自分になりたいかという答えになる。
手紙の時代の物語が、永遠の真実に気づかせてくれる”。
1950年代、アイルランドの小さな町に住む
エイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、
美人でキャリアウーマンの姉、
ローズ(フィオナ・グラスコット)とは対照的に、
大人しく目立たない存在だった。
しかし、姉の勧めで、
”アメリカへ行くの、姉さんのおかげよ”と、
ニューヨークのブルックリンへ行くことを決心。
エイリシュは船でアメリカを目指すが、
初めての船旅で船酔いやトイレの争奪戦に悩まされるが
同室の女性の助けで乗り越え、又、入国の時の
態度や生活についてもアドバイスを受ける。

ブルックリンではフラッド神(ジム・ブロードベント)の
助けで、アイルランド人のキーオ夫人が管理する
下宿に住み、
デパートの販売員として新生活をスタートする。
慣れない環境に精神的、肉体的にも疲れる日々だったが、
”親愛なる妹へ、何千キロも離れたアメリカで
読んでるのね。すべてが新しく刺激的でしょう?”と
姉からの手紙を読み、ホームシックにかかるのだった。
そんな中、あるダンスパーティーで
イタリア系移民のトニー(エモリー・コーエン)と出会い、
”僕と踊らない、秘訣は”上手い”と信じて踊ること”、
”もっと早く知りたかった”と、お互い惹かれていく二人。
また、フラッド神父の勧めで大学へ通い、
簿記の勉強も始める。
”彼と出会って、ここでの生活に自信がついたわ”と、
夢への第一歩を踏み出したエイリシュだった。
端的に言えば、移民の苦労話だが、
昔も、今も移民は新天地で苦労しますね。
彼女はいくつもの人生の岐路にたち、
どの道を選ぶかで、自分の人生を決めて行きます。
彼女は悩みますね。
「2つの故郷」に、
アイルランドかアメリカか?
私の生きる場所はどこ?自分の夢は?
「2つの愛」に、
姉の死で故郷に戻った彼女は裕福で洗練された紳士の
ジム(ドーナル・グリーソン)と出会い、求愛される。
”ここでの人生も悪くない、
ブルックリンより幸せかも”とささやくジム。
さて、トニーか、ジムかどちらを選ぶか?
彼女が決めていくのに必要な条件は自分を中心にして
複雑に絡み合う、人との関係です。
”人間、一人では生きていけない”ですから。
映画を観られたら、自分だったらどう決断するか、
考えながら見て下さい。
ヒロイン役のシアーシャ・ローナンは
22歳の若さですが、田舎の娘から、都会のレディへの
変身を見事に演じていますね。
第88回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚色賞に
ノミネートされた映画。
監督はジョン・クローリー。
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日本で一番悪い奴ら 2016年6月30日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
年金運用で5兆円を超える赤字。 株式投資はギャンブルだから、勝ち負けは当然ですが、 アベノミックスを成功させるために、強引に 株式投資の比率を増やしたのは納得出来ないですね。 阿部さんの隠し財産で補填して欲しい。
今日の映画紹介は上映中の「日本で一番悪い奴ら」。 「凶悪」の白石和彌監督が、 2002年の北海道警察で起こり 「日本警察史上最大の不祥事」とされた 「稲葉事件」を題材に描く作品。
原作が北海道警察の元刑事の稲葉圭昭さんの手記 「恥さらし 北海道県警 悪徳刑事の告白」。
キャッチコピーは、 ”日本で一番悪い奴ら、それは警察だった”。
大学柔道部の諸星要一(綾野剛)は26歳で 道警の柔道大会の優勝のため、柔道請負人として 北海道警察本部の刑事となる。
しかし、捜査も事務もダメ、馬鹿にされるだけ。
そんな中、敏腕刑事と言われる村井定夫(ピエール瀧)は諸星に、
刑事が認められるには犯人を挙げて点数を稼ぐことと教えられる。
そのための手段としての彼が教えたことは、 ”裏社会に飛び込み協力者の『S』(スパイ)を作れ”。 一念発起した諸星は自分の名刺を ばら撒く営業活動で、『S』を作る。
その内通者とは、 暴力団の幹部の黒岩勝典(中村獅童)や、 ロシア語が堪能な麻薬の運び屋の 山辺太郎(YOUNG DAIS)に、パキスタン人の 盗難車バイヤーのアクラム・ラシード(植野行雄)。
諸星は31歳で札幌中央署暴力犯係(マル暴)に異動。 要人への銃撃事件の増加に伴い道警本部に 銃器対策課が新設され、諸星は第二係長を拝命する。
銃対課の上司は拳銃の摘発実績を作るために、諸星に相談する。
彼は内通者を通じて銃を手に入れ、 コインロッカーに入れて摘発を偽装するなどして 覚せい剤と拳銃所持の検挙数を上げるが、 次第に、摘発手段はエスカレートしていき、 ロシア人から1丁2万円でトカレフを購入して 摘発件数を水増しして”点数”を荒稼ぎ。
いゃ〜、綾野剛がいいですね。 村井に初めて、高級クラブに連れられて行った時には タバコも酒も飲めなかった彼が 「正義の味方、悪を絶つ」の信念をよりどころに 規格外の違法捜査(おとり捜査)にまっしぐら進む姿は
”そりゃ〜、ないだろう”と思いながらも、共感していました。
軽快な音楽にのって、 テンポよく展開するストーリーはハリウッド以上。 綾野剛が刑事の26年間を、年齢にあわせて 体重を10キロ増減させて、一番悪い男を 最高の演技で体現しています。 勿論、暴力シーンもベッドシーンも文句無し。
冒頭に『これは事実にもとずくフィクションです』と テロップがあったが、ノンフィクションだと 判っているのでより、現実味があって面白かった。
”道警のエース”と呼ばれるようになった諸星に、 黒岩が持ち込んだ税関、道警を巻き込んだ 日本警察史上最大の不祥事とはどんな事件でしょうね。 これは、見てのお楽しみ!
P.S 6月30日にこの映画を観たのですが、
この日をもって、上映館の「ピカデリー」が閉館。 もっとも、近くのビルに「ミッドランドシネマ」が 出来るので発展的解消なのですが、いつも通っていたので ちょっと、寂しかったです。 |

貞子VS伽椰子 2016年6月23日

映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の「貞子VS伽椰子」。
『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズの伽椰子という、
呪いの最恐ヒロインの共演とありますが、怖いですね。
小心者の私ですが、怖いもの見たさに、勇気を出して
心臓をパクパクさせて観て来ました。
キャッチコピーは、
”どっちの呪いが、最恐か”。
貞子と伽椰子の呪いがどんなものかは、貞子の呪いは、
「”呪いのビデオ”を見ると48時間後に貞子が来て死ぬ」。
伽椰子の呪いは、
「伽椰子が住む”呪いの家”に入ったら伽椰子が来て死ぬ」。
どちらも、怖い呪いですね。
女子大生の有里(山本美月)は、親友の夏美の頼みで
中古品店でビデオディスクを買うが、その中に“呪いのビデオ”が入っていた。
夏美(佐津川愛美)は好奇心にかられ、ビデオの不気味な映像を見てしまった。
恐怖にかられた二人は大学で有里と夏美は
都市伝説の研究家でもある
大学教授・森繁(甲本雅裕)の講義を聞いていたので
どうしたらいいか、相談に出かける。
森繁の知り合いの霊媒師が除霊をするが、
逆に霊媒師・助手2人が貞子に殺される。
そこに登場するのが、霊能界の異端児の
常盤経蔵(安藤政信)と、相棒で霊感を持つ
盲目の少女・珠緒(菊地麻衣)がやってくる……。
一方、女子高生の鈴花(玉城ティナ)は、
足を踏み入れた者は生きて戻れないという
“呪いの家”の向かいに引っ越して来る。
そこで、4人の小学生が行方不明になる。
鈴花は、引き寄せらるように呪いの家へ入る。
彼女の悲鳴を聞いて駆け付けた両親もろとも、
この家に棲みつく伽椰子と俊雄に襲われる……。
と、まぁ、ながながと粗筋を書きましたが、後半では、2つの呪いを解くために、
最終手段として、経蔵は貞子と伽椰子を激突させ、
同時消滅させるというのだが、しかし、結果は思いがけない方向へ…。
私が一番、恐怖を覚えるシーンはシャワーしている時、
大量の髪の毛が手につく場面ですね。
あの黒い髪がモゾモゾすると、皮膚がザワザワと…。
”決して出合ってはいけない2つの「呪い」が絡まる時、
世紀の最恐対決がはじまる!”。
さて、どちらが勝のでしょうかね?
監督は白石晃士。
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シチズンフォースノーデンの暴露 2016年6月14日
 映画ファンの皆さん、おはようございます!

英国民投票は離脱派勝利に、
キャメロン首相が辞意表明 で世界経済に大打撃。
円も99円台まで円高で、どうなるのでしょうか。
今日の映画紹介は上映中の
「シチズンフォー スノーデンの暴露」。
アメリカ政府のスパイ行為を告発した
エドワード・スノーデンによる事件のはじまりと
真相に迫ったドキュメンタリー。
ある日、ドキュメンタリー映画作家のローラ・ポイトラスの元に重大な機密情報を
持っているとコンタクトしてきた者がいた。コードネームは<CITIZENFOUR>。
映画はナレーションから、始まりますね。
”ローラーへ、今、託せるのは言葉だけです。
私は情報機関の上級スタッフで、こうした接触には危険が伴います。
まずは次の予防対策を取って下さい。重要なことです”と、
それは、匿名の人物からローラが受け取った、暗号化されたメールの言葉。
”あなたが何を買ったか、誰に電話をしたか、友達は誰か、
どんなサイトを見たかなどが全てNSA(アメリカ国家安全保障局システム)の
手の中にある”というものだった。

ローラはこの情報を得ることで
危険が伴い、自分が撮影してきた映像を没収されるのを
恐れて、ベルリンに移動する。
2013年6月3日。ローラは旧知のジャーナリストの
グレン・グリーンウォルドとともに香港へ向かう。
指定されたホテルの部屋で待っていたのは
29歳の元CIA職員エドワード・スノーデンだった。
彼はNSAがアメリカの一般国民の情報を収集していると、
そのスパイ行為を暴露する。
”メール内容やクレジットカード情報、パスワードの情報すらスパイされている”と、
さらにホテルの部屋にある電話を指差し手に取ると、
”これらのIP電話は盗聴器として遠隔起動出来る。
パソコン一つで10億件の通話や通信を監視出来る”と
スノーデンは不安な表情をにじませて話し出す。
その6時間後、グレン達と共にインタビューをした
レポーターがスノーデンの許可を得て、メディアに公開する。
次に彼らは再びメディアに政府がマイクロソフト、ヤフー、
グーグル、フェイスブック、AOL、スカイプ、ユーチューブ、
アップル等の各社サーバーに直接侵入していると暴露する。
ローラ・ポイトラス監督はドキュメンタリー作品で
脚光を浴びただけに、顔を見せずに、インタビューだけの
シーンでグイグイと画面に引き込んでいきますね。
スノーデンは政府側からすれば、内部告発者で犯罪者。
政府の秘密を明らかにする勇気には驚かされます。
彼の落ち着かない様子は、逃亡者としての不安が画面から伝わって来ます。
インタビューだけでなく要所要所で、実際に各国の驚きのニュース番組を使って、
”米国の安全のためのプライバシー侵害、今朝の記事で
その懸念が再燃しました。政府はインターネット企業の
サーバーに直接アクセス。全米の一般国民の情報を収集しています”と、
上手く構成しているので、より緊迫感が伝わって来ます。
製作総指揮のスティーヴン・ソダーバーグの手腕もあるでしょうね。
アメリカ政府は香港に彼を引き渡す様に迫るが、
ウィキリークスがスノーデンの為にモスクワへの逃亡を手助けする。
ロシアに亡命したスノーデンは、恋人のリンジー・ミルズと
一緒に暮らしている。
監督のローラーがインタビューで、
”実際に悪事を働いた人よりも
悪事を暴こうとする人を追い回すのね”の
言葉が印象に残ります。
第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞。
グレンはガーディアンへの寄稿して、ピューリッツァー賞受賞
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探偵ミタライの事件簿 星籠の海 2016年6月9日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の
「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」。
原作は島田荘司が、探偵・御手洗潔を主人公に描く
「星籠(せいろ)の海」を和泉聖治監督で映画化。
人気ミステリーですから、原作を読んだ人は多いでしょうね。
原作とは違う、キャラクターも登場しています。
キャッチコピーは
”謎を愛する、天才脳科学者。趣味、探偵”。
第一の事件は、
瀬戸内海の小さな島に男の死体が半年に6体流れ着く。
その身元は不明という怪事件が発生。
編集者の小川みゆき(広瀬アリス)から
“死体島”の話を聞き、事件に興味を持った
天才脳科学者の御手洗潔(玉木宏)は、
事件の現場である瀬戸内海の興居島に飛ぶ。

そこは日本で唯一、太古の昔から変わることなく
6時間ごとに潮の満ち引きが繰り返される
海流によって6体が広島県福山市から
流れ着いたことを御手洗は突き止める。
この海は時計仕掛けの海だった。
第二の事件は、
アパートの一室で外国人女性の変死体が見つかる。
第三の事件は、
居比家誘拐殺人事件。
それは、滝つぼに口と目を縫い合わされた夫婦が
杭に縛られ、傍に浮かんでいたのは夫婦の赤ん坊。
御手洗はこの関係のない、三つの事件の点を
”全ての謎(ピース)はつながっている”と線として、その謎を解いていく。
現地では、福山市立大学・准教授の滝沢加奈子(石田ひかり)の手を借りて、
織田信長の鉄甲船や、瀬戸内海を拠点としていた
村上水軍と、御手洗は江戸の世まで歴史をさかのぼり、
複雑に絡み合う事件の真実に迫っていくのだった。
さて、タイトルにある「星籠」とは何のことでしょうね。
本作を観て思ったことは、謎解きミステリーの面白さは
申し分なかったのですが、主役のキャラが、
「ガリレオ」と被っているので、これだと
早く映画化した方が勝ちだなぁと思ったことでした。
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団地 2016年6月4日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「団地」。
先月、同じ団地を舞台にした「海よりもまだ深く」を
紹介しましたが、本作はそのままズバリの団地。
『顔』の藤山直美と阪本順治の主演、監督のコンビが、
およそ15年ぶりに再び組んだ異色ドラマ。
キャッチコピーは、
”「DANCHI」なんでもありえる昭和の集合住宅。
うわさが転がる小宇宙”。
ある事情で家業の漢方薬局を廃業して、
大阪近郊にある、古ぼけた団地に越してきた
山下ヒナ子(藤山直美)と清治(岸部一徳)。
住人たちは、調子のいい自治会長の
行徳(石橋蓮司)と、妻で”ゴミ監視役”を
生き甲斐にしている君子(大楠道代)、
クレーマーで次期会長を狙う吉住(宅間孝行)に、
暇を持て余した奥さま連中…。
次期会長選で落ちた清治は、
”どうせ僕は人望がないんや!
僕は団地から消えるんや、
僕は死んだことにしてくれと”と
床下の収納スペースにもぐり込んでしまう。
清治の姿を全く見かけなくなり、
団地の奥さん達は井戸端会議で、
一人がポロリとこぼした
”もう、殺されていると思う…”の言葉に
離婚・蒸発・殺人と噂はエスカレートするばかり。

”団地って、オモロイなぁ…、噂のコインロッカーや”と、
”ありえないことがありえるのが、団地や”と
それでも淡々とパートに通い続ける
ヒナ子の言動に隣人たちの 妄想は膨らむばかり。
そのうえ、妙な立ち居振る舞いの
真城(斎藤工)が山下家を訪ねて来る。
関西弁でユーモアたっぷりに演じる
二人の夫婦の会話は面白かった。
今は古い高齢者ばかりになった団地も、
同様に老朽化して、当時の面影はありませんが、
まだまだ我々同様、頑張っていますね。
二人が漢方薬店をたたんだ理由と
怪しげな青年・真城との絡みで
物語は意外な結末を迎える。
と言うことで、見てのお楽しみ〜!
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ある終焉 2016年5月31日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
ボクシングの元ヘビー級世界王者の
ムハマド・アリ氏(74)が死去のニュース。
”チョウのように舞い、ハチのように刺す”と
言われた華麗なフットワークと鋭いパンチは
記憶に残っています。合掌!
今日の映画紹介は上映中の「或る終焉/CHRONIC」。
「終焉」とは生命が終わること。
死を迎えること。また、その時の意味ですね。
キャッチコピーは、
”孤独な魂が寄り添う…親密なる最後のとき”
終末期患者のケアをする看護師デヴィッド(ティム・ロス)。
元・妻ローラ(ネイレア・ノーウィント)と
娘ナティア(サラ・ サザーランド)とは
息子のダンの死をきっかけに疎遠となり、一人暮らし。
今は、患者の在宅看護とランニングで日々を過ごしていた。
ケース@
痩せ細り、口をきく気力もない若い女性を入浴させ、
エイズの末期患者サラ(レイチェル・ピックアップ)を
献身的な介護で、看取る。
ケースA
脳卒中で、半身麻痺となった
老人ジョン(マイケル・クリストファー)を介護する。
”ポルノはアートだ。 もっと見せてくれ”
”身体に悪いぞ”と
パソコンでポルノを見るくらい元気になるジョン。
ところが、あまりにも親密になり過ぎて、
肉親以上にデヴィッドに頼るジョンを見て、
”看護が過剰すぎるわ”と家族は訴える。
上司に呼ばれて、
”君をセクハラで訴えるそうだ”と言われ辞職する。
ケースB
末期がんで苦しむ患者のマーサ(ロビン・バートレット)から、
”化学療法はもうたくさん。いっそ終わりにして”と、
安楽死の幇助を頼まれる。
ベッドに横たわる患者の身体を丁寧に拭き上げたり、
下の世話をしたりと、見たくないようなシーンでも
デヴィッドの手慣れた仕事ぶりを見ると、一種の芸術のようで
逆に目を凝らして見ていました。
デヴィッドを一流の介護人として見せる映画だと思ったら、
ところが、さすが、メキシコの新鋭ミシェル・フランコ監督。
長回しのカットで、独特の色合いの画面にして、
患者の不安に加えてデヴィッド自身の心の葛藤が画面通して
伝わって来ます。だから原題が「chronic」なのですね、
でも、邦題の方がインパクトがあります。
自分が”看取られる”時間が近付いて来ている現実に
照らし合わせて、終末期医療は他人事ではありません。
デヴィッドが、自分の時間をただひたすらに
ジョギングしているシーンが、
最後のラストシーンにつながるとは…。
第68回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
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海よりもまだ深く 2016年5月29日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
覚せい剤取締法違反で清原和博被告は
懲役2年6月、執行猶予4年の判決。
このニュースを聞いて、本作の主人公と
背景の設定が同じなので、イメージがダブリました。
野球の世界でトップを極めたのに、
離婚して、監督の声がかからなかったから
現実逃避で覚醒剤に手をだすなんて。
本作でも文学賞をとって、夢を叶えたのに
後は鳴かず飛ばずでギャンブルに溺れ、金策に走り回る主人公。
でも、本作では、彼をサポートする母親という強い味方がいたので、
落ちる一歩手前で踏ん張っています。
と、いう観点で見ていただければ、
今日、紹介する上映中の「海よりもまだ深く」も、
より深く、楽しめるでしょう。
先日、放映された「海街diary」や
「そして父になる」の是枝裕和監督が、
「歩いても 歩いても」「奇跡」に続いて
阿部寛主演で3度目のタッグを組んだ映画。
大人になりきれない男と年老いた母を中心に、
夢見ていた未来とは違う現在を生きる家族の姿をつづった人間ドラマ。
キャッチコピーは、
”なりたかった大人になれた?”。
15年前に文学賞を一度とったきりの、自称作家の中年男性・良多(阿部寛)。
現在は生活費のため探偵事務所で働いているが、周囲にも自分にも
”小説のための取材”だと言い訳している。
ギャンブル好きで、息子・真悟(吉澤太陽)の
養育費を払えず、団地で気楽な一人暮らしの
淑子(樹木希林)の家に出かけては、金を無心するが、
面子もあるので”何、困ってんの”と言われると、
”いや、そんなことないよ。ボーナスだってちゃんと
もらいましたよ”と、見栄をはる一方、淑子の留守の間にヘソクリを探し回ったり、
挙句の果ては、興信所の調査中の情報を利用して
相棒の町田(池松壮亮)と組んで依頼人から
金を巻き上げるなど笑ってしまうほどのダメな人生をまっしぐらの男。
別れた妻・響子(真木よう子)に未練がある良多は、
真悟に聞きますね、”ママ、結婚するって?”、
そして、恋人がいることを知りショックを受ける。
偶然が重なり、母の家に集まった良多と響子と真悟は、台風で帰れなくなり、
ひと晩を共に過ごすことになった”元家族”…。
主人公の母親役を樹木希林が飄々として、グチらずに、明るいのがいいですね。
彼女が日常会話で話す、名言?の数々。
”うちにもいるけどひとり…大器が…”。
”女もなまじ学があると、
ひとりで生きていけちゃうからさ”。
”幸せってのはね…何かを諦めないと
手に出来ないもんなのよ”。
”何で、男は今を愛せないのかねぇ”。
”海より深く人を好きになったことなんてないから
生きていける”などなど。
ダメ息子に対する、母親の愛情が見えますね。
もう一つ良かったのは舞台背景の団地。是枝監督が28歳まで実際に住んでいた
東京都清瀬市の旭が丘団地が撮影現場なので
現実の生活の匂いがそのまま、漂っているようで
登場人物が、より活き活きとして見えました。
皆さん、夢見た未来と、今の人生はどうですか?
なりたっかた大人になれてますか?
私はと言えば、”夢”は実現しないから”夢”なんだと
開き直っています。
主題歌 は ハナレグミの♪♪深呼吸♪♪
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スノーホワイト 氷の王国 2016年5月27日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
今日の映画紹介は上映中の「スノーホワイト/氷の王国
(The Huntsman: Winter's War)」。
原作はグリム童話の「白雪姫」だが、
童話の面影はちらほらで、全然違う
アクションファンタジー映画となっています。
「スノーホワイト」の続編。
キャッチコピーは、
”この世で一番美しく、邪悪な姉妹が目覚める”。
邪悪な女王ラヴェンナ(シャーリーズ・セロン)には
フレイヤ(エミリー・ブラント)という妹がいた。
彼女はラヴェンナの策略で心を閉ざし、氷を自在に操る魔力を得て、
氷の王国を築く。
各地から場所から集めてきた子供に訓練を行い、
”鍛えて、強くなり、私のしもべとなるのだ。
敵を倒して私のために戦うのだ”と、強力な軍隊を作り上げていった。
子供の頃か厳しい訓練を受け優秀な戦士となった
エリック(クリス・ヘムズワース)と
サラ(ジェシカ・チャステイン)は恋に落ちて
脱走を図るがフレイヤに阻止され、サラは牢獄へ
、エリックは瀕死の状態で河に投げ込まれる。
フレイヤは氷の王国軍を集結させ
”魔法の鏡があれば、世界は私達のもの”と
スノーホワイトの王国にある魔法の鏡を
奪ってくるように命じる。
フレイヤのたくらみは、自身の魔力と鏡の魔力で
ヴェンナを蘇らせ、世界の征服を目指していた。
7年後、生きていたエリックは
ウィリアム王子(サム・クラフリン)からの頼みで
邪悪な力の根源である鏡を探す旅に出る。
鏡を手に入れるのは、フレイヤかエリックか?
「鏡よ、鏡、この世で一番”美しい”のは誰?」と、
女王が問いかけると、鏡の答えは
「それはあなたです、女王様、しかし…」と、
呪文を唱えて、鏡から出て来たのはラヴェンナ。
白く輝く氷のフレイヤと金色に輝くラベェンナの二人が並ぶとゴージャスで、
あまりの美しさに目を見張ります。
この映画の見所は、何を差し置いても、幻想的な景色の世界。
魔法の森に住む、変わった生き物は黄金好きなゴブリン、
ずんぐりむっくりのドワーフや妖精達。
特にフレイヤの氷の王国の氷の質感はよく出来ています。
彼女が魔力で氷を自在に操る場面は
SFファンタジー好きな私には堪えられないですね。
監督はセドリック・ニコラス=トロイヤン 。
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マクベス 2016年5月24日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
オバマ米大統領は27日、
現職米大統領として初めて被爆地・広島を訪問。
平和記念公園で追悼式に献花して
「核兵器なき世界」を目指すとスピーチ。
良かったです。取り敢えず一歩前進。
踏み出さなければ、物事は動かないですからね。
今日の映画紹介は上映中の「マクベス/Macbeth」。
皆さん、ご存知のように、
「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶ、
シェイクスピアの4大悲劇のひとつとして知られる「マクベス」。
特に「マクベス」は人気があり、数多く映像化されています。
1908年以降、映画、TV、舞台撮影版などで、これまで53本制作されていて、
シェイクスピア没後、400年の今年に合わせての本作。
キャッチコピーは、
”夫が王になった時、2人の運命が狂いだす」。
物語はマクベス(マイケル・ファスベンダー)と
妻(マリオン・コティヤール)の子供の葬式から始まる。
夫妻は子供を失った悲しみで悲嘆にくれていた。
マクベスはダンカン王(デヴィッド・シューリス)の
部下として反乱軍との戦闘で勝利を手にする。
その帰路、怪しげな魔女3人と子供の4人が眺めていた。
魔女達は王の元へ向かうマクベスと
バンクォー(パディ・コンシダイン)の前に姿を現し、
マクベスには
”万歳、コーダーの領主、万歳、いずれ王になるお方”と言い、
バンクォーには
”将来の王の父親となられるお方”と語りかける。
2人はその意味を魔女に問いただそうとしたが、4人は霧の中へと消えてしまった。
この予言を聞いたマクベスは野心を抱き、同じく野望を持つ妻の後押しもあって
”俺の心はサソリで一杯だ、元には戻れない”と
闇の世界へ足を踏み入れていくのだった。
マクベスが拠り所とするのは、
”マクベスは女の腹から産まれた者の手にかかって死ぬことはない”と、
”バーナムの森がダンシネーンに向かって動いてこない限りは誰もマクベスを
負かせない”との魔女の言葉だった。
ストーリーの展開は判っているのに観ようと思ったのはマクベス夫人の
マリオン・コティヤールを見にいきました。悪妻をうまく?演じていました。
撮影がスコットランドだけに、陰鬱な冬の
風景に加えて、いつも霧がかかったような画面は
マクベスの暗い心を現しているようで、
見ている方も、マクベスの気持ちが伝わって来ます。
過去の「マクベス」の映画には、
1948年のオーソン・ウェルズ監督・主演作品や
1971年のロマン・ポランスキー監督作品などがありますが、
私的には黒澤明監督の1957年制作の「蜘蛛の巣城」が
一番だと思っています。
マクベスを見て思うのは、魔女は自分の心に住む
ダークサイドが自分の願望として出て来るのでしょう。
誰でも心に持っている魔女ですが、いかにコントロールするかでしょう。
皆さん、自分の心に潜む魔女には気を付けましょう。
監督はオーストリア出身のジャスティン・カーゼル。
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殿、利息でござる! 2016年5月17日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「殿、利息でござる!」。
原作は『武士の家計簿』で知られる歴史家の
磯田道史著『無私の日本人』の一編「穀田屋十三郎」より。
だから、これは”実話”なんですね。
キャッチコピーは、
”これも世の貯め、人の貯め”。
”千両集めて、ビンボー脱出!庶民VSお上!
知恵と勇気と我慢の銭戦が今、はじまる”。
時は、江戸時代後期の1766年。
場所は仙台藩の奥州街道沿いの寂れ果てた宿場町・吉岡宿。

藩の政策である、“伝馬(てんま)”と言う、
藩の荷物の搬入、搬出をこの吉岡宿が
肩代わりする制度のため、
百姓や町人たちの破産と夜逃げが後を絶たなかった。
町の将来を心配する造り酒屋の
穀田屋十三郎(阿部サダヲ)に、茶師で自称知恵者?の
菅原屋篤平治(とくへいじ/瑛太)がある考えを提案する。
それは、藩に千両(3億円)を貸し付け、
藩から利息を得て、利息を困っている町民に
配り、救済するというものだった。
目標額は、千両。しかしこれが明るみになれば打ち首必至。
”ばれたら、打ち首ですぞ”
”慎重に進めましょう”と
十三郎とその弟・浅野屋甚内(妻夫木聡)等、
集まった有志の九人は、それぞれの思惑を胸に、
金のない者は、家宝、家財道具を売り、
生活費を切り詰め八年かけて、千両を貯める。
だが、次の段階は藩の財政を握る冷酷な役人・萱場(松田龍平)を説得して、
金を借り上げてもらうという、命をかけた仕事が残っていた。
九人の町民、藩側の殿様(羽生結弦)など、
多彩な登場人物を中村義洋監督は
それぞれのキャラクターを上手く使って、
ドタバタ騒ぎにならないように、
ユーモアたっぷりの笑いと
人間味あふれるエピソード(これが隠し味で泣けます)を
加えて見応えある群像劇としていますね。
吉岡宿の有志は、子孫に借金で
苦労をさせたくないという思いで死に物狂いでやったこと。
翻ってみれば、今の私たちは国民1人当たり約830万円の
借金があるから、これは子孫へのツケ回し。
政治家の人にはぜひ、見ていただいて借金を減らす方法を考えて欲しい。
消費税も上げた分はいつの間にかどこかに 消えて行くようでは情けない。
公私混同の舛添知事もこの映画を見ていれば…。
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山河ノスタルジア/山河故人 2016年5月12日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の
「山河ノスタルジア/山河故人」。
監督が、『長江哀歌』で ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、 『罪の手ざわり』で カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した ジャ・ジャンクー監督作。
ひとつの家族を軸に、母と子の愛から浮かび上がる、 過去・現在・未来へと変貌する世界と、 時代のうねりのなかで翻弄されながらも 精一杯に生きる人びとを描いた壮大な叙事詩。
 キャッチコピーは、 ”過去、現在、そして未来。 ずっとあなたを想いづづける”。
過去の話は1999年(平成11年)。 山西省・汾陽(フェンヤン)。 小学校教師のタオ(チャオ・タオ)は、 炭鉱で働くリャンズー(リヤン・ジンドン)と 実業家のジンシェン(チャン・イー)と幼なじみ。 二人から想いを寄せられていたタオは、 三人の友情を大切にしていた。
リャンズーとジンシェンの恋のさや当ては積極的なジンシェンが勝者に。 タオはジンシェンのプロポーズを受け入れ結婚する。
振られたリャンズーは”再見”の言葉を残して街を出ていく。
生まれた赤ん坊を抱きかかえるタオ。息子を見つめるジンシェンは
”チャン・ダラー。パパが米ドルを稼いでやるよ” 赤ん坊の名前を“ダオラー”と名付ける。
現代・2014年(平成26年)の話。 タオはジンシェンと離婚し、一人汾陽に暮らしていた。 ”子供は、上海の国際学校よ、彼が親権を…”と 離れて暮らす我が子を想うタオ。
”父さんはお亡くなりになりました”と、 ある日突然の父親の死。
悲しみに暮れるなか、タオは葬儀に出席するためダオラーを汾陽へ呼び戻す。
会えなかった息子との時間を埋めようとするタオだったが、母を忘れたダオラーに ”ダオラー”お母さんと言って”と、 しかし、返って来たのは”マミー”だった。 別れの時、タオは、
”ここはあなたの家だから、いつでも戻っていいのよ”とお守りにした鍵を渡す。
未来は2025年のオーストラリア。父親と共に移住した ダオラー(ドン・ズージェン)は19歳。 彼は中国語が話せなくなり、大学で中国語を学ぶ。
香港から移住してきた中国語教師のミア(シルビア・チャン)と出会う。
中国語を話せないダオラーはジンシェンとの意志の疎通が出来ず、孤独に苛まれる。 ミアに通訳を頼み、話し合いを試みるが、 ”僕は父さんとは違う!” ”知ったような口を”と口論になり、 気持ちは離れるばかりだった。
過去から未来へ、中国からオーストラリアへ 時と場所を変えて、ストーリーは展開しますが、 現在の中国の現状をよく表しています。
富裕層は中国国内の現状に圧迫を感じるのでしょう、 自由や住みやすい場所を求めて お金を持って、国外へ出て行きます。 その犠牲者のダオラーはアイデンティティーを失い、 根無し草となってしまいます。
それでも、人は根っこが欲しいですね。それが原題の『山河故人』となって、 "故郷は古くからの友達”の意味ですから、 ダオラーは母が待つ故郷へ帰っていくでしょう。
内容的には暗い映画ですが、監督は考えていますね。 三つの時代をスクリーンの大きさや、トーンを変えて 変化を持たせ、冒頭とラストシーンに ペット・ショップ・ボーイズの♪♪GO WEST♪♪の 軽快なリズムとダンスでバランスをとっています。
皆さんは、心の中に故郷を持っていますか? |

さざなみ 2016年5月10日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
錦織圭選手がトロイツキに逆転勝ちしました。
第一セット先取された時は、負けかと思ったのですが。
連戦による疲れもあるようですが、良かったです。
今日の映画紹介は上映中の「さざなみ/45 YEARS」。
この邦題のタイトルは素晴らしいですね。
静かな池に、小さな石を投げ込んだ時に、
波紋が大きく広がっていくように、
結婚45周年のパーティを1週間後に控えた老妻の心に
さざなみのように広がる、夫への不信感。
キャッチコピーは
”妻の心はめざめ、夫は眠りつづける”
イギリスの小さな地方都市に暮らす夫婦のジェフ(トム・コートネイ)と
ケイト(シャーロット・ランプリング)。
土曜日に結婚45周年祝賀パーティを控えた月曜日、
ジェフに一通の手紙が届く。
50年以上前、ジェフは恋人カチャとガイドで
雪山を登山中にカチャがクレパスに落ち、行方不明となっていたのだった。
しかし温暖化により雪が溶け、当時の姿のまま発見されたので
遺体確認に来てほしいというスイスの警察からの手紙だった。

”どうしたの?”
”彼女の遺体が見つかった”
”誰なの?”
”昔の女だ”
”彼女が生きていたら、結婚してた?”
”そのつもりだった”と。
ジェフが”ぼくのカチャ”の言葉がこぼれた時、
ケイトの心に小石が投げ入れられた。
ケイトはジェフへ不信感をぶっつける。
”私の思いをぶちまけたいけどできない。
抑えているのよ。
彼女が部屋の角に立ってる、今も私の後ろにいるわ”
”やめてくれ”と。
月曜日から、土曜日迄の日々をジェフとケイトの揺れ動く複雑な心模様を
日常生活を通して描いていきます。
ケイトの心理状態をランプリングは顔の表情で表現していますが、
以心伝心で、見る人に彼女の心模様が伝わって来ます。うまいですね!
男の視点から見ると、
ケイトが何故、存在しない元彼女に嫉妬して
ジェフに不信感をつのらせるのか?
私一人を愛して欲しいと望んでいるのは分かりますが。
と言うのは、ジェフが隠れてカチャのスライドを
見るのですが、遠い昔の青春時代を回顧するだけなので、
ケイトがそんなに悋気することはないのでは。
今さら、何でと思ったことでした。
逆にジェフが老骨に鞭打って、水道の水漏れを修理したり、
ケイトをベッドに誘うシーンには
彼女に対する愛が満ち溢れていると思うのですが、
どうなんでしょうね。
男と女の結婚観や恋愛観の違いを思い知らされた映画でした。
イギリスの陰鬱な気候に男女間の心の葛藤と
暗い内容なのに、そう思わせないように
アンドリュー・ヘイ 監督は工夫していますね。
青春時代の二人の想いでとして挿入される歌に
タートルズの♪♪ハッピー・トゥゲザー♪♪、
プラターズの♪♪煙が目にしみる♪♪などの
明るい歌が、要所要所に挿入されて、バランスが取れていて良かったです。
主役の二人は第65回ベルリン国際映画祭で
主演男優賞と主演女優賞をそろって受賞。
シャーロット・ランプリングは70歳ですが、
背筋をピーンと伸ばしたスタイルはお歳を召されても美しいですね。
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テラフォーマーズ 2016年5月1日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「テラフォーマーズ」。 週刊ヤングジャンプに連載のコミックを 三池崇史監督が映画化したSFアクション。
キャッチコピーは ”生き残るのは、オレたちだ”。
21世紀、人口爆発を迎えた人類は、 人類は火星に移住しょうと考えた。 それが、火星地球化計画(テラフォーミング)計画。 まずは気温を上げるため、コケと“ある生物”を送られた。 時はたち、2599年。 ”ある生物”が異常進化した、その生物を駆除するために 15人の日本人たちがバグズ2号≠ナ火星に送られる。
と、荒唐無稽の設定がバカバカしいけど面白いですね。 同じ、火星が舞台のマット・デイモン主演の
「オデッセイ」では、火星の環境は外気温は-55℃、酸素はほどんど無し、 最大風速は400kmの過酷な環境などは、 全て無視しての舞台設定はコミックさながらです。
で、主役は火星で進化したゴキブリが進化して人間化?したテラフォーマーズ。
対するは15人の日本人。 彼等はテラフォーマーズに対抗するため、 「バグズ手術」という、昆虫のDNAを体内に埋め込んでいた。 首に「昆虫細胞活性剤」を打つことで、
5〜6分の間その個々の昆虫の能力を
最大限に引き出すことができる細工をされていた。
変異できる元の昆虫の種類は、 小町小吉(伊藤英明)はオオスズメバチ、 秋田奈々緒(武井咲)はクモイトカイコガ、 武藤仁(山下智久)はサバクトビバッタ、 蛭間一郎(山田孝之)はネムリユスリカ、 ゴッド・リー(ケイン・コスギ)はミイデラゴミムシ、 森木明日香(菊地凛子)はエメラルドゴキブリバチ、 堂島啓介(加藤雅也)はパラポネラ、 大張美奈(小池栄子)はハナカマキリに変異して、 テラフォーマーズと闘うのだった。
しかし、彼等を裏で操るのはヒトラーのようなヘアスタイルをした マッドサイエンティストの本多(小栗旬)だった。 彼は”虫をもって虫を制す。その力で害虫を叩いてくれ”と
彼等を火星へ送り込んだのだった。
CGのテラフォーマーズが良く出来ているだけに 人間が変身する姿が、ちょっと貧弱でしたね。
予算の関係か、パワーも姿も最初から負けていたのが勿体なかった。
ゴキブリが嫌いな人は見ないで下さい。 |

レヴェナント:蘇りし者 2016年4月24日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の 「レヴェナント:蘇えりし者/The Revenant」 原作はマイケル・パンクの小説 「蘇った亡霊:ある復讐の物語/ (The Revenant: A Novel of Revenge)」。 アメリカの西部開拓時代を生きた実在の ヒュー・グラスの過酷なサバイバルの物語を映画化。
キャッチコピーは ”愛は死んだ。憎しみだけが生きている” ”復讐の先に、何があるのか”。
次から次へと襲いかかるアクシデントに 私は目を見開き、息をするのを忘れて見入りました。 アクションゲームのようでありながら、 環境保護にも触れながら、人間と自然の関わり合いを 随所に盛り込んだ素晴らしい映画でした。
見所をあげると、まず、冒頭から、 1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部。 極寒の荒野の中、狩猟をして毛皮を集める 狩猟隊は突然、インディアンに襲われる。
狩猟隊ガイドの
ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は 原住民の妻との間にできた息子、 ホーク(フォレスト・グッドラック)と共に、 命からがら船に逃げ込み、川を下る。
グラスは船だと襲われる危険があるため、 船を捨て山越えを隊長に提案して、 狩猟隊は山へ向かい、森で野営する。
見どころの2番目では、 翌朝、偵察に出たグラスは子連れの熊に襲われ、 瀕死の重傷を負う。 (熊との格闘シーンは迫力ありました。グリーズの 吐く息でレンズが曇るシーンには度肝を抜かれました)。
見どころの3番目は、隊長の アンドリュー・ヘンリー(ドーナル・グリーソン)は 彼を見捨てることなく、担架に乗せ、瀕死のグラスを運ぶが、 山越えは不可能と判断。 死ぬまで見届け埋葬する者を募ると、ホークと ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に 若いジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)が 残ることになった。
フィッツジェラルドは ”どうせ死ぬ。早く楽にしてやろう”と グラスを殺そうとする。 それを見た、ホークは”父さんに何をする”と 必死に止めるが、ホークを殺し、 戻って来たジムに原住民がいると騙して、 グラスを穴の中に放り入れて去って行く。
ホークが殺されるのを見ながら、動けないグラスは ”息子は俺の全てだったのに、奴はそれを奪った。 死など恐れない、俺の愛はもう死んだから”と、 埋められた満身創痍の身体を必死に動かし穴から 這い上がり、死から蘇る。
彼はフィッツジェラルドに復讐を果たすため、 不自由な身体を鞭打って、厳しい冬の寒さに耐え、 インディアンの追跡を振り切り、 約300キロにわたる過酷な旅に出る……。
後は、見てのお楽しみ!
身体を張った迫真の演技でディカプリオが 主演男優賞を受賞。 イニャリトゥ監督が監督賞。 エマニュエル・ルベツキ撮影監督が撮影賞を受賞。 音楽の坂本龍一が受賞できなかったのは残念。
アクションはもさることながら、ディカプリオさんが インタビューで言ってますね。 ”照明なしですべてを自然光で撮ることも チャレンジだった。 1日6〜8時間リハーサルを行って、 『マジックアワー』と呼ばれる、わずか1時間半の 間だけ撮影を行うんだ。 まるで舞台劇をやっているようで、 アドレナリンが噴き出たよ。 だからこそ、こんな作品ができた”と。
そうなんだ〜、だから、 林立する木々を下から上へとの カメラアングル、微光の中の雄大な風景と、 自然の強烈な存在感。 暗闇の中、たき火の赤い炎のから立ち上る火の粉に クローズアップされた顔との対比の映像は 素晴らしいです。
又、その背景に流れる、坂本龍一の音楽との 一体感には見る者に感動を与えますね。
時間があれば、ぜひお出かけ下さい。
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グランドフィナーレ 2016年4月19日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の 「グランドフィナーレ/Youth 」。 原題の「Youth」は”若さ/元気”ですから、 本作は”若さ”を懐かしみ、人生の グランド‐フィナーレをいかに飾るかという映画でしょう。
キャッチコピーは ”美しいアルプスのホテル、引退した音楽家と そこに集うセレブ達が見つけた、人生の真実とは?”。 ”バカンスは終わり、人生が始まる”。
80歳になり、未来への希望もなく表舞台から退いた イギリス人作曲家で指揮者の フレッド(マイケル・ケイン)は、 娘のレナ(レイチェル・ワイズ)に親友の映画監督の ミック(ハーヴェイ・カイテル)と共に アルプスの高級ホテルで優雅に過ごしていた。
ある日、エリザベス女王の使者という男が 彼を訪ねて来る。 ”マエストロ、女王陛下はあなたの指揮による 「シンプル・ソング」の演奏をご所望です” ”できない” ”なぜ” ”私事だ”
フレッドの代表作を女王のために 演奏してほしいと依頼しに来たのだった。 ある理由からそれを断る。
 フレッドは ”私は終わったんだ、仕事も人生も”と、 レナが段取りしたマッサージやサウナや 健康診断を淡々とこなす日々だった。 又、60年来の親友、ミックとの昔話や、 ”今朝は勢いよく小便が出た” ”それは、めでたい”と、 本当は”チョロチョロ”としか出ないのに、 衰えていく身体の自慢話?などを楽しんでいた。
そんな中、フレッドが部屋に戻ると 夫のジュリアンと旅行に出かけたはずのレナが 夫に捨てられたと泣いているのを見て、 慰めるフレッドに ”パパは家族なんて眼中になかった。 音楽にすべて捧げて、何が残った?”と 責められ落ち込む。
一方、ミックも ブレンダ・モレル(ジェーン・フォンダ)に主演を 断られたミックの映画が製作中止に追い込まれる。 ガックリする二人。
”つまり、私は無意味に歳を重ねてきたのか 自分を愛せないまま”と、 嘆くフレッドに、ミックは ”バカを言え、お前の音楽は驚きや 新しい感動をもたらした”と鼓舞する。 ”君は正しいよ、私が理解できるのは音楽だけだ”。
フレッドはミックと娘のレナやホテルの滞在客との 交流を通し心境に微妙な変化が起きるのを感じる…。
監督がイタリアのパオロ・ソレンティーノですから、 美しいアルプスの景色と音楽と人生を 上手く組み合わせていますね。
私が一番気に入ったシーンは、 フレッドが、カウベルをつけた牛や羊がのんびりと エサを食んでいるのを見ながら、タクトを振ると 鳴き声とカウベルや鳥の声が見事に ハモってオーケストラになっていました。 もう一つは女性シンガーにして女優の パロマ・フェイスが本人役で登場しますが、 彼女のセクシーパフォーマンスには目が点になりました。
歳を重ねると自分の人生を振り返り、 自分の生き様はどうだったか、
折りに触れて考えることがありますが、 考えてみれば、過去だけなく、 まだこれからの未来も残っているのですから 皆さん、 ”若さ”を取り戻してグランドフィナーレを飾りましょう。 |

ルーム 2016年4月12日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「ルーム/ROOM」。 原作はアイルランド出身の作家エマ・ドナヒューの ベストセラー小説「部屋」を映画化。
88回アカデミー賞の主演女優賞を 母親役のブリー・ラーソンが受賞。 天窓の天使こと天才子役の ジェイコブ君にも与えて欲しかった。
キャッチコピーは ”はじめまして、[世界]”。
小さな[部屋]で暮らす、ママと5歳のジャック。 ”おはよう、ランプ。おはよう、卵へびくん。”と ジャックの一日は部屋にある物への挨拶から始まり、 2人でストレッチをして、TVを見て、ケーキを焼いて、 仲睦まじい親子の楽しい時間が過ぎていく。
”葉っぱはホンモノ、木はニセモノ、 テレビの人たちはニセモノ、ママはホンモノ”との ジャックのモノローグに、 アレ、おかしいなぁ〜と観客は気が付きますね。 そう、二人は明かりとりの天窓だけが外界とつなぐ、 この部屋に閉じ込められているのです。
ジャックが5歳の誕生日を迎える。 ”なんで誰も応えないの?” ”この「部屋」は誰も知らないの”
”アイツはホンモノ、たぶん”とジャック。 ”アイツ”とは、時々、夜中に オールド・ニック(ショーン・ブリジャース)と 呼ぶ男が訪れて服や食料を置いて行くのだが、 ジャックはママの言いつけ通りワードローブから出ない。
ママは17歳の時、誘拐され 閉じ込められてから 7年が経ったある日、[部屋]から1歩も出たことがない 息子に本当の世界を見せるために、逃げ出すことを決心する。 ”ジャック、聞いて、壁の外にも世界があるの” ”外って何?” ”あなたが生まれる前から、 ママはずっと閉じ込められてるの” ”外に出るチャンスよ、 アイツをだますのよ死んだふりをすれば、 アイツは外に捨てに行く、助けを呼んで…ママを助けて” ”こわいよ〜、”と死んだふりをして決死の脱出を試みる。
さて、二人はどのようにして脱出するのでしょうか?
いゃ〜、起承転結がはっきりしていて、 サスペンスタッチに加えて、親子の愛と、 ストーリーの展開がよく出来ていますね。
脱出してリアルな世界に戻るが、トラウマに陥るママと 見るもの聞くものが全てに驚くジャックが いかに現実に適応していくかが後半の物語。
ママの両親の”ばぁば”のナンシー(ジョアン・アレン)と ”じぃじ”のロバート(ウィリアム・H・メイシー)の 必死のサポートにママは納得出来ず逆らい、 泣きわめきながらお互いにぶつかり合いながら、 新しい生活を作り上げていく過程にも感動しました。
しかし、ジャック役のジェイコブ・トレンブレイは 声も顔も可愛いいし演技も上手い! レニー・アブラハム監督のジャック目線の映像は 現実の世界に適応していくジャックの気持ちを 巧く表現していて、自分がジャックになったようで、 画面に取り込まれていきました。
今年、一番のお薦めの映画です。
P.S 埼玉県朝霞市で女子中学生(15才)が行方不明になり、 約2年ぶりに保護された事件が先月末にありましたが、 本作を観て、誘拐、監禁をより現実味を感じたことでした。 |

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
2016年4月10日

映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の3Dで
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生/ Batman v Superman: Dawn of Justice」。
タイトルからして、何でと思いましたね。 ストーリー作りのネタに困って、ヒーロー同士の 対決にしたのでしょう。
キャッチコピーは ”なぜ、戦うのか”。
前半は、バットマンが何故、 スーパーマンに敵対するようになるか?
スーパーマン( ヘンリー・カヴィル)の スーパーパワーに人類は次第に ”制御出来ない力は脅威でしかない”と感じるようになる。
その原因はゾッド将軍との戦いにおいて 市街地を破壊したから、特に被害を被ったビルの中に ブルース・ウェイン(バットマン/ ベン・アフレック)の ビルが含まれていた。 市街戦で崩壊する自分ビルを見つめ、部下を救出しながら ”どうして?”とスーパーマンの力に疑問を抱くブルース。
 恋人のロイス・レイン(エイミー・アダムス)は 彼を支えるが、世論もスーパーマンを批判しだす。 スーパーマンの彫像に「ニセモノの神だ」という落書きも。 裏で世論を操るのはレックス・コープの社長で悪人の レックス・ルーサー(ジェシー・アイゼンバーグ)。
地球人の為に無料奉仕する、スーパーマンを 悪役に仕立てるのはちょっと、無理を感じましたね。 逆に、ダークナイト(闇の騎士)の異名を持つ バットマンが悪役に適役?ではと思いました。
ストーリーは別にして、 バットマンがスーパーマンに対抗するための肉体を鍛えて、 強化特殊スーツとかバットモービルの装備で挑む、 二人のバトルシーンは見応えがあります。 特に3Dだったので迫力満点で文句無し。
今回は二人のヒーローの他にスーパウーマンとして アマゾネス族の王女のダイアナ・プリンス (ワンダーウーマン/ガル・ガドット)が 登場していますが、彼女の役割は?
悪役のレックス・ルーサーに 「ソーシャル・ネットワーク」の あのジェシー・アイゼンバーグが演じているのは ビックリでした。悪人の若返りで、 ストーリーを盛り上げるためか?
そうそう、日本人俳優も登場しています。 レックス・ルーサーの秘書役の
マーシー・グレイブスとして、TAO。 又、スーパウーマンの養母・マーサ・ケント役で ダイアン・レイン。
監督はザック・スナイダー。 |

母よ、 2016年4月5日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「母よ、」。
「息子の部屋」の監督、ナンニ・モレッティが、
自身の体験を基に親の死を経験する主人公を
通して家族や人生について描く人間ドラマ。
キャッチコピーは
”今、母と向き合う愛しい時間”。
映画監督のマルゲリータ(マルゲリータ・ブイ)は、
仕事も私生活もスランプに陥っている。
恋人と別れ、撮影中の映画はうまくいかず、娘のリヴィアが反抗期真っただ中。
兄のジョヴァンニ(ナンニ・モレッティ)と一緒に、
入院中の母親アーダ(ジュリア・ラッツァリーニ)の世話もしていた。
さらには、自身が監督する映画に出演するアメリカ人俳優バリー(ジョン・タートゥーロ)と
うまくいかず、ストレスを抱えるようになってしまう。
そんなある日、マルゲリータは母親の余命宣告を知り、
貴重な家族との時間を過ごそうとするが…。
小津安二郎監督の映画を観て、この映画を見たので、
日本人とイタリア人の親子の描き方の差に驚きでした。
小津監督の映画が静だとしたら、
モレッティ監督の本作は動でしょう。
そのためか、画面のカット割りが多くて、
マルゲリータがいつも何かに対して怒っているので、
その不安な心情が伝わって来て居心地が悪かった。
逆に、マルゲリータの不安な心理状態を巧く映像化
しているとも言えるのだが。
劇中、マルゲリータが監督として、
”役に成り切るな、役に寄り添って”と演技者に 注文をつけるが、これは、本作での自分自身へ
投げかけている言葉のように思えました。
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僕だけがいない街 2016年3月29日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「僕だけがいない街」。 原作は三部けいのミステリーコミックを映画化。
自分の意志とは無関係に、身近で起きる事件の直前へと タイムスリップしてしまう特殊な力を 身につけた主人公が凶悪犯に挑む姿を描く。
キャッチコピーは
”愛する人を守るため、僕は18年前にリバイバル(巻き戻された)された”。
ピザ屋でアルバイトする売れない漫画家の藤沼悟(藤原達也)、29歳。
彼は、事件や事故に遭遇すると、その原因が発生する直前の時点に時間が 巻き戻る不思議な能力を持っていた。
しかし自ら“リバイバル”と呼ぶその現象はいつ起こるかも分からず、 彼にとっては迷惑な能力でしかなかった。
そのリバイバルとは?時間がある時点まで何度も巻き戻る現象で、 その直後に起こる事件や事故の原因に 悟が気づき、それを解決して未然に防ぐまで、 自分の意志とは関係なく同じ場面が 繰り返される現象。
つまり、本作のメインストーリーでは、 2006年の現在と過去1988年に起きた北海道小学生 連続誘拐殺人事件を自分の望む方向へ導くために 時間を逆行すること。
SF的に言えば、過去へタイムスリップして
そこで選択した結果がパラレルワールドになるといったところでしょう。
と言った説明は脇に置いといて、 悟はアルバイトのピザ屋での配達中にリバイバルする。 周囲の違和感を察知した彼は 交差点へ暴走するトラックから小学生を助けるが、 自分がはねられて病院へ搬送される。
心配して病院に付き添ってくれたのはバイト仲間の愛梨(有村架純)だった。
そんな中、悟が再びリバイバルに遭遇した時、 一緒にいた母・佐知子(石田ゆり子)が何かに気づく。 しかしその直後、佐知子は何者かに殺害されてしまう。
するとまたしても、リバイバルが起こり、 悟の意識は1988年のまだ小学生だった 悟(中川翼)の中で目覚める。 それは、同級生の雛月加代が被害者となった 連続誘拐殺人事件が起こる直前だった。
全ての鍵はこの事件にあると確信し、 雛月を守ってみせると決意する10歳の悟だったが…。
小学生時代の出来事がメインストーリーと なっていて子供役の彼らの演技が上手いので 本作をより面白くしていますね。
子供時代の舞台が函館なので母親役の 石田ゆり子さんは北海道弁を話すのだが、 北海道弁を知らない私ですが、下手だなぁと思いましたね。
でも、一つ覚えた言葉は別れ際の ”したっけ”です、が、どんな意味か解りますか?
確かに、過去を振り返ってみて、 ”あの時の別の選択をしていれば”と思うことは 今でも、後悔ではないですが、ありますね。
皆さん、もし、たら、ればとリバイバルしたい場面はありますか?
しかし、ラストシーンは意外だったなぁ〜。 だから、タイトルが「僕だけがいない街」なんだ。
監督は平川雄一朗 。
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エヴェレスト 神々の山嶺 2016年3月27日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の 「エヴェレスト 神々の山嶺」。
世界最高峰の山・エヴェレストに魅了された2人の男と、 その二人を愛した女性の物語をつづった夢枕獏の小説、 「神々の山嶺」を映画化した人間ドラマ。
キャッチコピーは ”生きて、必ず帰る”。
山岳カメラマンの深町誠(岡田准一)は、 カトマンドゥでエヴェレスト史上最大の謎を 解く可能性を秘めた古いカメラを発見する。
その謎とは、1924年、イギリス人登山家の マローリーとパートナーの アーヴィンが初登頂の途中で行方不明になるが、 実は登頂に成功していたのではないかと 議論を呼んでいた。
 だから、そのカメラのフィルムを発見すれば、 その謎は解けると深町は 失われたフィルムを追ううちに辿り着いたのは、 孤高の天才クライマー、 羽生丈二(阿部寛)の存在だった。
”山をやらないなら死んだも同じだ”と語り、 他人を寄せ付けない人生を送ってきた羽生が 取り憑かれた史上初の挑戦とは何なのか?
その目的に興味を持ち、 羽生の過去を調べるうち、 深町はその凄絶な生き様に飲み込まれてゆく。
そして、羽生に人生を翻弄されながらも 愛し続ける女性・岸涼子(尾野真千子)とも出会う。
標高8848m、氷点下50℃。呼吸すら困難な極限の世界。 垂直の壁が待ち受けるその場所で、 これまで誰も成し得なかった過酷な登攀に単身挑む羽生。
その挑戦を見届けようと後を追う深町。 男たちは自然の脅威の前に命を晒しながらも、 人間の限界を超えてただひたすら世界最高峰の頂を目指す。
彼らは生きて帰る事が出来るのか? その先には果たして、何があるのか……?
”なぜ、あなたはエベレストに登りたかったのか?”と 問われて”そこに山があるから”とのマロリー言葉は よく知られていますが、本作では羽生に、 ”ここに俺がいる、だから山に登る”と、 主体を”山”から”俺”と変えてのセリフは強烈です。 エベレスト南西壁の冬季単独無酸素初登頂を目指す、
彼の信念と言うより、狂気がうかがえます。
又、「氷壁」で有名なったザイルの問題も 羽生のエピソードとして取り上げていますね。 それは、岩峰岳で涼子の弟である、 パートナーの岸文太郎 ( 風間俊介)と登攀中に 文太郎が宙づりになった時羽生は自分が助かるために ザイルを切ったのではと、疑われているとか。
ストーリー構成がテンコ盛りで焦点が ボケた感じはしますが、何しろ標高5200mの 現地で撮影しただけに、 厳しい自然環境の中での登攀する岡田、阿部の 迫真の演技に加えて、エヴェレストの 荘厳で神々しい美しさは見る価値があります。
シェルパで羽生の奥さんの父親役の アン・ツェリン (テインレィ・ロンドゥッ)が 存在感がありました。
(羽生は現地で妻と子供がいました)。
エンディングで輝くエヴェレストに オーバーラップさせて、イル・ディーヴォが歌う、 ♪♪喜びのシンフォニー♪♪のが流れると、 ”ブラボー!”と喝采を送りましたよ。
監督 は 平山秀幸。 |

幸せをつかむ歌 2016年3月24日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の 「幸せをつかむ歌/RICKI AND THE FLASH」。 メリル・ストリープがエレキギターを弾き、 場末のロックシンガーンを演じて、 実の娘メイミー・ガマーと初共演の人間ドラマ。
キャッチコピーは "これは、私の母リッキー。
わたしが幼い頃、彼女はミュージシャンを夢見て、家族を捨てた。 そんな彼女を許すことはできない。だけど… ”私を救ったのは”大っ嫌いな母の歌声”でした”。
54歳のリッキー(メリル・ストリープ)は 家族を捨て、売れないバンドと共に ロサンゼルスの小さなライブハウスで ”私はリッキー・レンダーゾ”と 歌い、演奏する日々を送っていた。
ある日、別れた夫ピート(ケヴィン・クライン )から 電話を受ける。 ”何度も連絡した、娘のジュリーのことだ 夫に捨てられたんだ” ”何ですって?”
その上、自殺までしかけたと聞いた彼女は、 20年ぶりに家族が暮らすインディアナポリスを訪れる。
ピートの邸宅で、傷ついた娘の ジュリー(メイミー・ガマー)と再会。 だが28歳ジュリーは、母に捨てられ、夫にも捨てられ、 愛を失った彼女は母を嫌っていた。
しかも、その母は、 ジャラジャラとアクセサリーを身に着け、 革のジャケットに派手なメイクという姿。
そんな娘の力になりたいと思いながらも、 何一つ母親らしいことのできないリッキー。 話し合う二人、微妙にすれ違うお互いの気持ち。 ”人生は変化ばかり朝起きたら白髪になってたり 髪の毛じゃないけどね。”(下ネタ) ”私は一生その事実を背負っていくの あなたにもその覚悟はあるの?” ”普通の母親じゃなかったわ、私はミュージシャンだもの”
だが、過ぎ去った時間は簡単には埋まらなかった。 やがてリッキーは決意する。 ”今、私にできることを、子供たちに贈るわ”、 ”子が親を愛するのは義務じゃないけど、 親が子を愛するのは義務だわ”と、
今の自分にしかできない方法で娘の力になろう決心。 それは歌うこと。心から歌うことで、 自分らしく生きてこられた、 強くなれたと娘に伝えるために……。
実の娘との共演もさることながら、見所は メリル・ストリープがエレキギターを片手に 数々の名曲を生声でダイナミックにロックを 披露するシーンは拍手喝采ですね。
「マンマ・ミーヤ」でも歌は上手いななぁ〜と 思っていたが、66歳なのに、派手なパーフォマンスに ロックとは驚き、感動しました。
彼女の恋人役にロックミュージシャンの リック・スプリングフィールド が、 彼女の人生(音楽)をサポートしているのも良かった。
監督は「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ。
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リリーのすべて 2016年3月22日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
ベルギーの空港、地下鉄で同時テロのニュース。 ISが犯行声明を出しているが、 無差別殺人にどんな意義があるのでしょうね。 人間のやることには不可解な事が多いです。
今日の映画紹介は上映中の 「リリーのすべて/ The Danish Girl」。 1930年代に世界で初めて性別適合手術を受けた デンマーク人、リリー・エルベの実話を描く人間ドラマ。 自分の内側に潜んでいた女性の存在に 気付き苦悩する主人公と、女性化していく夫に どう向き合うか悩む妻の姿を描く映画。
キャッチコピーは ”あなたの愛で、本当の自分になれた”。 ”夫が女性として生きたいと願った時、 妻はすべてを受け入れた”。
舞台は1926年、デンマークのコペンハーゲン。 アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、 風景画で才能を評価されている新進気鋭の画家。 彼ほど有名ではなかったが、 妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)も 肖像画を専門にする画家だった。
 結婚6年目の夫妻は仲が良く、お互い絵を描きながら 励まし合い、愛し合っていた。 そんな中、ゲルダがバレエダンサーの ウラ(アンバー・ハード)の 肖像画を仕上げていた時のことだった。
ウラが来ないのでモデルになってほしいと頼まれた アイナーは、しぶしぶストッキングとサテンの靴を履き、 白いチュチュを腰に当ててポーズを取った。
彼は恥ずかしさの中に、ある感情が生まれたことに 気がつく。その瞬間から、 アイナーは自分の内側に潜んでいた女性が再び、 目覚めたのを意識するようになる。
男から女への意識の心理変化を表現するアイナーの 微妙な仕草さは、肌がぞわぞわとするくらい感動しました。 さすが、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞で 主演男優賞を取ったエディ・レッドメインですね。
そんな中、遅れて来たウラは女装したアイナーに 百合の花束を渡しながら言った言葉は、 ”あら、こんにちは、これからあなたはリリーね”。 以後、アイナーの分身は”リリー”と呼ばれるようになる。
アイナーの変化に気づいたゲルダは 芸術家の舞踏会に女性として出席するように勧める。 アイナーは、ゲルダの助けで女装して ”アイナーの従妹のリリー”として舞踏会に出席する。
初めは遊びのつもりだった二人だが、 ”リリー”の存在が大きくなり、夫としてのアイナーが 消滅するの気がついたゲルダはアイナーに懇願する。 ”リリーになるのはもうやめて。 私たちはゲームをしていただけなのだから”と。
又、二人の馴れ初めの会話からも ゲルダは彼の中の女性を感じ取っていますね。 ”初めて会った時、彼女が誘ってきた” ”彼はとてもシャイで、ミステリアスだった。 初めてのキスの時、私(女)を感じた”と。
男から女への変化していく過程を悩みながらも 女としての喜びに陶酔していく彼の心理状態を 視覚化した表現力は、見る者を圧倒していきます。
アイナーが美しくなるに従って、 アイナーとゲルダの苦悩が画面から伝わって来て、 見ていて息苦しくなりますが、監督は上手いですね。 ちゃ〜んと背景を絵画のように 美しいフレームの中に納めて、俳優を演じさせているので、 場面が変わるごとにホッとします。
性的少数者(LGBT)やトランスゼンダーの言葉も 無い時代に本当の自分を発見した喜びと不安を抱えて、 世界で初めての手術に挑戦するアイナーと、
又、リリーの存在に反発しながらも ゲルダのアイナーを思う心情と共に 美しい衣裳と景色が見事に 織りなした崇高なラブストーリーでした。
第88回アカデミー賞では4部門にノミネートされ、 アリシア・ヴィキャンデルが見事、助演女優賞に輝く。 監督は「英国王のスピーチ」、「レ・ミゼラブル』の 巨匠トム・フーパー。
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家族はつらいよ 2016年3月17日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
桜の開花もちらりほらりと聞こえてきました。
さぁ〜、花見て一杯!
”酒なくてなんのこの世の桜かな”と、
楽しい季節がやってきました。
今日の映画紹介は上映中の「家族はつらいよ」。
先週、紹介した「東京家族」で一家を演じた
橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優ら8人のキャストが
再結集して現代に生きる新たな一家を成して
熟年夫婦の離婚騒動をめぐって織り成す人間模様を描く。
キャッチコピーは
”妻よ笑顔を下さい。夫よ離婚を下さい。”。
”妻が欲しかった誕生日プレゼントは「離婚届」!?”。
初秋。東京の郊外で三世代同居の平田家の
主・周造(橋爪功)は引退してゴルフと酒三昧と
悠々自適の忙しい日々を過ごしていた。
今日も今日とて、仲間とゴルフの後、
美人女将・かよ(風吹ジュン)がいる小料理屋で
散々女房の悪口を言って上機嫌で帰宅。
長男・幸之助(西村雅彦)の嫁・史枝(夏川結衣)
は酔っぱらって帰って来た周造に笑顔で付き合う。

妻の富子(吉行和子)もまたそんな夫を優しく迎える。
寝室で着替え中に飾られたバラの花瓶を見て
”その花どうした”と尋ねる。
通ってる創作教室の仲間からのプレゼントだと聞いて、
富子の誕生日をすっかり忘れていた周造だったが、
何かプレゼントに欲しいものがないかと聞くと
富子は離婚届を持って来て、印鑑を押してくれと渡す。
突然の申し出に茫然とする周造だった…。
いやぁ〜、周造の気持ちはよく判ります。
自分に貞淑な妻が、突然、反旗を翻すのですからね。
アタフタする周造、さぁ〜、どうする周造。
このまま捨てられてしまうのか。
こうして、突然起きたまさかの“離婚騒動”に
家族はてんやわんやの大騒動!
秋晴れの日曜日。全員集合で集まった家族は、
周造と富子、幸之助と史枝に
会計事務所を経営する長女・成子(中嶋朋子)と
その仕事を手伝う、夫・泰蔵(林家正蔵)が集まって来る。
又、この日が家族会議だと知らなかった
次男の庄太(妻夫木聡)が家族に恋人を紹介するため
憲子(蒼井優)を連れてくる。
なんだかんだで本題に入れないない中、
ようやく、家族会議が始まる。
だが幸之助と成子が口論を始め、
ついには史枝、庄太、泰蔵まで巻き込まれ、
皆、勝手なことを言い出して、会議は大荒れ。
やがて富子の思いがけない本音がこぼれる。
”お父さんと一緒にいるのが私のストレスなの”と、
真っ青になった周造は叫ぶ、
”被害者は俺だ、俺は被害者だぞ!”と。
そんな中、事態は更に思いもよらぬことに…。

”この最高のアンサンブルで、今度は現代の家族を
”喜劇”で描きたい”という山田監督の意気込みが
そのまま、ストレートに伝わって来て、
笑いの中にペーソスが漂う人情劇に仕上がってますね。
インタービューでも言っています。
”男であり女であり人間であることは
難儀で厄介なことです。
でも何とか生きていかないといけない”と。
振り返って、自分の家族を見ても、
そうだなぁ〜と実感しながら
笑って、ホロリとして泣き笑いでした。
アドラーの心理学で言えば、
”あらゆる悩みは対人関係から発する”と、
家族だけに限らず、社会生活においてもしかり。
又、”自分が自分の人生を生きなければ、
誰が自分の人生を生きるのか”の言葉も
富子の心理状態を現しているようで、
笑いの中にも深遠な考えがあるのではと、
少し、難しく考えたことでした。
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マネー・ショート 華麗なる大逆転
/The Big Short 2016年3月10日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は
「マネー・ショート 華麗なる大逆転/The Big Short」。
「マネー・ボール」のマイケル・ルイスの原作者である
「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」を映画化。
2008年9月、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの
破たんによって起きた世界的金融危機。
それらをいち早く予見し、
米国の住宅バブルの背後で住宅ローンの
値下がりに賭けて大もうけした4人のトレーダーたちの
実話をベースにした人間ドラマ。
キャッチコピーは
”これがリーマンショックの真実だ!!”。
2005年、
へヴィメタルをこよなく愛する金融トレーダーの
マイケル(クリスチャン・ベール)は、
不動産抵当証券を調査している時、
返済の見込みの少ない住宅ローンを
含む金融商品(サブプライム・ローン)が数年以内に
債務不履行に陥る可能性があることに気付く。
”マイケル、どうした?”
”面白いことが起きるぞ、
住宅ローン市場が焦げ付く、市場崩壊だ”
”住宅市場は安定している”
”時限爆弾だ”
”靴も履いてないやつに、何が予測できる?”
”まぁ、見てなよ”

しかし、その予測はウォール街の銀行家や
政府の金融監督機関からまったく相手にされなかった。
そんななか、マイケルは
“CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)”という
金融取引に目をつけ、投資銀行と契約を結ぶ。
同じころ、マイケルの戦略を察知したウォール街の
銀行家ジャレット(ライアン・ゴズリング)は、
信用力の低い低所得者に頭金なしで住宅ローンを
組ませている大手銀行に不信感を募らせる
ヘッジファンド・マネージャーの
マーク(スティーブ・カレル)を説得し、
“CDS”の購入を勧める。
”銀行はまだ、予測出来ていない、裏をかくんだ”
”奴らの愚かさを利用する”
”「銀行」と言うより、「愚行」だな”
”もはや、詐欺だな”
また、今は一線を退いた伝説の銀行家である
ベン(ブラット・ピット)は、この住宅バブルを好機と
捉えウォール街で地位を築こうと野心に燃える
投資家の二人から相談を持ち掛けられる。
ベンは自分のコネクションを使って、
彼らのウォール街への挑戦を後押しすることを決意する。
三年後、住宅ローンの破綻を
きっかけに市場崩壊の兆候が表れ、
マイケル、マーク、ジャレット、ベンは、
ついに大勝負に出る……。
本作は頭脳的アクション映画ですね。
丁々発止のやり取りは、ゲーム感覚で面白かったが
専門用語は門外漢で、理解出来なかったが
巨額の金が動く裏には、我々庶民が被害者だという
ことを、もう少し描いて欲しかった。
翻って見ると、
現に中国では景気が悪くなり、「鬼城(ゴーストタウン)」が
増えるにつれ、習近平政権は頭金がゼロでも
売れ残りのマンションを売るように指導している。
これは少額の資金でマンションを買える”レバレッジ”の方法で
これも”サブプライムローン”と同じ方法です。
歴史に学ばず、同じことを繰り返すのは
人間の性でしょうが、
中国がこけると、全世界の景気が
一段と悪くなるので心配です。
日銀のマイナス金利政策にも危ういものを感じますね。
マイナス金利なんて、銀行の存在価値は無いと思います。
金融商品には、いろいろ種類がありますが、
素人には判りにくく、儲けるのは銀行、トレーダーとか
一部の人だけでしょう。
と、映画を観ていろいろ思ったことでした。
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マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 /The Second Best Exotic Marigold Hote 2016年3月8日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
BSプレミアムで23:15から
「第88回アカデミー賞の授賞式総集編」が
放映されます。観ていない方はぜひ、どうぞ。
今日の映画紹介は上映中の
「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章
/The Second Best Exotic Marigold Hotel」。
原作はデボラ・モガーの小説を映画化。
2011年製作の
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の続編。
マリーゴールドの花言葉は、
ネガティブな「嫉妬」、「絶望」、「悲しみ」と
ポジティブな「勇者」、「悪を挫く」、「健康」と
相反する花言葉を持っています。
この映画はマリーゴールドのような、映画でした。
彼等は自分の人生の最終コーナーとなる
このホテルで、花言葉のように自分の経験を
通して花を咲かせることが出来るのでしょうかね。
キャッチコピーは
”インドの太陽が微笑んだ。<今>が人生最高のとき”。
インドの古都にある“マリーゴールド・ホテル”ホテル。
普通のホテルと少し違うのは、宿泊しているのは
英国からやって来た長期滞在の高齢者ばかり。
ホテルでの毎朝は、青年支配人の
ソニー(デヴ・パテル)が夜中に突然死した客が
いないか確認するために一人一人の名前を呼んで、
点呼して生存確認をすることで一日が始まる。
ソニーは、恋人スナイナ(テーナ・デサイー)との
結婚を前にして、新館をオープンするために、
アメリカへ投資依頼へ飛んで、投資会社・社長の
タイ・バーリー(デヴィッド・ストラザーン)に
何とか融資をと懇願する。
同行した、宿泊客から共同マネージャーになった
ミュリエル(マギー・スミス)は、融資の話はしないで
ティーバッグと生ぬるいお湯を出され、
こんな物は紅茶ではないと熱弁をふるう。
しかし、社長の最終決定は、
身分を伏せた鑑定人による評価に委ねられることに。
住人の5人は歳はとっていても、それぞれの仕事に
恋愛にと、飛び回っていた。
イヴリン(ジュディ・デンチ)は生地の買い付けの
才能を生かしたビジネスチャンスを手にするが、
互いに好意を抱くダグラス(ビル・ナイ)との関係を
前に進める勇気はなかった。
又、79歳の自分の体力に自信がなく、
仕事に不安を抱いていた。
一方、ダグラスも観光ガイドをしていたが、
自分に自信が持てずにいた。
あとの二人、ノーマン(ロナルド・ピックアップ)と
マッジ(セリア・イムリー)は、経営を任された
外国人クラブの不振と恋愛問題と不倫に悩んでいた。

そんなある日、ホテルに謎めいた客の
ガイ・チェンバーズ(リチャード・ギア)がやって来る。
出会いを求めていた女性陣は男前な彼の登場に
”卵巣がうずく”と色めき立つが……。
インドの街独特の騒々しさとパワフルな住民を見ると、
次の時代はインドだなぁ〜、と思いました。
映画では勿論、あのボリウッドダンスも
登場、結婚式でのダンスシーンは楽しくて、
ボリューム充分。これだけでも観る価値がありますね。
人生はいつでも変えられし、いくつになってもやり直せると。
”今が最高の時”と信じて、生きることだと教えているようです。
シニア必見の映画です。
監督はジョン・マッデン。
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X-ミッション/POINT BREAK 2016年3月1日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の
「X-ミッション/POINT BREAK」。
キアヌ・リーブス主演で1991年の映画、
「ハートブルー」をエリクソン・コア監督がリメイク。
キャッチコピーは
”史上初!世界のトップアスリートが、
ノーCGで繰り広げる、前代未聞の最強マジガチ、
爽快アクション!”。
かつてX-スポーツの世界で活躍していた
ジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)は、
自分の無理なバイクスタントで
友人を死なせたのを気に病んで引退する。
今は、猛勉強の末、
FBI捜査官になる訓練を受けていた。
そんな中、驚異的な身体能力で
奇妙な犯罪を犯す集団の存在を知る。
”犯人はどんな奴らだ”
”犯人はエクストリーム・アスリートです”
ユタは彼らが自然に敬意を示すための究極の
“オザキ8”と呼ばれる8つのミッションの達成を
目指しているアスリートである事を見抜く。
犯人たちが巨大な波の起こるフランス沖に
現れると予想したユタは、サーファーとして彼らに挑む。
”特殊なスキルを持つ、死も恐れない集団だ”
”命がけの潜入捜査になるぞ、潜入、出来るか?”と
心配する上司の言葉を背に受けて、X-スポーツの
カリスマのボーディ(エドガー・ラミレス)
率いる犯人グループへ潜入して捜査することに…。
アップテンポなサウンドに乗って、
超特大の波をすべりまくるサーフィン。
超高速で鳥のように空を飛び降りる
ウィングスーツ・フライング。
超絶壁を滑走するスノーボード。
断崖絶壁のハングオーバーなど、なんのそのと
フリー・ロッククライミング。
高山の尾根道を爆走して飛翔するモトクロスなど
生身のアクションもミッションも
全てが極限(エクストリーム)。
CGなしのスクリーンは新鮮でした。
人間の限りない自然に対して生身の挑戦には驚きを
通り越して爽快感が身体に満ちて来ますね。
潜入捜査という、ストーリーはありますが、
それはさておいて、自然の素晴らしさ、人間の身体能力の
素晴らしさを楽しんで下さい。
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ザ・ブリザード/The Finest Hours

映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の「ザ・ブリザード」。 1952年(昭和27年)、海難史に残る最大級の < 真冬の嵐(ブリザード)>に遭遇して沈没した タンカーの救出劇。 アメリカ沿岸警備隊で 語り継がれる救出の実話を映画化。
舞台は、1952年2月のマサチューセッツ州の ケープコッド沖だが、前半は主人公のラブストーリー。 ここら辺の、青春物語風の出だしは良く考えてありますね。
若き沿岸警備隊員のバーニー(クリス・パイン)は 女性に対しては奥手の内気な青年。電話だけの交際相手の ミリアム(ホリデー・グレンジャー)と初デート。 意気投合した二人だが、結婚をためらうバーニー。
その日、風速40m超えの吹雪と20mの高波に襲われる 巨大タンカーのペンドルトン号。 機関士のシーバート((ケイシー・アフレック)は ”船体に大きな亀裂が、修復不能…”と 船長に報告したその時、大波の直撃で真っ二つに。 船首部分はあっという間に大波に飲み込まれる。
 後部に残った32名はシーバートをリーダーとして 必死に船を操り、浅瀬に座礁させて時間を稼ぎ、 救助を待つことに全力を尽くす。
一方、緊急信号を受信した沿岸警備隊の 新任の司令官はバニーに ”乗組員を募って救出に向かえ”と命令する。 ”Yes Sir”とバニーは3人の仲間と小型救助艇で ”我々は決してあきらめない、誰も死なせない”と 意気込むが、仲間達自身も、 ”こんな小さな船で救出に?” ”逆に救出されるかもな、大波が来たら終わりだ、 何度も襲ってくる。誰一人助からない”と 疑心暗鬼で出航する。
さて、定員12人の小型救助艇で出動するも、波は高く、凍てつくような寒さで、
大波でコンパスを失ってしまうなかで、32名の生存者をどうやって救出するのか?
CGを駆使しての、嵐のシーンは迫力満点。クリス・パインがインタービューで ”古い造船所を使って撮影した。戦時中に 稼働していた場所だ。アメフト場の半分くらいの 大きさのプールに船のセットを置いて”
”撮影中はずっと、消防用のホースで水をかけられていたよ”と言っていますが、 遭難した船内を詳細に復元したセットが素晴らしい。
船体が裂けて、海水が流れ込むシーンや船体の内部が破壊されるシーンは現場で 撮影したようでリアルな映像は迫力満点。
極限の状態で絶体絶命の窮地に陥ったと時、あなたはどうしますか?
”諦める”か、”最後まで悪あがきする”か どちらを選びますか? 私は最後まで諦めずに悪あがきしますね。
監督はクレイグ・ギレスピー。 |

クーパー家の晩餐会/LOVE THE COOPERS
2016年2月16日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の
「クーパー家の晩餐会/LOVE THE COOPERS 」。
年に1度、クリスマスに家族全員が集まるクーパー家。
幸せな休日に、皆が見せる満面の笑み……。
だが、彼らは笑顔の下にそれぞれ秘密を隠していた。
「アイ・アム・サム」のジェシー・ネルソン監督が
それぞれ秘密を抱えた4世代11人にプラス一匹の
家族の晩餐会の模様をユーモアたっぷりに描く
ハート・ウォーミングな家族ドラマ。
家族全員の秘密を知っているのは犬のラグスだけ。
と言うことで、ラグスのナレーションで映画は進行していきます。
キャッチコピーは
”年に一度の一族の晩餐会。どうかデザートまで、嘘がばれませんように”。
まず最初に登場するのはクーパー夫妻。この日を最後に、離婚を決意している夫妻。
父・サム(ジョン・グッドマン)と母・シャーロット(ダイアン・キートン)
明日、離婚すると決めているが、シャーロットは
”最後のクリスマスだから、完璧にしたいの”
”最高のクリスマスを!”と意気込むが…。
娘・エレノア(オリヴィア・ワイルド)は不倫の恋を隠すため、空港で出会った
ジョー(ジェイク・レイシー)に
”お願いがあるの、一晩だけ、恋人になって”と晩餐会に連れて行く。
息子・ハンク(エド・ヘルムズ)は、
”どん底だなぁ”とぼやきながら、
クリスマス前に失業したことを言い出せずにいた。
シャーロットの妹のエマ(マリサ・トメイ)は
完璧な姉にいつも嫉妬していて、お金をケチり、
クリスマスプレゼントにとブローチを口の中に入れて
万引きしょうとして逮捕されてしまう。
”万引きなんて誤解よ”と警官に抗議するが…。
祖父・バッキー(アラン・アーキン)の頭の中は、
お気に入りのウェイトレスの
ルビー(アマンダ・セイフライド)が辞めると聞いて
彼女のことでいっぱい……。
さてさて、クーパー家秘伝のレシピによるごちそうが並び、いよいよ幕を開ける晩餐会。
ところが、予期せぬハプニングから、みんなの嘘が次々とバレていく。
果たして、最悪のディナーの、最高に美味しい結末とは…?
監督がブリューゲルの「雪の中の狩人」を意識したという雪景色の描写が秀逸。
例えば、室内で寛ぐ家族と窓の外の青みがかった雪景色とバランスが絶妙!
ナレーター?のラグスは大阪生まれだとか、なかなかの演技でした。
本作はクリスマス映画ですね。
クリスマスソングを始め、場面ごとの挿入歌は場面を盛り上げていました。
年末に上映すれば、もっと入場者を増やせたの。仕入れの関係でしょうか?
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キャロル 2016年2月16日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の「キャロル/Carol」。
1950年代ニューヨークを舞台に
女同士の美しい恋を描いた恋愛ドラマ。
原作は「太陽がいっぱい」の作者である
アメリカの女性作家パトリシア・ハイスミスが
52年に発表した小説『The Price of Salt』。
”本年度アカデミー賞最有力!!”の宣伝文句につられて観に行きました。
キャッチコピーは
”このうえもなく美しく、このうえもなく不幸な人、キャロル。
あなたが私を変えた”。
1950年代、冬のニューヨーク。
将来は写真家になることを夢見て、デパートで
アルバイトをするテレーズ(ルーニー・マーラ)。
クリスマスを目前に賑わうデパートの玩具売り場で、
テレーズは娘の為に鉄道模型を買う
キャロル・エアード(ケイト・ブランシェット)の相手をする。
キャロルを一目見たテレーズは
鮮やかな金髪、艶めいた赤い唇、真っ白な肌、
ゴージャスな毛皮を優雅に着こなす彼女に魅せられ、憧れる。
ショーウィンドーに置き忘れた手袋をテレーズが
届けたのをきっかけに、キャロルは彼女を昼食に誘い、そして自宅に招待する。
キャロルに迎い入れられて、話すうちに
恋人リチャード(ジェイク・レイシー)と逢う時とは
違う自分の感情の動きに戸惑うテレーズ。
キャロルは彼女に、関係の冷めた夫の
ハージ(カイル・チャンドラー)と娘の親権問題で
離婚訴訟中で、不幸な結婚、偽りの人生をテレーズに話す。
それを機にふたりの関係は急速に濃密なものとなってゆく。
「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェットと
「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラとの
共演も話題となっていますが、
当時のニューヨークの魅惑的な衣装に場面に相応しい
名曲の数々に加えて流麗なカメラワークは
16mmフィルムを使って撮影しているので、
画面が当時の様子をリアルに再現しています。
これ等の舞台設定が整っているから、二人の微妙に揺れ動く、 心理状態が観客に伝わって来るのでしょう。
特に二人が情を交わすシーンは情熱的だけど、
肉体と共に、精神をも見事に映像化していてますね。
同性愛を丁寧に描いて、純愛に昇華させて、
両性愛者のキャロルの葛藤する心の動きを
見る者に緊張感をもたらす展開はさすが、トッド・ヘインズ監督です。
ケイト・ブランシェット(46歳)は容姿も174cmと長身のスタイルも抜群、
演技力はアカデミー主演女優賞等受賞と折り紙付きの素晴らしい女優です。
一方、テレーズ役のマーラは第68回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞。
さて、お互いに悩みながら、
二人はどう、最後の決断をするのでしょうか?
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オデッセイ 2016年2月11日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日は「聖バレンタインデー」。
チョコレートを貰った人も貰えなかった人も
あげた人も、甘いチョコレートを食べて、
それなりにお楽しみ下さい。
今日の映画紹介は上映中の「オデッセイ」。
原作はアンディ・ウィアーの
ベストセラー小説「火星の人 /The Martian」。
極限状態の中でも人間性を失わず、
地球帰還への希望をもって生き続ける
主人公マーク・ワトニーをマット・デイモンが演じ、
初タッグを組む監督は「エイリアン」、
「ブレードランナー」などの
SF映画の巨匠リドリー・スコット。
SF映画+サバイバル映画。
私が子供のころは、「ロビンソン・クルーソ」とか
「15少年漂流記」など、絶海の孤島がサバイバルの
舞台でしたが、今は地球から2億2530万kmの
彼方にある火星ですから、スケールが大きいですね。
それも、外気温は-55℃、酸素はほどんど無し、
水無し、通信手段無し、最大風速は400km、
食料は31日分、NASAが救助に来るまで4年間と
苛酷な条件の中で火星に取り残されたワトニーは
どう生き延びるのでしょうか?
キャッチコピーは
”70億人が彼の還りを待っている”。
人類3度目の火星探査で砂漠の鉱物資源調査中に
突然襲われた猛烈な砂嵐のため、
乗組員6名のクルーのうち、
マーク・ワトニー(マット・デイモン)は、
飛来して来た通信アンテナの破片と共に吹き飛ばされる。

砂嵐の中、必死の捜索を続ける指揮官の
メリッサ・ルイス船長(ジェシカ・チャステイン)
だったが、
ワトニーを発見できず、やむなく離陸を決断。
ワトニーは死亡と判断され、
NASAのサンダース長官(ジェフ・ダニエルズ)は
記者会見で彼の死亡を発表する。
しかし、ワトニーは腹部を負傷しながらも生きていた。
辛うじて人口住居施設“ハブ”に帰還した彼は、
次の探査ミッションが来るまでの4年間、
生き抜くための手段を考えるのだった。
残された食料、機材から、生きるために
まず酸素や水を作り出さなければならないと、
ワトニーは持っている知識、技術を総動員して
持ち前のポジティブ思考で生き延びる。
NASAが実用化している
「居住設備」、「農場」、「水再生システム」、
「酸素供給設備」、「火星用宇宙服」、「ローバー」、
「イオン推進装置」、「太陽光発電パネル」などの
設備や装備、技術を見事に再現しているので
内容のリアリティは申し分ないですね。
CGの技術の進歩もすばらしく、
今迄は画面を暗くして動きをちょっと
誤魔化しているなぁと感じたこともありますが、
本作では画面も明るく、
宇宙空間に浮かぶ宇宙船「オリオン」は優雅で
無重力で動き回るクルーの動きはスムーズで
その躍動感は文章では言い表せないくらい素晴らしかった。
さすが、3D映像です。
もう一つ関心があったのは火星の重力の表現。
火星の重力は地球の重力の40%ですから、
この重力を映画では、ワトニーが宇宙服の重みで
40%の重力は相殺されるという設定にして、
宇宙服を着ている時は普通の動きで演技が
出来るということでした。
ちゃ〜んと、理屈付けが出来ているのには感心しました。
単にサバイバルにせず、彼の救出のため
彼を火星に置き去りにしてしまった事を悔やむ
宇宙船のクルーとミッションをバックアップする
人々の葛藤や友情を描いているのでストーリーを
より面白くしていますね。
ワトニーは孤独な生活を癒すため、船長の私物からディスクミュージックを
捜して、BGMに使うが、その曲はセルマ・ヒューストンの
♪♪Don't Leave Me This Way♪♪にデビット・ボウイの♪♪スターマン♪♪と
曲とストーリーをシンクロさせていますね。
中国が秘密にしていた技術を提供して救出に
手を貸すところは現在の中国の潜在力を意識してのことでしょう。
邦題の「オデッセイ」タイトルもいいですね。
原題の「The Martian/火星人」よりも、
ホーマー の叙事詩同様の”長い旅”のイメージが
伝わってきます。
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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります 2016年2月9日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日の映画紹介は上映中の
「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」。
原作はジル・シメント「眺めのいい部屋売ります」。
キャッチコピーは
”人生もリノベーショしてみませんか?”。
”renovation"の意味は建築物の改造について
言うことが多いのですが、ここでは刷新、改善の意味ですが、
夫婦はどのようにリノベーションするのでしょうか?
ニューヨーク・ブルックリンのアパートメントの最上階に新婚以来40年、暮らしている画家の
アレックス(モーガン・フリーマン)と元教師の妻のルース(ダイアン・キートン)。
街を見渡せて、眺めも日当たりも良い部屋で夫婦は
何の不満もなかったが、エレベーターがないため、
最近、アレックスには5階までの階段の上り下りが辛くなってきた。
そんな夫を気遣い、不動産仲介業をしている姪の
シンシア・ニクソン(リリー・ポートマン)に頼んで、部屋を売り、売ったお金で
引っ越しをしようと、計画するルース。
妻の考えに承諾したものの、本当は家を売りたくないアレックス。
売るべきか?売らざるべきか?悩むアレックス。
結局、部屋は売りに出すこととなり、内覧希望者も殺到するが、
内覧日の前日に愛犬ドロシーが急病になり、手術することになり、
さらに近所でテロ騒動が勃発。 2人はドタバタ騒ぎのなか、決断を迫られる
週末を迎えることとなる。
モーガン・フリーマンとダイアン・キートンの初めての
共演ということでしたが、期待に違わず、さすが、
大物俳優の二人。
熟年カップルをチャーミングに鮮やかに演じています。
ダイアン・キートンと言えば、すぐに
『恋愛適齢期』を思い出しますが、
彼女も70歳なのに若く見えますね。
ウディ・アレン、ウォーレン・ベイティ、
アル・パチーノと一流スターとパートナーとして
暮らして来たからでしょうか。
「アニー・ホール」でアカデミー主演女優賞を受賞しています。
映画を見て思った事は、長い人生、私達シニアにも
住まいのことを考えると、引っ越しするか、
バリアフリーにするか、子供達の世話になるか等、いろいろ考えますね。
アレックスとルースの苦楽を共にした
40年間を、この部屋にまつわるエピソードとして
フラッシュバックで見せる手法はアレックスの思いを強く印象づけていました。
監督はリチャード・ロンクレイン。
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さらば あぶない刑事 2016年2月2日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
今日は”立春”、天気も快晴! ”春、たちぬ”の言葉だけでも、気持ちが暖かくなりますね。
今日の映画紹介は上映中の「さらば あぶない刑事」。 「あぶない刑事」シリーズで、 テレビドラマが1986年(昭和61年)放送されて、 劇場版としては2005年の前作「まだまだあぶない刑事」 以来およそ第7作目になり、10年ぶりの新作。
キャッチコピーに ”泣くなよ絶対。とびきりハデにサラバだぜ”と ”ジョークでサラバは、言わないぜ”とあるように、 本当にシリーズ最後ですから、ファンとしては必見の映画。
主人公は女性に優しく悪を許さぬ”タカ”ことダンディー鷹山(舘ひろし)。 弱いものを見れば放っておけない正義漢あふれる ”ユージ”ことセクシー大下(柴田恭兵)。
定年退職まであと5日となった横浜港署捜査課のタカとユージは、 かつて2人が壊滅した銀星会の残党の伊能を
追って、危険ドラッグ・覚せい剤・拳銃の取引の現場へ2人だけで突入する。
そんな二人を心配した捜査課課長・透(仲村トオル)は 定年の日までバッジと拳銃を取り上げる。
そんな中に現れたのは横浜の闇市場を暴力で牛耳り縄張りを広げる 中国、ロシアと中南米マフィア。
中でも、中南米の凶悪な犯罪組織「BOB」を率いる
キョウイチ・ガルシア(吉川晃司)は横浜を牛耳ることを目論む。
 ユージは”長く居すぎたな…この街に”、 タカは”いつかは別れる時が来るさ…”と つぶやく二人の定年後の夢は タカは最愛の恋人・夏海(菜々緒)と ニュージーランドで生活すること。 ユージは結婚して家庭を持つことを夢みるが、 さて二人は無事に退職の日を迎えることが出来るのか?
ガルシア役の吉川晃司が存在感を見せていますね。 私は「下町ロケット」の財前部長との落差に ビックリでしたが、バイクでのアクションは
猛練習してタカに闘いを挑んだだけに迫力がありました。
”あぶデカ”の売り物だった、タカがハーレーダビッドソンの乗り、ハンドルから 手を放して、ぶっ放すショットガンの場面に、 ユージがあの名曲♪♪RUNNING SHOT♪♪をBGMにして 激走するランニングシーンも健在でした。
タカ(65歳)、ユージ(64歳)とお歳だったのでちょっと心配でしたが、 歳を感じさせない身体のキレでした。
そうそう、レギュラーメンバのカオル(浅野温子)の
ハイテンションのパフォーマンスにあり得ない衣裳が花を添えていました?
監督は「もっともあぶない刑事」、「あぶない刑事リターンズ」の村川透。
BS日テレで2016年2月5日(金)の19:00から 記念すべき一作目の「劇場版 あぶない刑事」 が 放送されます。「あぶデカ」ファンには見逃せない映画。 |

信長協奏曲 2016年1月26日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
今日の映画紹介は上映中の「信長協奏曲」。 原作は石井あゆみの同名のコミック。 2014年にフジテレビ開局55周年プロジェクトとして テレビアニメ・実写テレビドラマ・実写映画の 同時企画されていた作品。 現在もテレビドラマは再放送中なので、テレビを見て、 映画を観るとストーリーの展開が良く判りますね。
キャッチコピーは ”いつの時代も、やっぱ平和が一番でしょ!”。
主役のサブロー(小栗旬 )は 勉強嫌いで、 歴史に全く興味がない普通の高校生。 (歴史嫌い言う、ここがポインですね)。
彼はいやなことがあると、腹痛を起こし、 すぐ逃げ出すのが得意。この度も逃げる途中で、 塀を乗り越えそこない落下。落ちたところは戦国時代。
そこえへ通りかかった織田信長は自分と“うり二つ”の サブローと出会い、病弱を自覚していて、 戦国乱世に生きてはいけないと、タイムスリップしてきた、 サブローに”わしの身代わりになれ”と頼み込む。
史実がどうのこうのと言わずに、あの織田信長に タイムスリップした高校生がなり、 戦国時代に放り出されたどうなるかという、 奇想天外な設定を楽しみましょう。
 歴史上の事実をうまく絡ませて、物語を、 あれよあれよと言う間に展開させていくので 観る方は、”それは無いだろう”と思いながら も引き込まれていきます。
はじめは逃げ腰だったサブローが戦の 悲惨さに驚き、悲しみ、戦いのない世を作ろうと 「ピース」を旗印にして、裏切り、暗殺、陰謀が渦巻く中、 妻の帰蝶(柴咲コウ)や家臣の恒興(向井理)の助けも得て、 次第に成長?していく成長物語の映画の一面もあります。
一方、本物の信長も明智光秀と名を変えてサブローの 家来となっていたが、家臣や帰蝶から慕われる彼に 嫉妬して憎しみを抱いていく。 又、信長を敵と狙う秀吉(山田孝之)と サブローを敵視する布陣を敷き物語を面白くしています。
何と言っても桶狭間、上洛、金ヶ崎、浅井朝倉との 確執などをサブロー流のやり方で結果を 史実と一致させていることが、映画をリアルに見せています。
さて、クライマックスシーンは安土城の完成と 天下統一を目前にして、帰蝶との結婚式を挙げるために
サブローは京都・本能寺へ。そこへ、明智光秀(本物の織田信長)は
サブロー(偽物の織田信長)へ襲いかかるが、 サブローは、彼に討たれるのだろうか? 又、虎視眈々と織田信長を狙う秀吉も行動を起こす。
結末はどうなるでしょうか?見てのお楽しみ! |

シーズンズ2万年の地球旅行 2016年1月28日

映画ファンの皆さん、今晩は〜! 甘利経済再生担当相は28日夜の会見で、 閣僚辞任の意向を表明のニュース。 阿部内閣にとって、ダメージが大きいですね。 政局はどうなるでしょうか?
今日の映画紹介は上映中の 「シーズンズ 2万年の地球旅行」。 「WATARIDORI」「オーシャンズ」といった作品を 手がけてきたジャック・ペラン監督が、 ジャック・クルーゾ監督と共同で制作した作品。 2万年に及ぶ地球上の生命の歩みを 題材に撮り上げたネイチャードキュメンタリー。
監督が語る、
”もともと人間自体が地球を共有させてもらっている立場。 人間は他の動物がいなくては生きることが出来ない。
共生は不可欠だよ”の言葉がこの映画のテーマになっています。
四季折々の美しい自然と苛酷な自然条件の下に 生きる野生生物の生態が活き活きと描かれています。
キャッチコピーは ”さあ、命の旅へ”、 ”さあ、時空を超えるタイムトリップへ”。
およそ1万年前、太陽をまわる地球の軌道が変化し、
気温が上昇。氷河期が終わり、新たな生命が芽吹き始める。見渡す限りの緑の森、
自由を謳歌する動物たち、響き渡る鳥のさえずり、 その歌声に合わせて口笛を吹く少年。
人類も、動物たちと等しく生きる森の住人だった。 厳しい氷河期から2万年前という悠久の時間。 そこで懸命に生きる生命をドラマティックに
描いた感動の旅。ここには、この地球の全ての生命の希望に満ちた未来がある。
 と、監督の意志が伝わって来る映画でした。 が、いかんせん、 2万年を97分の時間内に納めるのは難しい。 それは、それとして、 世界初の無音小型バギーに搭載したカメラが、 疾走する馬や狼を彼等と同じ目線で 並走する場面は迫力満点。
又、軽量飛行機を用いて、雁の群れを並走しての撮影等、 臨場感溢れる映像を 1100円で座って見られるの幸せでした。
ナレーションは笑福亭鶴瓶と木村文乃。 |

白鯨との闘い 2016年1月19日

映画ファンの皆さん、今日は〜!
今日の映画紹介は上映中の「白鯨との闘い」。
原作はナサニエル・フィルブリックのノンフィクション
『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』。
ハーマン・メルヴィルの「白鯨」がどの様にして
誕生したのか、隠された真実を描いたサバイバル映画。
キャッチコピーは
”伝説の白鯨との死闘。生き延びる為に、
男たちが下した「究極の決断」とは…”
1850年、アメリカの新進作家の
メルヴィル(ベン・ウィショー)は、
トマス・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)と
いう男を訪ねる。
彼はかつてエセックス号という捕鯨船に乗り組み、
巨大な白いマッコウクジラと戦った人々の最後の生き残り。
当時最年少だったニカーソンが自然と人間の本性を知り、
過去を引きずりながら苦悩の人生をおくっていた。
彼は頑なに話す事を拒否していたが、彼の妻の勧めもあり
当時の壮絶な実話を聞き出すことが出来た。
その話とは…。
1819年、エセックス号は捕鯨基地ナンタケットを出港した。
船長は家柄だけで選ばれた未経験者の
ポラード(ベンジャミン・ウォーカー)で、
ベテランの一等航海士チェイス(クリス・ヘムズワース)は
それが不満だった。
お互いに相手を嫌い、ぶつかり合う二人。
1年以上の航海でもなかなか鯨油を集められない
エセックス号は、未知の海域へ。
そこで遭遇したのは巨大な白鯨が率いる
マッコウクジラの大群だった。

喜び勇んで白鯨に銛を打ち込むも、
逆襲されて沈没するエセックス号。
3艘のボートに分乗した船員たちは、
僅かな水と食料で漂流を始めるのだった。
全長30mの白鯨はCGですが、迫力ありますね。
エセックス号を破壊し、逃げて行くボートを追跡して
執拗に攻撃する姿は、捕鯨に対する抗議でしょう。
チェイスと一瞬、あの白鯨の強大な眼が絡み合う場面で
悲しそうに見えたのは気のせいでしょうか。
船長と一等航海士が葛藤し合いながら、
困難と苦しみを通じて、お互いに理解し、
成長していく過程もこの映画の見どころとなっています。
ヒューマン・アクション映画である
後半の漂流シーンは
「ラフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」と
比較して見ると、より楽しめますね。
監督は「ビューティフル・マインド」、
「ダ・ヴィンチ・コード」のロン・ハワード。
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人生の約束 2016年1月14日

 映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の「人生の約束」。
「池中玄太80キロ」、「新宿鮫」、「点と線」など
ドラマを手掛けた石橋冠が、
今年80歳になって完成させた初めての劇場映画。
”どうせ撮るなら自分のオリジナルでやりたい、
僕の大好きな風景の中で撮りたい”という思いで
制作されただけに監督の心情が伝わって来ましたね。
選ばれた舞台は監督夫人の故郷の富山県射水市新湊。
IT関連企業のCEOを務める中原祐馬(竹野内豊)は、
会社の拡大しか関心がない仕事おたく。
そんな彼の携帯電話に、一緒に会社を立ち上げ
苦楽を共にしながらも、経営方針の違いから
会社から追い出したかつての
親友・塩谷航平から電話が何度もかかってくる。
掛かってくる電話を最初は無視していたが胸騒ぎを覚え、
電話に出るが、返答がない。何かあったかと
祐馬は仕事をキャンセルして彼の故郷である
富山県新湊の四十物町(あいものちょう)に出かけて
航平の死を知る。
航平の義兄・鉄也(江口洋介)を訪ねて祐馬は
線香をあげようとするが、鉄也は航平を追い出し
最期の電話にも出なかった彼を追い返そうとする。
が、航平の娘・瞳(高橋ひかる)の対応でその場は収まる。
航平に娘がいたことに驚いた佑馬は
瞳に自分に何か出来ることはないかと尋ねると、
”西町から四十物町の曳山を取り返してくれますか?”の
言葉だった。
そこで知り合った、
町内会長の西村玄太郎(西田敏行)の
話から判ったことは、病のために余命わずかとなった
航平は最後に曳山につながりたいという思いから
15年ぶりに故郷に戻って来たのだった。
その曳山は維持費が無くなった四十物町から、
資金がある西町の会長・武田善二(柄本明)からの
提案で今年の祭りは四十物町に曳かせることを
条件に、曳山を譲ることだった。だが、武田はその約束を破り、
曳山を引くことが出来なくなったのだった。
一方、東京にある祐馬の会社が不正取引の疑いで
強制捜査を受ける。責任を取った佑馬は
会社や仲間と全てを失ったうえ、
富山県警の刑事・岩瀬厚一郎(ビートたけし)の
捜査が迫って来るのだった…。
そんな中、佑馬は
”一度口にしたことは実行する”と
かつて航平と交わした約束を思い出し行動を開始する。
と、詳しく粗筋を紹介しましたが、
監督のメッセージは祭りに参加して、曳くことで
つながり、「絆」と「再生」を取り戻すこと。
全てを失い、「つながり」を失った佑馬が、
曳山を曳くことで航平や彼の親族と「つながり」を
取り戻していきますね。
因みに「つながり」とは
360年の歴史を持つ「新湊曳山祭り」で
祭りに参加して曳山(山車)を曳くことを
「つながり」と呼ぶ。
人は一人で産まれた、一人で死んでいく、
でも生きている間は大勢の人と
「つながり」を持って生きています。
人との「つながり」だけではないですね。
自然の海や山、川は勿論、路傍の雑草とも
つながっているのです。
このシニア・ナビでもそうです。
全然、知らなかった赤の他人が、
ネットで「つながって」いますからね。
と何だかんだ言っても、
曳山を曳く、曳人の
”イャ〜セ!イャ〜セ”の勇壮な掛け声は
耳から、身体全体に浸透してきて”魂”が一体化して
精神が高揚して、自分も祭りに参加しているようでした。
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ブリッジ・オブ・スパイ 2016年1月10日

映画ファンの皆さん、今晩は〜!
今日の映画紹介は上映中の「ブリッジ・オブ・スパイ」。
スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演、
ジョエル&イーサン・コーエン脚本と、
いずれもアカデミー賞受賞歴のあるハリウッド最高峰の
最強タッグで制作された映画は、1950〜60年代の
米ソ冷戦下で起こった実話を描いたサスペンスドラマ。
キャッチコピーは
”その橋を踏み外せば世界が終わる。
冷たい戦争を止めたのは、ひとりの男のやさしさだった”。
事実は小説より奇なりと言いますけど、
本当にあった話なんですね。
保険法専門で有能な弁護士の
ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)は、
ソ連のスパイとしてFBIに逮捕された
ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)の
”スパイの交換を頼みたい”と国選弁護を依頼される。
”私はただの弁護士ですよ?
渡された書類の中身は見ませんよ”と断るが、
結局、引き受けることになる。

敵国の人間を弁護することは、
自身はおろか家族まで非難と身の危険が及ぶことだった。
妻には”裏切り者の家族と言われてるのよ”と
弁護をするなと言われるが、
”どんな人間でも同じように大切だ”と
弁護士としての職務を果たそうとするドノバン。
祖国への忠義を貫くアベルと面接するドノバン。
”君の担当になった”
”スパイを弁護したことが?”
”だって初めてだろ”と2人の間には、
次第に互いに対する理解や尊敬の念が生まれる。
死刑が確実と思われたアベルだったが、
”将来、アメリカ人が捕虜になった時に捕虜交換出来る”と、
ドノバンの交渉力で懲役30年となり、裁判は終わる。
それから5年後、ソ連を偵察飛行中だったパイロットの
パワーズ(オースティン・ストウェル)が乗る
“U-2”が撃墜撃され、彼はソ連の捕虜となる。
両国はアベルとパワーズの交換を画策。
ドノバンにその交渉人として再び白羽の矢がたった。
”もし君が失敗しても、政府は君を助けられない”と
”どこで交渉を”
”東ベルリンだ”と
民間人の立場で東ドイツへ交渉の旅に出るのだった。
ドノバンの「敵国のスパイも自国の兵士の命は同じ」との
信念を貫き、闘う勇気と情熱には感動しました。
映画の題名「BRIDGE OF SPIES 」は、
実際に捕虜の交換がされたドイツの
「グリーニッケ橋」のことで、又、ドノバンが
2国間の架け橋となっていると言う意味ですね。
ドノヴァンはこの捕虜交換を成功させた後、
’61年のビックス湾事件でキューバーに囚われていた
捕虜の解放でも交渉役を務めた。
彼によって解放された捕虜の1163人にものぼる。
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はなちゃんのみそ汁 2016年1月12日

映画ファンの皆さん、おはようございます!
東証で年初6日連続して続落中。 原因は中国政府の場当たり的な取引規制や 原油安で、経済大国になった中国が市場原理を 理解して実施するか、どうかが試されているようです。
今日の映画紹介は上映中の「はなちゃんのみそ汁」。
原作は2008年に33歳でこの世を去った
安武千恵さんの5歳の娘のはなちゃんと夫の信吾さんとの日々をつづったブログの
「早寝早起き玄米生活。〜がんとムスメと、時々、旦那〜」と 夫の信吾さんのがん闘病記を綴った回想記からなる エッセイの「はなちゃんのみそ汁」を映画化。
2014年にTVドラマ化されていますから見た人も多いでしょう。
キャッチコピーは ”食べることは生きること、あなたは子供に何を残しますか”。
西日本新聞記者の信吾(滝藤賢一)の 勤める支社へ訪れた音大生の千恵(広末涼子)。
信吾は千恵に一目惚れして、猛アタックして交際を始めて 結婚も考え始めるが、千恵が25歳の時、乳がんが見つかる。 信吾は千恵を支えることを決意し、結婚する。
すぐに手術になり左乳房の摘出して、 抗がん剤治療が始まった。 精神的にも肉体的にも追いつめられながらも、 がんは奇跡的に消滅する。
しかし医師から再発の危険性について宣言される。
抗がん剤治療の影響で卵巣機能が低下して 妊娠は難しいと言われていたが、千恵は妊娠。
産むことは、がんの再発リスクを高めるものだった。 一度はあきらめることも考えたが、 父の松永(平泉成)の ”死ぬ気で産め”の言葉も有り、 結局、恵は子どもを産むことを決意をする。
そして産まれた女の子、はなと命名。 一家に訪れた幸せな日々は、長くは続かなかった。 左肺にがんが転移していたのだ。 千恵は抗がん剤での治療を拒否し、 〈規則正しい生活〉と〈玄米中心の食生活〉で 一度はがんに打ち勝つのだったが…。
余命がわずかであることを覚悟した千恵は、 自分がいなくなっても4歳になる はな(赤松えみな)が「独りで生きていける力」を 与えようと、料理や家事の大切さを娘に 教えはじめる。最初に教えたのは、
”おみそ汁は作れるようになっときぃ〜に、 それさえ出来れば何とか生きていけるけん”と 鰹節を削るところから始まるみそ汁の作り方だった。
いわゆる、「難病ドラマ」で判っていても泣けますね。
マスクをハンカチ替りに涙を拭きました。
何と言っても、主人公の千恵さんが、プラス思考で
”私はツイている”と前向きな姿勢ががんと闘えたのでしょう。
癌患者の前でガンと言うな、”ポン”と言えと言った時には
笑えましたね。
はな役の赤松えみなちゃんは1000人以上の オーディションで選ばれただけに演技力でない 演技が健気でいいですね。
映画では家族に焦点を当てているので、 「代替療法」については、さらりとしか 触れていませんが、賛否両論があるのではと思った事でした。
千恵の姉役(松永志保)で 主題歌も担当する一青窈も出演。 彼女のこのテーマ曲である”満点星”は 満点星躑躅(ドウダンツツジ)から来ているのですね。 花言葉は”素直な告白”とこの作品にピッタリです。
監督は「ペコロスの母に会いに行く」の脚本を 手がけた阿久根知昭。
九州が舞台なので、台詞が博多弁なので、 佐賀県出身の私には”うまかぁ〜”が懐かしかったです。 |

クリード チャンプを継ぐ男 2016年1月5日

映画ファンの皆さん、おめでとうございます! 三が日の間はまだ、”おめでとうございます!”でしょうね。 「第92回東京箱根間往復大学駅伝・往路」で 青学大が2年連続の往路優勝でした。明日が楽しみです。
今日の映画紹介は上映中の 「クリード チャンプを継ぐ男」。 ご存知「ロッキー(1976年)」シリーズで シルベスター・スターロンを一躍、スターダムに 押し上げた映画からもう、40年経つのですね。 スターロンも69歳。さすがに、現役では無理ですから トレーナーとしてロッキーが9年振りの復帰。
キャッチコピーは ”あの「ロッキー」の新たな章がはじまる”。
世界的に有名なボクシング・ヘビー級チャンピオンだった アポロ・クリードの息子の アドニス・ジョンソン(マイケル・B・ジョーダン)は、 生まれる前に、「ロッキー4」で、ロシア人ボクサーとの 戦いで死んでしまった偉大な父親のことは何も知らない。
しかし、ボクシングの才能を受け継いでおり、 かつて父が無名のボクサーの ロッキー・バルボアと死闘を繰り広げた ライバルであり盟友だった、 ロッキーが住む、フィラデルフィアへと向かう。
その目的は、ロッキーにトレーナーに なって欲しいと頼むため。 愛する妻や義兄に先立たれ、孤独に暮らしていた彼は ボクシングからは完全に手を引いたと一度は断る ロッキーだったが、アドニスの中にアポロと 同じ闘争心を見出し、トレーナになることを決意して 熱きボクサー魂を教えることを決意する。
 旧作に登場したロッキーのペットのカメに、 古びたボクシングジム等にロードワークする フィラデルフィアの街並みは懐かしいですね。
極め付けは1作目でロッキーが階段を駆け上がり、 街を見渡すのはフィラデルフィア美術館前。 本作でも登場。この72段の階段は ”ロッキー・ステップ”よ呼ばれ、観光名所と なっているそうです。
今迄のロッキーシリーズよりいいところは、 アドニス・ジョンソン役の
新人のマイケル・B・ジョーダンの登用でしょう。
ファイトシーンに登場する現役のボクサーの 存在感は大きいですね。
ボクシング映画ですから、ファイトシーンに 迫力が無いとボクシング映画とは言えないですから。
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